映画

映画『すべて、至るところにある』2024年1月27日(土)より イメージフォーラム他全国順次公開

映画『すべて、至るところにある』は、旧ユーゴスラビアの巨大建造物を背景に、現実と虚構を行き来するラブサスペンス。

1月27日の公開を前に、『わたしがいなかった街で』などの著作がある作家の柴崎友香、ジャーナリストの金平茂紀、映画『星くずの片隅で』や台湾ドラマ版『梨泰院クラス』などの話題作への出演が続く香港の俳優アンジェラ・ユン、世界のトップモデルとして活躍し、ハリウッドを中心に活躍する俳優の岡本多緒、映画監督の三宅唱、映画批評家の樋口泰人、相田冬二から、絶賛コメントが到着した。

【コメント】

■柴崎友香(作家)
行ったことのない場所も今は行くことのできない場所も、ずっとそこにあるし、そこで生きている人の生活があって、だから私たちはいつか、もしかしたら今、そこへ行くことができる、その場所をこの映画は映している。

■金平茂紀(ジャーナリスト)
この映画の本当の主人公は、スポメニックと呼ばれる旧ユーゴスラビア時代の巨大戦勝モニュメント群、あるいはそれを取り囲むまわりの「風景」にあるだろう。リム・カーワイはこの映画で戦争、そしてパンデミックによって瀕死の状態に陥った記憶を描きだしているだ。この映画の自由奔放さは映画の希望である。

■アンジェラ・ユン(俳優)
主人公ふたりのミステリアスな関係に心惹かれた。そして虚無感に満ちた広大で美しい風景に引き込まれた。

■岡本多緒 (俳優)
訪れたことのないバルカン半島、なのに映画を見進めて行くにつれて、不思議と懐かしくなる。

■三宅唱(映画監督)
映画に抗い、それでも映画にすべてを賭けること。世界を疑い、それでも世界を信じること。主人公ジェイの「一緒に映画を作ろう」という合図で、出会った全員を巻き込んでいくサスペンスの幕が上がる。まるでドン・キホーテの無謀さを思わせもするこの旅の、予想のつかないシーンの連鎖、ショットの連鎖にわたしたち観客も巻き込まれていくうち、劇場にいながらにして、ここではないどこかに至る。そしてなんだか「ありがとう」という気持ちになるのが、リム・カーワイの魔法にかけられたようで爽快。ともかく、ジェイを演じる尚玄の類稀な紳士感によって絶妙に可笑しく絶妙に切ないコメディのようにもみえるのが最高で、それだけで、もう一度この旅をまだまだずっと追いかけたくなる。

■樋口泰人(boid主宰/映画批評家)
映画とはそれぞれが「スポメニック」であるとも言える。映画作りとは至るところに「スポメニック」を建造する試みである。スポメニックは至るところにある。そしてわれわれは映画がある限りそこから聞こえてくる姿なき人々の小さな声を聞き続け、それらに導かれながら自身の人生を歩むことになるだろう。われわれは何と戦うのか何から解放されるのか、映画からは常にそんな問いかけが聞こえてくるだろう。

■相田冬二(映画批評家)
別れのための構築。再会のための破壊。そして、モニュメントすべては、至るところにある。

【STORY】

エヴァは旅先のバルカン半島で、映画監督のジェイと出会う。その後、パンデミックと戦争が世界を襲う。ジェイはエヴァにメッセージを残し、姿を消してしまう。

エヴァはジェイを探しに再びバルカン半島を訪れ、かつてエヴァが出演した映画が『いつか、どこかで』というタイトルで完成していたことを知る。

セルビア、北マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナでジェイを探す中で、エヴァはジェイの過去と秘密を知ることになり…。

映画『すべて、至るところにある』2024年1月27日(土)より
イメージフォーラム他全国順次公開

映画『すべて、至るところにある』
©cinemadrifters

イメージフォーラムでの公開を記念し、香港から主演のアデラ・ソーが来日し、リム・カーワイ監督と初日トークイベントに登壇することが決定した。

公開中には、主演の尚玄、映画監督の舩橋淳、川和田恵真、足立紳、作家の田中泰延、ジャーナリストの金平茂紀、人物デザイナーの柘植伊佐夫、バルカン半島を中心とした旧共産圏に点在する奇抜な廃墟と朽ちゆくスポメニックを撮影した写真集「旧共産遺産」等で知られる写真家・星野藍等、多彩なゲストによるトークイベントが行われる。

【公開記念トークイベントスケジュール@イメージフォーラム】

※すべて上映後のトークイベント

1月27日(土)13:30回 リム・カーワイ監督×アデラ・ソー(本作出演)
1月28日(日)13:30回 リム・カーワイ監督×田中泰延(作家)
1月29日(月)13:30回 リム・カーワイ監督×アデラ・ソー(本作出演)18:30回 リム・カーワイ監督×舩橋淳(映画監督)
1月30日(火)13:30回 リム・カーワイ監督
1月31日(水)13:30回 リム・カーワイ監督
2月1日(木)18:30回 リム・カーワイ監督×川和田恵真(映画監督)
2月2日(金)13:30回 リム・カーワイ監督
2月3日(土)13:30回 リム・カーワイ監督×星野藍(写真家)18:30回 リム・カーワイ監督×柘植伊佐夫(人物デザイナー)
2月4日(日)13:30回 リム・カーワイ監督×金平茂紀(ジャーナリスト)
2月5日(月)13:30回 リム・カーワイ監督
2月6日(火)13:30回 リム・カーワイ監督×足立紳(映画監督・脚本家)
2月7日(水)13:30回 リム・カーワイ監督
2月8日(木)13:30回 リム・カーワイ監督
2月17日(土) 尚玄(本作出演)
※2月17日の上映時間は劇場HPにてご確認ください。
※ゲスト、イベント内容は予告なく変更となる場合がございます。ご了承ください。

『すべて、至るところにある』
英題:Everything,Everywhere
コピーライト:(C)cinemadrifters
アデラ・ソー(蘇嘉慧) 尚玄 イン・ジアン(蔣瑩)
監督・プロデューサー・脚本・編集:リム・カーワイ
撮影:ヴラダン・イリチュコヴィッチ 録音・サウンドデザイン:ボリス・スーラン 音楽:石川潤
宣伝デザイン:阿部宏史 配給:Cinema Drifters 宣伝:大福
2023|日本|カラー|DCP|5.1ch|88 分
公式HP
©cinemadrifters

ABOUT ME
エンタメスクリーン
映画を中心に繋がる、アニメ・音楽・ファッション・スポーツとエンターテイメントなイベントをリポート ニュースも掲載しております。イベント取材・内覧ニュース掲載は こちら release.ensc@outlook.jp編集部にご連絡ください。