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小企画展「美術館の悪(わる)ものたち」国立西洋美術館で、デューラーなど15~20世紀初頭の西洋版画 

小企画展「美術館の悪ものたち」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2023年9月3日(日)まで開催される。

国立西洋美術館では、「美術館の悪ものたち」という小企画展が開催されています。展示されている作品には、お金に執着する若者や嫉妬する老人、そして悪魔や魔女、死の象徴を象徴する憎々しい骸骨など、さまざまな「悪ものたち」が描かれています。この展覧会は、国立西洋美術館が所蔵する15世紀から20世紀初頭の版画作品を中心に、悪の象徴をテーマに紹介しています。個性的でコミカルな姿で描かれる悪ものたちの姿は、芸術家の豊かな空想力を感じることができる内容となっています。

アルブレヒト・デューラー《騎士と死と悪魔》1513年 エングレーヴィング 国立西洋美術館
マルカントニオ・ライモンディ、アゴスティーノ・ヴェネツィアーノ《魔女の集会(ストレゴッツォ)》エングレーヴィング 国立西洋美術館

会場では、「美術館の悪ものたち」という小企画展が開催されており、展示は「罪深い人々」「悪魔と魔女」「魔物」「死」「近代都市の悪ものたち」といったカテゴリに分けられ、版画数十点と絵画数点が展示されています。特に、マルカントニオ・ライモンディやアルブレヒト・デューラーによる各ジャンルの「悪ものたち」の作品が注目されています。

この展覧会では、かつての西洋の価値観に基づいた「悪」や「正しくないこと」が描かれており、現代の価値観との違いや類似点を考察することができます。善悪の線引きは時代や地域、社会によって異なるため、殺人や嫉妬などが「悪」とされる一方で、大食いが罪とされることに疑問を感じる場合もあります。

18世紀末期以降、西洋社会では脱宗教化・世俗化が進むとともに、「悪」を客観的に捉え、社会批判を含んだ絵画が多く描かれるようになりました。本展では「近代都市の悪ものたち」の章において、フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテスやオノレ・ドーミエなどの作品も紹介されています。これにより、西洋の価値観における「悪」に対する理解の変遷を窺い知ることができる展覧会となっています。

【展覧会概要】

小企画展「美術館の悪ものたち」
会期:2023年6月27日(火)~9月3日(日)
会場:国立西洋美術館 新館2階 版画素描展示室
住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は9:30~20:00)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日※ただし8月14日(月)は開館
観覧料:一般 500円(400円)、大学生 250円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金(オンラインにて要事前予約)
※高校生以下および18歳未満、65歳以上は無料(入館時に学生証または年齢の確認できるものを提示)
※心身障害者および付添者1名は無料(入館時に障害者手帳を提示)
※7月9日(日)、8月13日(日)、9月3日(日)(Kawasaki Free Sunday)は本展および常設展は観覧無料
※8月26日(土)(にぎやかサタデー)は本展、常設展および企画展は観覧無料
※本展は常設展の観覧券または企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」(7月4日(火)~9月3日(日))観覧当日に限り、同展観覧券で観覧可

【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

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