森山未來が37歳の化け猫役を演じる日仏合作アニメーション『化け猫あんずちゃん』がカンヌ国際映画祭の併設部門である第56回カンヌ監督週間に選出され、日本公開日が7月19日に決定しました。
原作は、子猫の時に拾われ、10年たっても20年たっても死なず、気が付けば30年以上生きて人の言葉も喋れるようになっていた化け猫のあんずを主人公とした、いましろたかしによる漫画。『花とアリス殺人事件』(15年)にて23歳という若さでロトスコープディレクターに抜擢され、アニメーション・漫画・イラスト各方面から注目を集める気鋭のクリエイター久野遥子と、『リンダリンダリンダ』(05年)や『カラオケ行こ!』(24年)などの山下敦弘がW監督を務め、実写映像を元にアニメに描き起こすロトスコープの手法を用いてアニメーション映画化しました。
カンヌ監督週間は作家性を重視した作品が選出され、世界で活躍する映画監督の登竜門として知られるカンヌ国際映画祭の併設部門。今年のポスタービジュアルは北野武描き下ろしのイラストが使用されていることでも注目を集めています。過去にはソフィア・コッポラ、スパイク・リーやアキ・カウリスマキ、日本人では大島渚、北野武、西川美和らが選出されており、日本の長編アニメーション作品としては高畑勲『かぐや姫の物語』、細田守『未来のミライ』に続く6年ぶりの選出となります。
4月16日(火)に実施されたラインナップ発表会見では「子ども、若者、大人、全ての人に向けられた作品で、詩的であり不思議な生き物が登場する作品」と紹介されました。
以下、コメントが到着しています。
久野遥子(監督)
まさかあんずちゃんがカンヌに連れて行ってくれる化け猫だったとは…!
この1年半、日仏のスタッフでこつこつアニメーションを作ってきましたが、こんな形でスポットがあたるとは微塵も思っていなかったので本当に驚きました。
とても手作りで手探りな映画に関わってくださった方々に素敵な報告が出来てとても嬉しいです!
そしてこんなに楽しいアニメーションに、私と山下監督を誘ってくださった近藤プロデューサーにはカンヌでデカい肉を奢らせてくださいね。
山下敦弘(監督)
『化け猫あんずちゃん』がカンヌ国際映画祭の監督週間に選出…、
まず初めに何かの冗談かと思いました。いましろたかしが原作で、いまおかしんじの脚本で、『山田孝之のカンヌ映画祭』というカンヌに怒られそうな番組を作った俺が関わっているのに、なかなかカンヌも懐が深いです。
これも一重にアニメーション監督の久野遥子さんの頑張りのおかげなのだと思います。なのでカンヌで久野さんに海鮮を奢りたいと思います。とりあえず行ってきます。
森山未來
山下さん 久野さん
おめでとうございます。
今度カツ丼おごってください。
ニャッハッハッハッ
==
『化け猫あんずちゃん』(英題:Ghost Cat Anzu)
雷の鳴る豪雨の中。お寺の和尚さんは段ボールの中で鳴いている子猫をみつける。その子猫は「あんず」と名付けられ、それは大切に育てられた。だが、おかしなことに10年・20年経っても、死ななかった。30年たった頃、どうした加減なのかいつしか人間の言葉を話し、人間のように暮らす「化け猫」になっていた。移動手段は原付。お仕事は按摩のアルバイト。現在37歳。そんなあんずちゃんの元へ、親子ゲンカの末ずっと行方知れずだった和尚さんの息子が11歳の娘「かりん」を連れて帰ってくる。しかしまた和尚とケンカし、彼女を置いて去ってしまう。大人の前ではいつもとっても“いい子”のかりんちゃん。お世話を頼まれたあんずちゃんはしぶしぶ面倒をみるのだが、どうも一筋縄ではいかない気配が……。
監督:久野遥子、山下敦弘
原作:いましろたかし「化け猫あんずちゃん」(講談社 KCデラックス 刊)
脚本:いまおかしんじ
キャスト(声・動き):森山未來、五藤希愛
制作:シンエイ動画×Miyu Productions
製作:化け猫あんずちゃん製作委員会
実写制作協力:マッチポイント
日本公開:2024年7月19日(金)全国公開
配給:TOHO NEXT
公式サイト
©いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会