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映画『探偵マーロウ』

レイモンド・チャンドラーの私立探偵フィリップ・マーロウをハリウッドの名優リーアム・ニーソンが演じた映画『Marlowe』が、日本では『探偵マーロウ』という邦題で6月16日(金)に全国公開されます。この作品は、他の方が書かれた内容を参考にしながら書き換えられたものです。リーアム・ニーソンの存在感と演技力によって、チャンドラーの傑作私立探偵がスクリーンでよみがえります。

リーアム・ニーソンは、最近では主にアクション映画のヒーロー役を演じることが多い俳優ですが、今回はノワール・スリラー映画で私立探偵フィリップ・マーロウを演じます。この映画は、ジョン・バンヴィルがベンジャミン・ブラック名義で執筆した小説『黒い瞳のブロンド』を映画化したもので、『ロング・グッドバイ』の続編という形をとっています。

物語は1939年のベイ・シティで展開されます。マーロウは探偵事務所を営みながら、謎めいた美女クレア・キャベンディッシュから、彼女の行方不明になった元愛人であるニコ・ピーターソンを探すよう依頼されます。マーロウはニコを追って会員制の社交クラブに足を運びますが、情報はつかめません。一方、クレアの母であるハリウッドの大スター、ドロシー・クインキャノンは傲慢で高飛車な性格で、娘にもその夫リチャードにも容赦がありません。

物語は、ニコがクラブのゲート前で轢き逃げされて死亡し、その後、メキシコのティファナで彼を目撃したというクレアの証言から、ニコの死が偽装である可能性が浮上します。マーロウはニコの妹やメキシコ人のグループ、クラブの支配人、犯罪組織の首領といったさまざまな人物と関わりながら、真相を追求していきます。物語は派手なクライマックスを迎えた後、意外な結末へと続きます。

この映画は、過去のマーロウ映画を思い起こさせるムードとアクションが特徴であり、40~50年代のフィルム・ノワール作品を彷彿とさせる作りとなっています。マーロウものとしての定石に則り、失踪人捜索の依頼から始まり、聞き込み中に暴漢に襲われたり、依頼人の嘘が明らかになったりする展開があります。マーロウは困難に立ち向かいながらも、真実を突き詰めていく過程で意外な事実が明らかになります。映画は多彩なキャラクターや巧みなストーリーテリングによって魅力的に構成されており、警察、クラブ、撮影所、アパートなどの場所が物語に絶妙なリズムを与えています。

『黒い瞳のブロンド』は、古典的なノワール・スリラーの要素を取り入れながら、リーアム・ニーソンが演じる孤高の私立探偵フィリップ・マーロウが謎解きに挑む姿を描いた作品です。彼のアクション映画におけるヒーロー像とは異なる一面を見せることで、ニーソンの幅広い演技力を堪能することができるでしょう。

【ストーリー】

1939年、ロサンゼルス。私立探偵フィリップ・マーロウのもとに、裕福そうなブロンドの美女が現れます。彼女はかつての愛人であり、突然姿を消した彼を探してほしいと依頼します。マーロウはこの依頼を引き受け、捜査を進めるうちに、急成長する映画産業の闇に飲み込まれていくことになります。

物語は予測不可能な展開の連続で進行し、マーロウはハリウッドの裏側に存在する様々な謎や陰謀に立ち向かいます。彼が辿り着く真相は、想像を絶するものであり、どのような結末に至るのかが注目されます。

監督:ニール・ジョーダン
脚本:ウィリアム・モナハン、ニール・ジョーダン
原作:「黒い瞳のブロンド」(ベンジャミン・ブラック/小鷹信光 訳 早川書房刊)
出演:リーアム・ニーソン、ダイアン・クルーガー、ジェシカ・ラング、アドウェール・アキノエ=アグバエ、ダニー・ヒューストン、アラン・カミング
原題:Marlowe/2022 年/アイルランド・スペイン・フランス/英語/109分/カラー/字幕翻訳:船越智子
配給:STAR CHANNEL MOVIES
©2022 Parallel Films (Marlowe) Ltd. / Hills Productions A.I.E. / Davis Films

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