映画

映画『ハッピー☆エンド』舞台挨拶

劇場公開記念舞台挨拶
日付::4月27日(日)
場所:シネスイッチ銀座
登壇:萬田緑平(在宅緩和ケア医)/室井滋(ナレーション)/オオタヴィン監督

最初にオオタヴィン監督が登壇。
簡単なご挨拶後、ナレーションを務めた室井滋さんがステージに。

室井さんはこの映画について「誰もが関心あることで、これから誰もが考えなきゃいけないことだと思う。こうして参加できて嬉しかった」とご挨拶。着席後にトークが始まりました。
オオタ監督が「「 昔は病院ではなく、この映画のように自宅で療養するような風景を見て育った」と話すと室井さんは「(祖父は)「99歳で亡くなったのですが、多分、病院に入院したことがなかったと思います。
オートバイで転んで頭をぶつけても家で冷やして治すという丈夫な人だったんです。段々と具合が悪くなり、かかりつけのお医者様が往診にいらして下さってましたが、さらに具合が悪くなった時、さすがに病院へ入院するだろうと子どもながらに思ったんです。でも最後まで家でした。家で看取り、お葬式をしましたね」と子どもの頃の実体験を語った。
また、劇中の話しに及ぶと室井さんは「「 自分の好きなことを最後までしっかり出来ると、本当に幸せですよね。ただし、それをちゃんとサポートしてくださる萬田先生のような方と巡り会えたから出来ると思うんですよ」と話した。
その在宅緩和ケア医師の萬田緑平先生が、トーク中盤に登壇。患者さんを一時間かけて診察するという萬田先生に対して室井さんは「すごいですよね。でも、いろんな患者さんがいらっしゃるでしょう?」と尋ねると、「「 僕のところにくる方々とは一時間話して過ごしたりしているだけですから楽しいし、本人の好きなようにしてもいいよっていう優しい家族しかいないんですよ」とニッコリしつつ、「「すべての人は、一日一日老化していくという考え方なんです。どんなにいいものを食べても、どんなに治療しても、老化
して弱って死んじゃう。がん治療については、体がきつかったので早く老化しちゃうってこと。僕の患者さんには、弱ってくるから死んじゃうのならば、弱らないように一生懸命歩きましょうね、って話してます。歩いているとね、結構、粘れるんですよ」と笑顔で答えた。

「在宅緩和ケア」は心と身体の苦痛をやわらげ、自宅で自分らしい生活を送れるようにするケアです。
過酷な延命治療で苦しむことなく、痛みのない日常生活を続けられる在宅緩和ケアという選択肢は
病院の面会が禁止されたコロナ禍を経た今、大きくクローズアップされています。在宅緩和ケア医師の萬田緑平先生の診療所は、いつも笑い声が絶えません。
ジョークが好きな萬田先生の信条は、「患者本人が好きなように」「本人が望むこと」を全力でサポートすること。
「退院して家に帰ったら、❝身体にいいこと❞より❝心にいいこと❞を優先して考えましょう」とその治療で患者さんが
幸福になっているかが全て。その萬田先生のもと、末期がんで余命宣告された患者さんたちは、住み慣れた我が家で
「生き抜く」ことを選択します。家族旅行を楽しんだり、愛するペットとともに暮らす。趣味のガーデニング、ゴルフ、お酒を満喫する。
その笑顔に包まれた穏やかな日々は、病院での入院生活とはまったく異なる時間が流れています。
本作で描かれるのは、最期まで自分らしく生きる、その輝き。感謝の言葉を贈りあうことで、前向きに歩きはじめる
家族の姿です。

さらに、全身がんを抱えながら2018年に亡くなった樹木希林さんの言葉の数々が、私たちに明るく生き続ける極意を
教えてくれます。

在宅緩和ケア医療に密着したのは、今なお上映が続く『夢みる小学校』のオオタヴィン監督。
ナレーションは、佐藤浩市さんと室井滋さんのスペシャルなコラボレーションが実現。
エンディングテーマは、ウルフルズの名曲「笑えればV」。

がんに悩む現代人に伝えたい、”緩和ケアという希望”を描いたドキュメンタリー。
あなたの人生をハッピーエンドにするためのヒントがここにあります。

ハッピー☆エンド

出演:萬田緑平(在宅緩和ケア医) 樹木希林
ナレーション:佐藤浩市 室井滋
エンディングテーマ、ウルフルズ「笑えればV」
監督:オオタヴィン
製作:まほろばスタジオ
配給:新日本映画社
2025、日本、カラー、16:9、ステレオ
©まほろばスタジオ