5月22日に東京国際フォーラムにて開催された「第33回日本映画批評家大賞」授賞式に出席。磯村勇斗は映画『月』(2023年)で助演男優賞を受賞しました。同作で彼は、理不尽な状況がまかり通る重度障害者施設で献身的に働く青年が、やがて歪んだ正義感と使命感に取り憑かれ、恐ろしい殺人者へと変貌していく姿を、不思議な説得力を持って演じました。
受賞に際し、磯村は「このありがたき賞をどう受け取ったらいいのか悩んでいる自分と、役者として非常に嬉しい賞をいただいたんだと感じる自分がいて、内面で葛藤しています」と述べ、難しい役どころを演じたことへの複雑な思いを明かしました。それでも、「それほど難しい作品に出会えたことに感謝しています」と語りました。
映画作りについて彼は、「本当に面白いところもありますが、時には鋭く冷たい部分もあります。そうした面を心で感じると、映画・映像作りの現場は楽しくてやめられないと強く感じます」とコメントしました。そして、「これからも長い役者人生が続きますが、この賞を糧に、映画や映像の世界に少しでも華を添えられる役者であり続けるために頑張りたい」と決意を語りました。
「第33回日本映画批評家大賞」受賞者一覧
作品賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)
監督賞:荻上直子監督『波紋』
主演男優賞:東出昌大『Winny』
主演女優賞:筒井真理子『波紋』
助演男優賞:磯村勇斗『月』
助演女優:新垣結衣『正欲』
ドキュメンタリー賞:『ライフ・イズ・クライミング!』(中原想吉監督)
アニメーション作品賞:映画『窓ぎわのトットちゃん』(八鍬新之介監督)
新人監督賞:金子由里奈監督『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』、工藤将亮監督『遠いところ』
新人男優賞(南俊子賞):アフロ『さよなら ほやマン』、黒崎煌代『さよなら ほやマン』
新人女優賞(小森和子賞):花瀬琴音『遠いところ』
脚本賞:上田誠『リバー、流れないでよ』
編集賞(浦岡敬一賞):今井大介『#マンホール』
撮影賞:芦澤明子『スイート・マイホーム』
松永文庫賞(特別賞):八丁座
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):木野花『バカ塗りの娘』
ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):小林薫『バカ塗りの娘』