2024年11月8日より劇場公開される、2023年度のセザール賞で最多12部門のノミネートを果たしたフランス映画「動物界」から、主人公フランソワの一人息子であるエミールの動物化が発覚するシーンの、本編映像が公開された。
高校の同級生たちとのパーティーのあと、森の中で記憶を失い、そのまま朝を迎えたエミールは、自分の体に違和感を覚え、鏡をのぞき込む。髪は乱れ、口周りは血のようなもので汚れた姿を見ると、戸惑いながら体の変化を確認する。わずかながら浮き出る背骨は、動物化の兆しにも見える。息子の朝帰りを心配した父のフランソワが扉を開けて中に入ってこようとするが、エミールはその変化を知られまいと父を閉めだす。のどにつかえていた異物を吐き出すと、そこには美しい鳥の羽が。「まさか、記憶を無くしている間に鳥を丸ごと食べてしまったのか」と動揺する姿を見せる。
徐々に体が変化していくエミール役を演じたポール・キルシェは、1年ほど前から時間をかけ、振付師と一緒に動物の動きに変化していく所作を準備したという。「僕という人間の身体をどう使って、動物的な欲望や恐れを表現するかが課題だった。人間と動物が半分ずつという特徴を、一体どうやって表現するのか?デヴィッド・クローネンバーグ監督の『ザ・フライ』の主人公は、ハエ人間だから光に引きつけられて天井の照明にぶつかっていた。人間の体で動物の本能を表すには、うなり声ではなく、行動の変化で演じたいと思ったんだ」と、身体的な表現を徹底的にこだわったことを明かしている。
「動物界」は、人間がさまざまな動物に変異する奇病がまん延している近未来を舞台とした作品。原因不明の突然変異によって、人類は徐々に体が動物と化していくパンデミックに見舞われる。“新生物”は、その凶暴性ゆえに施設で隔離されており、フランソワの妻ラナもそのひとりだった。しかしある日、移送中の事故によって、彼らが野に放たれる。フランソワは16歳の息子エミールとともにラナの行方を必死に探すが、次第にエミールの体に変化が出始める。人種差別、移民、ルッキズム、感染症など、現代的なテーマを内包した作品となっている。
最愛の家族を守り抜こうとするフランソワを演じるのは、「真夜中のピアニスト」「彼は秘密の女ともだち」などのロマン・デュリス。イレーヌ・ジャコブを父に持つポール・キルシェが、少しずつ動物化していくエミールの心の叫びを体現する。さらに、「アデル、ブルーは熱い色」のアデル・エグザルコブロスらが出演している。監督・脚本を務めたのはトマ・カイエ。
『動物界』作品情報
公開日 | 2024年11月8日公開予定 |
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キャスト | 監督:トマ・カイエ 出演:ロマン・デュリス ポール・キルシェ アデル・エグザルコプロス トム・メルシエ ビリー・ブラン |
配給 | キノフィルムズ(提供:木下グループ) |
制作国 | フランス(2023) |
年齢制限 | PG-12 |
上映時間 | 128分 |
公式サイト | https://animal-kingdom.jp/ |
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