この日は『ジュラシック・ワールド【ザ・シネマ新録版】』で、ヒロイン、クレア(ブライス・ダラス・ハワード)のおいっ子となる兄弟、ザック(ニック・ロビンソン)とグレイ(タイ・シンプキンス)の吹き替えを担当した声優の戸谷菊之介と榊原優希のトークショーを実施。「チェンソーマン」のデンジ役などで人気の戸谷と、「ヒプノシスマイク」四十物十四役などで人気の榊原という若手屈指の人気声優のタッグが実現したとあって、会場には大勢の観客が来場。映画・吹き替えに関するトークや質問コーナー、ゲームに興じるなど、盛りだくさんの内容で、会場を終始盛り上げた。
ステージに戸谷と榊原が登場すると会場からは大きな拍手が。以前から共演経験があったということもあり、冒頭から和気あいあいとした雰囲気の中、トークを繰り広げていたふたりだが、そんな中、意を決したように戸谷が「今日は榊原さんとご一緒だということで、ひとつ思ってたことがあるんです」と切り出すと、「僕らいつまで“さん付け”なんですか? 榊原さんはいつも“戸谷さん”と呼んでくださるんですけど……今日はどうしますか?」とぶちまけて会場は大盛り上がり。その提案を受けた榊原もなんとか距離を縮めようと「やっぱりわれわれもなんて言うか……兄弟やん……せやろ!」と返し、会場はドッと沸いた。
となると、そこで浮上するのが「ふたりの呼び方をどうするか」問題だが、ふたりの協議の結果、「きくちゃん」「ゆうくん」の愛称で呼び合うことに決定。最初の方こそ思わず「戸谷さん」「榊原さん」と呼んでしまっていたふたりだが、次第に打ち解けていくうちに自然と「きくちゃん」「ゆうくん」と呼び合えるようになっていった。
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日本でも人気の高い『ジュラシック』シリーズということで、この日の会場にもすでに映画を観たことがあるという観客が多数来場。字幕版で観たという人、吹替版で観たという人の割合はそれぞれ半々。中には両方のバージョンで観たという声も上がっていた。そして榊原自身も、もともと『ジュラシック』シリーズの大ファンだったという。「小さい頃から観ていた記憶があります。もともと母親が外国の映画がかなり好きなので、いろんな映画を観ていたんですけど、その流れで母と弟と一緒に観ていました」と榊原が明かすと、戸谷も「僕はどちらかというとあまり洋画を観てこなくて。見始めたのが高校生くらいだったからめっちゃうらやましいです」と笑顔。
そのため戸谷は、『ジュラシック』シリーズを観たのが今回の吹き替えをきっかけだったとのことで、「めちゃくちゃ面白いですね!」とうれしそうにコメント。その言葉にはシリーズ大ファンの榊原も喜びを隠せない様子で「そうでしょ!」。さらに戸谷が「僕は『ジュラシック・ワールド』からはじめて、そこから『ジュラシック・パーク』にいったんですけど、『え? この建物のこの構造って『ジュラシック・ワールド』じゃん! あの演出も『ジュラシック・ワールド』じゃん!』と思うようなところがたくさんあった」と報告すると、榊原も目を輝かせながら「そうなんですよ!」と深くうなずいてみせる。
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そしてその後も『ジュラシック』シリーズで好きなシーンなどをワイワイ言い合いながら語り合ったふたり。今回の【ザ・シネマ新録版】では、クリス・プラット演じるオーウェンの吹き替えを、「七色の声を持つ男」の異名を持つ声優の山寺宏一が担当しているが、「山寺さんのオーウェンがカッコいいんですよ」と語る榊原の言葉に、大きくうなずいた戸谷。さらに豪華キャストが参加した【ザ・シネマ新録版】について「この中に入っていいのか? と思いました。でも“ちゃんきく”(戸谷)の演技がいいんですよ!」と榊原が褒めたたえると、戸谷も負けじと「いやいや、“くんゆう”(榊原)だって」。そしてしみじみと戸谷が「これは盛っているわけではなく、すごくいい吹き替え作品に仕上がっていると思います。皆さんにもぜひ新録版を楽しみにしてください!」と会場に呼びかけた。
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さらに【ザ・シネマ新録版】の収録を振り返った戸谷は、演出を担当した日向泰祐氏から受けた言葉が忘れられなかったという。「実写の吹き替えってアニメとも違う映像じゃないですか。となると実写って映像の中に情報量が多いんですよ。表情や後ろで動いているものもそうだし。だから載せる声にはそんなに情報量はいらない。それほど大げさにやらなくていいんだ、ということで。お芝居の奥深さを感じましたし、今ベテランとして活躍している方も、こういうことを習得して今も活躍されているんだなと。勉強になりました」と振り返った戸谷。榊原も「あのディレクションはめちゃめちゃ大きかったですね。収録が終わった後なのに、すぐにまた新たに収録をしたくなりました」とその意見に同意する。さらに戸谷が「アニメでも情報量の多い作品というのはあるので、そういう時にも使えるんじゃないかなと思いましたし、逆に情報量の少ない画の時はバーンとやっていいのかみたいな。何か面白いことができそうな予感があります」と語るなど、ふたりにとっても得ることの多い収録だったことがうかがい知れた。
イベント内では、そんな日向氏からふたりにメッセージが。そこには「戸谷さん、榊原さんの、演技に対する姿勢にすごく前向きなものを感じておりました。声優ブーム全盛期の今、「お芝居」つまり「演じるコト」だけに重きを置くことが難しくなっていると思います。しかしながら、そんな中でもしっかりと「演じるコト」に重きを置いてくださるふたりには、非常に感謝しております。収録もスムーズだったし、何より楽しかったし、ふたりにお願いして間違いはなかったなと思いました」と記してあり、「うれしい!」と笑顔を見せあったふたり。そんなうれしそうなふたりの様子に、会場からも大きな拍手が送られた。
