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映画『地球星人は空想する』

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023においてSKIPシティアワードと最高賞にあたる優秀作品賞をW受賞し、第36回東京国際映画祭にも招待され5月11日より劇場公開を迎える映画『地球星人(エイリアン)は空想する』。
地球星人は空想する

本作に対し映画監督・中野量太、映画批評家・児玉美月など豪華著名人よりオピニオンコメントが到着しましたのでご紹介。

【石井岳龍(映画監督)】

松本監督は醒めた現代的才気で、ジャンル映画へのひたむきな愛情と娯楽的語り口の天性の資質を試行錯誤しつつ深化させ、予算やスタッフ数では計り切れない骨太エンターテインメント人間ドラマを現出させてしまった。

【児玉美月(映画批評家)】

「真実」の重要さなどとうに置き去りにされた現代において、
人々は欲望のまま見たいようにしか見ず、
他者の関係性は記号化され容赦無く裁かれる。
それぞれの星に生まれついた異人たちでしかないわたしたちは、
果たしてどうやって共存できるのだろう。
物語の宇宙的な広がりに顔負けしないほど、
切迫性のある多くの問いに溢れた映画。

【 望月哲史(webムー編集長)】

コスモアイル羽咋というロケーションからして、UFO界隈に生きる者として観ないわけにはいかない。
謎の発光飛翔体、ミステリーサークル、アブダクションなど昭和から定番のメニューを揃えつつ、信仰、覚醒、隠蔽を織り込んで、正しく現代日本のUFO映画になっている! そう、あえてぶち上げたくなる「超常現象を巡る正しさ」の問い直しが、苦しくて面白い。
ところで、ロングショットの場面で「画面の四隅が暗い」ような。これは「遠くから見ている存在」の示唆だと確信している。

【 小辻陽平(映画監督)】

映画には、作り手がどう生きているか、どんな眼差しをもってるかが不思議なぐらいはっきり映ります。
僕は『地球星人(エイリアン)は空想する』の、映画作りにかける童心のような憧れと、茶目っ気たっぷりの眼差しにとても惹かれました。
同じ自主映画を作る者として、世田谷センスマンズの皆さんを心から応援しています。

【 松崎健夫(映画評論家)】

映画に登場する<地球外生命体>=<エイリアン>という存在は、往々にして額面通り解釈してはならないのである。大都市のランドマークに対して、破壊の限りを尽くすことを売りにしているような映画ではない場合は尚更だ。極低予算・少人数のスタッフによって製作されたこの映画には、ルポルタージュのような構成によって<エイリアン>を描くという秀逸なアイディアに加えて、ある種の哲学や思想をも見出すことができる。それは、ハリウッドが<赤狩り>の時代に人間の姿をした<エイリアン>を共産主義者のメタファーにしていたことにも似ていて、新感覚の<地球星人>=<エイリアン>を描くためにド派手な爆破や特撮など必要としない、制作陣の矜持のようにも感じさせるのである。なんとも凄い映画を作ったものだ!
【中野量太(映画監督)】

豊かなイマジネーションに惹き込まれ、いつの間にか、一人の地球星人である自分を空想した。もしかして僕は、日本映画の(UFO的)未来を観たのかもしれない。

また、K’s cinemaでの上映後登壇イベントの内容も解禁した。
初日、2日目はメインキャストによる舞台挨拶。13日は『ブルーを笑えるその日まで』の武田かりん監督、14日は『箱男』の公開が控える石井岳龍監督、15日は『冗談じゃないよ』の日下玉巳監督と海老沢七海、16日は『在りのままで進め』の松本動監督と水村美咲、17日は『カメラを止めるな!』の上田 慎一郎監督がゲストとして登壇する。豪華ゲストの決定に対し本作監督の松本佳樹は「自分がお客さんとして観に行きたいくらいです。緊張します。」とコメント。業界人から期待される本作は、5月11日〜新宿ケイズシネマにて劇場公開され、6月22日〜大阪シアターセブン、7月20日〜金沢シネモンドと上映が続く。

