『コーンフレーク』は、監督磯部鉄平によって制作されたラブストーリーであり、同棲カップルである裕也と美保の物語が描かれています。裕也は20代後半で音楽の夢を諦めきれず、自堕落な生活を送っています。一方、美保は保険外交員で将来に不安を抱えています。物語は同棲7年目に入った二人の日常を通じて、夢と現実の間で葛藤する彼らの姿をリアルに描き出しています。
磯部鉄平監督は、これまで多くの映画祭で受賞や入選歴があり、『コーンフレーク』もその一環としてSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020の観客賞や第13回網走映画祭の準グランプリ、TAMA NEW WAVE ある視点部門などで輝きました。映画は2023年1月に池袋シネマ・ロサで公開されました。
舞台挨拶では、磯部監督と脚本の永井和男、主演のGON、楽曲提供と出演のすのう、出演者の時光陸が登壇しました。本作は撮影から公開まで5年の歳月を費やしたとのことで、磯部監督は「やっと公開することができて感無量です」と述べました。GONは「大好きな作品です。自分の地元である大阪でも観てもらえるのがとても嬉しいです」と語り、感極まって涙を流す場面もありました。また、トークの中で、本作の制作のきっかけやタイトル「コーンフレーク」の由来となったミュージシャン・すのうさんの同名楽曲についても話されました。
磯部監督と永井さんは「『コーンフレーク』の曲を聴いて、すごく良い曲だと思って、それを基に話を膨らませて作っていきました」と述べ、すのうさんは笑いながら「この曲がこんな感じの映画になるとは(笑)。解釈が違う、壮大な誤解です(笑)」とコメントし、自身もミュージシャンであるため、夢を追う青年の姿に共感する要素が多く、本作を高く評価していることを述べました。GONさんは本作に合わせてギターの練習に励んだと話しました。磯部監督は「当時の20代後半だったGONさんや美保役の高田怜子さんの状況と、僕の20代後半のだらだらした日常を重ねて、今回の作品ができました」と振り返りました。
時光陸さんは、磯部監督の最初の短編作品から多くの作品に出演しており、「磯部監督の作品は、『ダメなところがあっても、それでいいんだよ』と言ってくれる、そんな優しさがにじみ出ています。それが磯部監督作品の良さだと思います」と述べました。
■映画館
シネ・ヌーヴォ
(大阪市西区九条1-20-24、TEL 06-6582-1416)
■サイト
・映画『コーンフレーク』公式サイト
・シネ・ヌーヴォ