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映画『早乙女カナコの場合は』完成披露上映会

映画『早乙女カナコの場合は』完成披露上映会  
■日時:2月25日(火) 18:30〜19:00
■会場:新宿ピカデリー スクリーン1(新宿区新宿3丁目15−15)
■登壇者(敬称略):橋本愛、中川大志、臼田あさ美、中村蒼

女優の橋本愛が25日、東京都内で主演映画「早乙女カナコの場合は」(矢崎仁司監督、3月14日公開)の完成披露上映会に共演の中川大志、臼田あさ美中村蒼と出席した。

橋本は、主人公・早乙女カナコを演じ、付かず離れずの関係を続ける脚本家志望の学生・長津田役を中川が演じている。初共演となった橋本は、「初めての共演でしたが、以前から中川さんのことは拝見していました。今回、本読みで初めてせりふ合わせをした際、作品に対する準備の仕方が似ていると直感的に感じました。現場でお話ししてみると、共有できる話題が多く、自分にとっては同志のような感覚で現場にいられたので、非常に心強い存在でした」と述べた。

橋本愛

中川は、橋本の言葉に感謝の意を示し、「ありがとうございます!」と述べた。続けて、自身の思いを語った。「今回、この作品のお話をいただいた際に、橋本さんの名前を見て、初めて共演できることが嬉しかったです。橋本さんは、いつかお芝居をしたいと思っていた役者さんの1人でした。この作品では、言語化しづらい感情や空気感を表現しなければならない場面が多くありましたが、そういった感覚を多く語り合わなくても、示し合わさなくても共有できる安心感を感じながらお芝居をさせていただきました」と振り返えり。中川は、橋本との相性が非常に良かったことを強調した。

中川大志

橋本は、主人公・早乙女カナコを演じるにあたり、大切にした点が2つあると述べた。1つ目は、カナコが男性恐怖症であることが彼女の核にあるということだ。カナコは、性的な目線を向けられることを忌避しながら生きている人物である。そのため、いわゆる女性らしい仕草やニュアンスを自ら削ぎ落とし、男らしい女性として自分をカテゴライズすることで居場所を確保している女の子である。橋本は、カナコが周囲からどう思われているか、自分がどう見られたいかという自意識に囚われて生きていることを強調し、その結果としてさまざまな葛藤が生じていると振り返った。

橋本は、長津田という役柄に対する感情面が複雑であったと述べた。「長津田のことを『長津田』と呼ぶのは、カナコの中の意地だと思っている。『絶対に下の名前で呼んでやるものか』という気持ちがある。自分のキャラクターではないため、恋愛をしたくないという思いがある。その上で、恋愛関係がこれまであまり描かれてこなかったのではないかと思う」とアピールした。演じる上で難しかったポイントについては、「大人になって長津田と再会するシーンが非常に難しかった。気恥ずかしさがあり、好きだけれども好きだと思ってはいけないという葛藤があった。好きになりたくないという気持ちが強く、『好きじゃね~し!』という感じだった」とにこやかに振り返った。これに対し、真横で「好きじゃね~し!」と言われた中川は「グサッと来ました」と苦笑いを浮かべていた。

このイベントでは、作品に関連して10年前との変化について語ることになった。

中川が10年前の自分の生意気だった姿を反省しながら話すと、次に臼田の番が回ってきて。彼女は「ちょっと視点が違うかもしれない…」と苦笑いしながら、「物価が上がっていますよね。野菜などが高くなって、10年前は迷わずに買えたものが、今は物価が高くて何を買うのにも比べたり迷ったりします」と報告した。自身の変化については、「あまり変わっていないような気もしますが、絶好調の日が少なくなりました。朝起きると『肩が痛いかも』とか『腰が重い』と感じることが増えました。大人になるということですね」とリアルなトークで笑いを誘った。

臼田あさ美

中村は「僕は食です」と回答。「23歳の時は何でも食べられるし、お腹いっぱいになればそれで十分だったんですけど、臼田さんと一緒でもうね、今は油が無理です」と打ち明けた。

先に「絶好調の日がなくなった。朝起きたら肩痛いかもとか!」と答えた臼田あさ美は爆笑。「食べてる瞬間から胃もたれするものが出てきたりして。それが自分で信じられなくて。見事に年上の人が言ってる通りになってるんで、怖いなと」と体の変化に驚いていた。

中村蒼

本作は、柚木麻子の小説『早稲女、女、男』を原作とし、『早乙女カナコの場合は』のタイトルで映画化された。物語は、男勝りで過剰な自意識を持つために素直に甘えることができない主人公・早乙女カナコと、演劇サークルの先輩・長津田啓士との10年にわたる恋愛模様を中心に展開される。彼女たちと周囲の人々が右往左往しながらも、それぞれが自分を見つめ直していく姿を描いた恋愛奮闘記となっている。

橋本愛
中川大志 山田杏奈
根矢涼香 久保田紗友 平井亜門 /吉岡睦雄 草野康太/ のん
臼田あさ美
中村蒼

監督:矢崎仁司
原作:柚木麻子『早稲女、女、男』(祥伝社文庫刊)
脚本:朝西真砂 知 愛 音楽:田中拓人
主題歌:中嶋イッキュウ「Our last step」(SHIRAFUJI RECORDS)

製作:石井紹良 髙橋紀行 宮西克典
プロデュース:中村優子 金 山 企画・プロデューサー:登山里紗 プロデューサー:古賀奏一郎
撮影:石井勲 照明:大坂章夫 音響:弥栄裕樹 美術:高草聡太 装飾:杉崎匠平
編集:目見田健 衣裳:篠塚奈美 ヘアメイク:酒井夢月
キャスティング:北田由利子 助監督:古畑耕平 制作担当:福島伸司 宣伝協力:FINOR
製作幹事:murmur KDDI
配給:日活/KDDI
制作:SS工房 企画協力:祥伝社
2024/日本/DCP/2:1/5.1ch/119min 映倫区分:G
(C)2015 柚木麻子/祥伝社 (C)2025「早乙女カナコの場合は」製作委員会