イントロダクション

本作は石川県の俳優を起用し石川県で撮影するというコンセプトのもと製作された映画。
なんと製作費は100万円。メインスタッフもわずか3人という超低予算体制で撮影を敢行。限られた予算、機材での撮影ながらも映画製作の新境地を開拓。SKIPシティ映画祭で審査委員長を務めた中野量太監督も「僕には撮れない映画でした。新しい才能、監督がでてきた。嫉妬もした。」と絶賛。これは単なる受賞に留まらない例外的な成功を裏付けている。主演・企画の田中祐吉は、石川の劇団で鍛え上げられた演技で作品を牽引。ヒロイン役の山田なつきは、舞台から映像へと活躍の場を広げ、ミステリアスで唯一無二の存在感を放つ。その脇を固めるアライジン、星能豊、中村更紗、村松和輝など多様なキャストたちも、それぞれ多彩な経歴を生かし作品に深みを加えている。本作の舵を取るのは、映像制作団体「世田谷センスマンズ」所属の松本佳樹監督。彼の革新的なアプローチは映画の枠を超え、独創的なビジョンと新しい創造の地平を開拓する。そして監督補佐の北林佑基と撮影監督・常川千秋は、松本と共に神戸芸術工科大学映画コースで『狂い咲きサンダーロード』の石井岳龍監督に師事した級友である。本作でも大学時代から培ってきた息のあったコンビネーションで、映画芸術の新しい方向性を示唆する革命作を作り上げた。現代の情報社会を反映した独特の撮影・編集技法で、観客はSNSの情報の渦の中にいるような体験をすることだろう。劇場での鑑賞は映画ファンならずとも一見の価値有りだ。

正義感が強く、ウソが許せない雑誌記者・宇藤のもとに舞い込んだのは「UFOのまち」石川県羽咋市で起きた「大学生エイリアンアブダクション事件」のネタ。ウソを暴いてやろうと取材を始めるが、調査を進めるほどにエイリアンアブダクションを裏付ける証拠が見つかり、さらに自分を宇宙人だと名乗る女子高生・乃愛も現れ、宇藤は不可解な事件の沼に嵌っていく。“UFOのまち”から広がる物語は、まさにUFOの目撃証言を断片的に切り貼りしたかのような映像で紡がれ、やがてそれらはモザイク画のごとくぼんやりとした事件の全体像を描き出す。果たしてこれは宇宙を巻き込んだSF映画なのか? はたまた等身大のヒューマンドラマなのか?事実と空想が交錯する複雑怪奇な地球星人奇譚を目撃せよ。
地球星人は空想する
【キャスト】田中祐吉、山田なつき、アライジン、中村更紗、村松和輝、星能豊、ひろえるか、小夏いっこ、町田英太朗、大城規彦、西村優太朗、西よしお、八野田秀平、濱田良男、藤えりか、藤澤克己
【スタッフ】監督・脚本・編集:松本佳樹/撮影監督:常川千秋/撮
影:北林佑基、松本佳樹/監督補佐:北林佑基/劇中絵画:松本佳
樹、山田なつき/撮影応援:冨永悠奏/美術応援:佐々木かな、林真子/車輌:田中祐吉、星能豊、大沼賢太
【ロケーション協力】宇宙科学博物館コスモアイル羽咋/奈良カエデの郷ひらら/永光寺/屋上・スタジオレンタルえこてん/和風レストランやまぐち/高商スタジオ/スタジオ和洋空間/二枚田昇/西よしお/松本俊介/松本明子/北林佑基/林真子
2023 / 99 分/シネマスコープ/カラー/英題:Alien’s Daydream
【製作】世田谷センスマンズ
【配給】KUDO COMPANY
5月11日(土)公開
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