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映画『若き見知らぬ者たち』公開記念舞台挨拶

映画『若き見知らぬ者たち』公開記念舞台挨拶
日時:10月12日(土)
会場:新宿ピカデリー
登壇:磯村勇斗、岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太、内山拓也監督

本作の主人公は、亡くなった父の借金返済と、難病を患う母・麻美の介護をしながら昼夜働く青年、風間彩人。彼の弟・壮平もまた、同じく借金返済と母の介護を担い、亡き父・亮介に憧れて始めた総合格闘技の選手として、日々練習に励んでいる。兄弟は、息が詰まるような厳しい生活の中で、それぞれの目標に向かって奮闘している。彩人は、恋人の日向との小さな幸せを手に入れたいと考えているが、親友・大和の結婚を祝う宴会の夜に、彼らの平穏な日常は突然の暴力によって壊されてしまう。

磯村勇斗

彩人役を務めた磯村は、映画の公開を迎えた心境について「昨日から無事に公開が始まり、多くの方々に観ていただけたことをとても嬉しく思います」と語り、感慨深げな様子を見せた。また、作品については「初めて脚本を読んだとき、この物語が非常に好きだと感じました。内山監督の作家性にも惹かれましたが、過去に理不尽な経験をしてきた自分だからこそ、『若き見知らぬ者たち』が持つテーマに共鳴できたのだと思います。彩人を演じながら、自分の中にたまっていた感情を吐き出しました」と振り返った。

内山拓也

内山監督は、本作に込めた思いについて「世の中には見過ごされている人が必ずいる。主人公が背負うものを皆で順番に担っていくような“交代劇”を作りたかった。それが今の時代と何か結びつくものがあるのではないかと考えていた」と語った。また、日向役を演じた岸井は、リハーサルなしの本番という撮影スタイルについて、「(ある場面で)見たままの感情をさらけ出せたのは、とてもありがたかったです。我慢している感情を抱えたまま演技ができたのは、やりやすかったですね」と振り返った。

岸井ゆきの

福山は約1年間のトレーニング期間を経て撮影に臨み、総合格闘技の試合シーンは7分間の長回しで撮影されたと語る。彼は「肉体で語るべきシーンが非常に多く、兄や亡き父、母、そして日向のことを思いながら拳や脚に感情を込めました。ただ技術を習得するだけでなく、思いをぶつける作業が大変でした。1年間は長いようで短かったです」と振り返った。また、磯村は「こっそり試合シーンを見に行って応援していました。感動しました」と明かした。

福山翔大

彩人の高校からの親友・大和役の染谷は初共演の磯村について「お芝居が始まった時に、前から知っている旧友感のような気がしたんです、何もしなくても親友という空気が流れていて鳥肌が立ちました」と感謝すると、磯村も「本当に大和役が染谷君で良かったと思っています。引っ張っていただきました」とリスペクトを口にする。

染谷将太

イベントでは、本作のタイトルにちなみ、MCから「まだ“名もなき見知らぬ若者”だった頃に抱いていた夢は?」という質問が投げかけられた。磯村は「ずっと役者をやりたいと思い続けていて、そこから全く逸れることなく、まっすぐ役者を目指していました」と語った。岸井は「3階建ての家に住みたいという夢がありました。小さい頃は夢のマイホームを絵に描いていました」と笑顔を見せた。染谷は「ジャッキー・チェンになりたかったです。彼が好きで映画を観るようになりましたが、あるときに『ジャッキー・チェンにはなれないな……』と気付きました。いつかジャッキー・チェンと共演したいです」と語り、期待を込めた。

内山監督は、観客に向けて「『若き見知らぬ者たち』に出演してくれた皆さんに拍手を送ってください」と呼びかけ、会場は大きな拍手に包まれた。その後、内山監督は自身がヤングケアラーであった過去に触れ、「そのような経験を通じて、現代社会を見つめ直し、この映画を制作しました。見過ごされている人々が確かに存在していると感じ、そのような状況にある人々に向けて、この作品を作りました。この映画を通して、同じような思いを抱えている人々がいることを少しでも知っていただけたら幸いです」と述べた。

主演の磯村は、内山監督の発言に応える形で「内山監督にも拍手をお願いします」と観客に呼びかけた。そして、「この映画はまだ完成していません。映画は観客の皆さんがどう受け止め、どう広めていくか、そのプロセスを通じて初めて完成します。皆さん一人一人の言葉や思いが、この映画を成長させていきます。多くの方々に広まることを願っています」と締めくくりました。

物語
風間彩人(磯村勇斗)は、亡くなった父の借金を返済し、難病を患う母、麻美(霧島れいか)の介護をしながら、昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働いている。彩人の弟・壮平(福山翔大)も同居し、同じく、借金返済と介護を担いながら、父の背を追って始めた総合格闘技の選手として日々練習に明け暮れている。息の詰まるような生活に蝕まれながらも、彩人は恋人の日向(岸井ゆきの)との小さな幸せを掴みたいと考えている。しかし、彩人の親友の大和(染谷将太)の結婚を祝う、つつましくも幸せな宴会の夜、彼らのささやかな日常はもろくも奪われてしまい…。
『若き見知らぬ者たち』

磯村勇斗 岸井ゆきの
福山翔大 染谷将太
伊島空 長井短 東龍之介 松田航輝 尾上寛之 カトウシンスケ ファビオ・ハラダ 大鷹明良 滝藤賢一/豊原功補 霧島れいか
原案・脚本・監督:内山拓也
製作:小林敏之 宮前泰志 藤本款 Amel Lacombe Sang Wook Kang Catriona Chen 菊野浩樹 本間綾一郎 森田篤 東城祐司 企画・プロデュース:宮前泰志 共同プロデューサー:Amel Lacombe 本間綾一郎 プロデューサー:吉岡宏城 佐藤雅彦
格闘技コーディネーター:新明佑介 格闘技指導:伊藤俊亮 格闘技監修:佐藤ルミナ
特別協力:一般社団法人日本修斗協会 協力:トライフォース柔術アカデミー
協賛:バカルディ ジャパン/イングラム/ムンディネロ/LIMITEST/イサミ/敷嶋醸造元 伊東
The Young Strangers Film Partners:カラーバード/TCエンタテインメント/クロックワークス/PANORANIME/MEDIA CASTLEMediaCastle Corp./Neofilms Ltd/TBSテレビ/ハッチ/UNITED PRODUCTIONS/メディアミックス・ジャパン 助成:文化庁文化芸術振興費補助金|日本映画製作支援事業|独立行政法人日本芸術文化振興会 企画・制作:カラーバード 制作プロダクション:エピスコープ サウンドプロダクション:PANORANIME 企画協力:ハッチ
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