ドキュメンタリー映画『プーチンより愛を込めて』の公開を記念して、黒井文太郎と岡部芳彦を迎えたトークイベントが開催されました。この映画は、エリツィンが引退を宣言し、プーチンが大統領代行に就任してからの1年間を追った貴重な映像を編集し、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しました。
トークイベントの冒頭で黒井は、エリツィンのロシア大統領選挙を取材するなど、ロシア関係について長く注視していることを述べました。岡部はウクライナ研究会の会長として、自身がロシアの入国禁止リストに載っていることや、実はエリツィン時代のロシアで留学をしていたことを説明しました。さらに、ソ連崩壊直後にソ連を訪れた驚くべきエピソードも披露しました。
黒井は本作について、「最初はプーチンを褒める映画かと思ったが、監督自身のツッコミが入っており、その後監督自体が指名手配されるなどの展開があった。当時のプーチンの映像は見たことがなかったし、プーチン自身に興味があったので面白かった。エリツィンのシーンが多く、エリツィンとプーチンの関係性が面白いと思った」と述べました。岡部も、「エリツィンが結構登場するのが印象的だった」と同意しました。
岡部は、エリツィン大統領の博物館を訪れた経験を共有し、「エリツィン大統領は意外に几帳面な人物で、展示を見終わると『エリツィン大統領は人間的にも欠陥があったけれど、ロシアに自由をもたらしたのは間違いない』と締めくくられていた。エリツィンがプーチンを後継者に選んだことは皮肉なことだと感じた」と語りました。
配給:NEGA
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