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さらにこの日はそれぞれ個人に向けたメッセージも合わせて届けられた。まずは戸谷に向けて「戸谷さんは、オリジナリティーあふれる演技で、20 代という年齢にしてすでに自分の演技の方向を理解しているように感じました。自然体なキャラクター作りで、演じている対象の実際の画の動きや雰囲気を大事にしているのは、非常に良いコトだと思います。これはすごく基礎的で単純なことなのですが、「単純」と「簡単」は大きく違います。「すごく小さい穴に糸を通す作業」のように、単純ですが非常に難易度の高い作業もあります。戸谷さんの演技は「繊細」と言ってしまえば簡単ですが、「非常に難易度の高いマニアックな演技を単純にこなせる」役者さんだなと私は思いました」。
榊原が読み上げたそのメッセージを聞いた戸谷は「マジでうれしいかも!」と喜んでみせると、「“すごく小さい穴に糸を通す作業”って、すごくいいたとえですよね。僕はそんな作業をしていたのかと思いました」と感激した様子。榊原も「ザックくんの吹き替えが本当にすばらしくて。カッコつけているんだけど、優しさもにじみ出ているし、大人じゃないけど子どもでもない。そんな過渡期の感じがめっちゃ良かった!」とほれぼれした様子で語った。
続く榊原に向けてのメッセージは「シンプルに才能です。日本全国を探しても、こんな変な…あ、いや、特徴のある声はそうそういないと思います。変わった声の人種が多い声優業界でも5本の指に数えられる1人であることは間違い無いです。そんな才能ある声にして、今回演じてもらったのはアニメの絵ではなく、実際のリアルな人間の役で、そこのリアルな部分をどこまで近づけられるか正直最初は不安でした。が、最初の1ロールテストでその不安は杞憂(きゆう)に終わりました。子どもの演技の基本は「声を作って演じる」ということだと思いますが、榊原さんの場合は「声を作る」という作業をしなくても良いので、そこは本当に才能だと思います。その上、演技で大事な「画との距離感」もしっかりと把握しているので、仕事を一緒にする上では非常に心強い役者さんだなと思いました」。
戸谷がそのメッセージを読み上げると「めっちゃうれしい!」と声を弾ませた榊原。戸谷も「榊原さん声も特徴的で、お芝居にも熱心なイメージがあって。キャラクターへの理解度もあるし、声に頼っていないところがいいですよね。それでいてグレイくんもめちゃくちゃかわいいところもあって。めっちゃすごい」と語ると、榊原も「おお!」と歓喜の声。それぞれが読んでいた手紙を「交換しよう!」「家に飾ろう!」などと言い合いながら、その手紙を大切に受け取ったふたり。あらためて日向氏のメッセージを読み返し、「うれしいなぁ」とかみ締めるように語り合うふたりだった。
そしてその後はふたりが映画館で必ず食べるというポップコーンの話、はじめて観た映画、そして『ダークナイト』をはじめとした、ふたりが大好きだというクリストファー・ノーラン監督の映画の話などで盛り上がる。さらには事前に募集した質問にふたりが次々と答える「質問コーナー」。そして声のスペシャリストであるふたりが、その特技を封印し、ジェスチャーだけで映画のタイトルを当てる「名作映画サイレント当てクイズ」。お宝グッズを大放出する「グッズ抽選会」などが行われ、盛りだくさんの内容に終始大盛り上がりとなった。
最後に会場に向けて戸谷が「今日はイベントに参加していただいてありがとうございます。今回『ジュラシック・ワールド』に参加できてうれしいですし、何よりも僕は洋画吹き替えがはじめて。収録もいろいろと考えながら準備して、めちゃくちゃこだわってつくった作品なので。感想を送っていただけたらうれしいなと思います」と呼びかけると、榊原も「本日はすごく楽しませていただきました。皆さまに『ジュラシック・ワールド』を布教すると言いながらも、自分の好きなものを語り出したら止まらなくなってしまった感もありますが。でも今日は『ジュラシック』シリーズや『ダークナイト』の話もできたし。とにかく『ジュラシック・ワールド』は映画も好きだし、吹き替えまでやらせていただいたので、この場を設けていただいてとてもうれしいです。すごく楽しみながら吹き替えをやっておりますので、ぜひ皆さん確認してみてください!」と会場に呼びかけた。
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■ザ・シネマ放送情報
『ジュラシック・ワールド【ザ・シネマ新録版】』
特設ページ:https://www.thecinema.jp/special/shin-roku/
《放送作品情報》
『(吹)ジュラシック・ワールド【ザ・シネマ新録版】』 放送日:2月23日(日) 21:00 – 23:15
新録版でも対決!エイリアンvsジュラシック「ザ・シネマ新録版」一挙放送
特集ページ:https://www.thecinema.jp/tag/640
ご好評を頂いている「ザ・シネマ新録版」の中から、「エイリアン」シリーズvs「ジュラシック」シリーズの特集に合わせ両シリーズの新録版をお届け。主人公ショウ役に『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』でノオミ・ラパスを吹き替えた佐古真弓を起用した『プロメテウス【ザ・シネマ新録版】』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でクリス・プラットの声を担当した山寺宏一を起用した『ジュラシック・ワールド【ザ・シネマ新録版】』をお送りします。
《放送作品情報》
『(吹)ジュラシック・ワールド【ザ・シネマ新録版】』 放送日:2月23日(日) 21:00 – 23:15
『(吹)プロメテウス【ザ・シネマ新録版】』 放送日:2月23日(日) 23:15 – 深夜 01:30