映画『チャチャ』完成披露上映会

『チャチャ』舞台挨拶
日時：９月24日(火)
会場：新宿ピカデリー
登壇：伊藤万理華、中川大志、藤間爽子、塩野瑛久、酒井麻衣監督

『チャチャ』の完成披露上映会が9月24日（火）に新宿ピカデリーで行われ、伊藤万理華、中川大志、藤間爽子、塩野瑛久、酒井麻衣監督が登壇した。

この作品、ノットヒロインムービーズの第4弾なんです。監督の酒井麻衣は「美しい彼」シリーズで人気を博しているクリエイターだと聞きました。そして主演の伊藤万理華は、幅広い役柄を演じ分けられる実力派の女優さんです。

さて、物語の舞台は自由奔放に生きるイラストレーターのチャチャ。そんなチャチャが、偶然出会った謎めいた青年・樂に興味を持つというストーリーです。

チャチャは周りの目を気にせず、自分のペースで生きる女性なのかもしれません。一方の樂さんは、どのような謎に包まれた青年なのでしょうか。二人の出会いがどのように物語を紡いでいくのか、想像するだけでもわくわくしますね…。

主演の伊藤万理華は、自由奔放な性格のチャチャ役にぴったりだと監督の酒井麻衣が絶賛しているようで。伊藤は「ちゃんとキャラクターとして現実にいてもおかしくないようにしたいと思った」と振り返り、「（監督から）『もうちょっと伊藤さんのままでいいよ、そのままでいいよ』と言われて」と明かし、「意識的にいつもの無意識を出すのが難しかったです」とチャチャのキャラクターを振り返っています。

一方、チャチャが惹かれる謎の青年・樂役の中川は、「僕自身にないもの、ない空気感をまとっているキャラクターで、だからこそ、憧れという感覚を持ちながら（脚本を）読んだ」と振り返った。そんな中で「樂はこうじゃなくちゃいけないという理想像が出来上がっていって。理想が高くなっていって、そういえば俺がやるのかとプレッシャーを感じてしまうような魅力的なキャラクターです」と語った。演じる上では「危うさ、ミステリアスさとか。目の前にいるんだけど違う世界にいるような、不思議な魔力を持った男の子で、説得力を持って演じなくては成立しないと思った」と樂という理想的なキャラクターに近づこうと意識したことを述べ

二人の俳優が、それぞれの役柄に魂を込めて演じ切っていることが伝わってきます。チャチャと樂の出会いがどのように物語を紡いでいくのか、俳優陣の演技力に大きな期待がかかっているのが感じられます。

続いて、チャチャの会社の同僚・凛役を演じる藤間は、凛という「風変わりだが憎めないキャラクター」だと紹介しています。「物語の中で、客観的な視点から物語を語るようなストーリーテラーの役割を担っているよう」と述べました。

一方で、あまり言及したくないようですが、物語の意外な展開に関わってくる人物・護を演じる塩野は「一言で表すならヒモ。でもヒモを紐解くと、愛され力だと思ったんです。いかにして経済的に自立をしていなくても人から愛されて、サポートしてもらえて、そばに置きたいと思ってもらえるかを意識しながら護という人物を構築していって」と述べ。過去にこのような役柄に興味を示していたそうで、まさかの抜擢に驚いたと語っています。

観客からも大きな反応があったことからも、護という人物が物語の重要な鍵を握っているのかもしれません。チャチャ、樂、そして凛や護といった個性的なキャラクターたちが、どのように絡み合っていくのか、非常に興味が湧いてきます。

本作が”ビザールラブストーリー”だということで、出演者の方々にも”風変り”な一面がある部分をフリートーク。

主演の伊藤「気づいたらクッションが増えている。作っちゃう」と答えた伊藤に、「買うのではなく？作るんですか？」と中川。「着なくなったTシャツとかトートバッグに綿を詰めておけばいいじゃん？」という伊藤に、「綿がないんですよ」と困惑気味の中川。塩野も「名言出ましたよ」と感心しているようで、伊藤は「気づいたらクッションが…。20個くらい」というと、伊藤は「そんなに広げなくていいよ！やめよ」と制止しているという場面が印象的で。簡単に作れるアイデアを披露していました。

中川は「お風呂で髪を洗うときにシャンプーからするんですけど流さずに体を洗いはじめまして。また流さずに顔を洗って、全身泡だらけの状態になって一気に流す」といい、「銭湯とか温泉で、あれ意外とやっている人いないんだなと思いまして」と気づいたことを明かし、「時短のためにやっていたんですけど意外と時短になっていないことに気づきました」と述べました。

続いて、凛役の藤間さんが自身の”風変り”な特徴について明かしています。

藤間は「興奮すると思っていることの逆を言ってしまう」と答え「暑かったら、『寒い！』みたいな、逆のことを言ってしまう時があって、自分大丈夫かなと思うときが」言うと、中川は「僕たちも覚えておかないとですね。逆のことを言ってると」切り込みました。

藤間は「今日言ったことは本当です」と返答し、笑いを誘っています。

このように、キャストたちが互いに自身の”変わった”癖を認め合う様子が印象的でした。ビザールなキャラクター性を持つ出演者たちの掛け合いから、この作品の独特の雰囲気が感じ取れます。

ここでは、塩野さんと監督の酒井さんの”風変り”な特徴が明らかになりました。

まず塩野は、「興味を持ったことがあったらすごく調べて、これからプレゼンでもするのかというくらい調べる」と語り、そのくらい深く掘り下げるのが特徴なのだとか。

一方の酒井監督は、色彩にこだわりを持っているそうで、ストレスがたまると、自身の身につける色を変えるそうです。真っ赤や紫、水色などの鮮やかな色を身に着ける日もあるそうで、今日は落ち着いた白を着ているのかもしれないと語っています。

このように、キャストや監督陣それぞれに個性的な特徴が明らかになっていく様子が印象的でした。

最後は舞台挨拶では、

まず主演の伊藤万理華は、この作品が一言では表せない複雑な内容であり、チャチャという主人公が様々な視点から描かれることを強調しています。チャチャは表面的には浮いた存在に見えるかもしれませんが、人間味と深い情を持っているキャラクターだと述べています。そして、個性的なキャラクター群を通して、徐々にチャチャへの共感が生まれていくと語りました。

そして酒井監督も、チャチャの生きる世界の中で、普段は口にしない感情が描かれていると話しています。観客にとっては、まるでジェットコースターのような感覚の映画になるだろうと呼びかけて舞台挨拶を締めくくりました。