映画

名古屋・大阪・京都・福岡 各会場舞台挨拶TBSドキュメンタリー2025

3月28日実施 愛知 舞台挨拶

カラフルダイヤモンド〜君と僕のドリーム2〜

【登壇者】
監督:津村有紀
ゲスト:古川流唯、中下雄貴、設楽賢、國村諒河、高垣博之、関優樹、永遠、加藤青空(カラフルダイヤモンド)

津村監督は「2年連続でカラフルダイヤモンドのホームタウンの名古屋で上映でき、本当にうれしく思います。私は三重県出身なんですけど、故郷に錦を飾る気持ちで今日から舞台挨拶に挑みたいと思います」と気合を見せた。その言葉を受け古川は「カラフルダイヤモンドが生まれた場所、そして育った場所でもあるので、そんな場所でいつも応援して下さるファンの人に作品を観てもらえて、とても幸せな気持ちです」と語り、喜びをかみしめていた。

作品の見どころについて聞かれた設楽は「中下くんのインタビューシーンの“間”が見どころだと思います。東京で上映した際に僕のお母さんが観に来てくれたんですが、あの“間”に感動したと言っていて。あの“間”で中下くんは何を考えていたの?」と、中下へ質問。中下は今年4月にカラフルダイヤモンドを卒業することを「撮影の時点で考えていて」と前置きし、「インタビューで10年後を語るうえで、卒業してしまうのにカラフルダイヤモンドとして語るとウソになってしまうんじゃないかと考えてしまって。カラフルダイヤモンドのメンバーとして語るのか、ひとりの人間として語るのか、伝え方に迷ってしまいました。ただメンバーのことが大好きで、メンバーのことを思って、純粋な気持ちで語っている点だけは、迷いはありませんでした」とゆっくりと言葉を紡ぎながら話していた。舞台挨拶後にはハイタッチで観客を見送り、ファンもメンバーも笑顔あふれる充実した上映会となった。

カラフルダイヤモンドは28日には名古屋で2回、さらに29日、30日にもメンバーを分けて、名古屋で計4回、合計6回の舞台挨拶を実施。4月5日(土) には大阪、6日(日) には福岡での舞台挨拶を予定している。

<子ども家庭庁 特別推薦作品>
劇場版 僕と時々もう1人の僕〜トゥレット症と生きる〜<アンコール上映>

【登壇者】
監督:柳瀬晴貴
ゲスト:棈松怜音(出演者)

トゥレット症の人のリアルに迫った本作は声出しOK上映として公開しており、トゥレット症の人の来場も見受けられた。出演者で、自身もトゥレット症である棈松は本作が公開されてから「目に見えて生きやすさが変わりましたね。“(トゥレット症を)病気だって知っているから大丈夫だよ”と声をかけていただいたり、“テレビで見たよ。応援しているよ”と言っていただく機会が増えて、僕が目標としていた未来に近づいたんじゃないかなと感じています」と嬉しい表情を浮かべた。

柳瀬監督は「本作は色々なところで評価を受けていて、ギャラクシー賞だったり、日本民間放送連盟賞だったりをいただきました。視聴者からの反響もすごくて、テレビで放送したときにはCBCの電話が鳴りやまず、北は北海道から南は沖縄まで全国から声が届いていました」と本作の影響を語り、次のフェーズとして「棈松さんがこれからしていこうとしているトゥレット症の方の居場所づくりや気兼ねなく過ごせる場所づくりにフォーカスして取材していきたいですし、そういう場をCBCとしても提供できればいいなという風に思っています」と今後の目標を新たに示した。

3月28日実施 大阪 舞台挨拶

労組と弾圧

【登壇者】
ディレクター:伊佐治整
ゲスト:内田樹(哲学者)

戦後最大規模の労働事件といわれるミキサー運転手の労働組合「連帯労組関西地区生コン支部」、通称「関生(カンナマ)」の事件を取り上げた本作『労組と弾圧』。司会は、本作のナレーションを務めたMBSの西靖アナ、伊佐治整監督、そして、哲学者の内田樹が登壇。内田がこの問題をリツイートしていたのを見たことがきっかけで作品に取り組むことになったという伊佐治監督の話を聞いた内田は「僕がきっかけだったんですね。竹信三恵子さんが書かれた書籍(『賃金破壊 労働運動を「犯罪」にする国』)を読んで僕も驚愕しました。労働組合には刑事免責が定められていることが全然周知されていない」と熱く語った。

それを受けて伊勢治監督は「取材しているうちに、見え方が変わり、労働組合として当たり前のことをしているんだと感じた」とコメント。「映像で観ると顔とその人の声で本当のことを言っているかがわかる。真実を語っているかどれだけ人間として浅いか深いかがありありと出てくる、映像って怖いと思いました」と内田。裁判所だって間違えるんだよねという視点を持って取材を始めたという伊勢治監督は、ドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』(土屋トカチ監督)を始めいろんなところから素材の協力を得たことに感謝を述べた。また、「この映画語りがいいですよね。ナレーションを担当しました」といって会場を和ませた西アナに暖かい拍手が沸き起こった。

最後に西アナは「我々の思いの詰まった作品を観に来ていただいてありがとうございました」と観客に感謝の思いを伝え、和気あいあいとした中、観客とのフォトセッションが行われた。

3月29日実施 大阪 舞台挨拶

巨大蛇行剣と謎の4世紀

【登壇者】
監督:山﨑直史
ゲスト:青柳正規(奈良県立橿原考古学研究所所長/元文化庁長官)、岡林孝作(奈良県立橿原考古学研究所学術アドバイザー)

1年以上に及ぶ独占密着取材を行い「前代未聞の出土品の保存処理過程を記録した文化的にも貴重な映像を後世に遺したい」という思いで完成させた『巨大蛇行剣と謎の4世紀』。長年、発掘に携わっている岡林は発見した当時のことを「最初は3本くらいの剣が重なっているのではと思いました。レントゲン写真で1本の巨大な剣だと分かり“なんじゃこりゃ!”と」。青柳も「長年の研究人生の中で、今回の発掘は日本のエクスカリバーです」と、魔法の力を持つアーサー王が持つとされる伝説の剣に例えて表現した。

岡林は「一見無駄に見えるものが、実は技術革新につながっている」と延べ、約1600年も前の日本人が外から来たものを学んで自分のものにしてしまうというスキルに感心していた。山﨑監督は「考古学研究所で出土品の保存処理の作業は何日見ていてもあきなかった。現在の匠の技です」と撮影時のわくわくした気持ちを語った。それを受けて岡林は「映画を通じて保存科学の重要性を広く知ってもらうことの⼤事さを伝えられた」とコメントした。

考古学者になりたいと思ったきっかけを山崎監督が尋ねると、長年イタリアで発掘を続けてきたという青柳は「80歳になってようやく実感のあるローマ文化を知るところまできて、やってきてよかったなあと思います。写真や文章ではなく考古学は実像を体得できます。そして、私はお金は稼げないですが、何十億というお金を使ってきた」と語り、みんなに羨ましがられていた。“古墳の発見には岡林さんあり!”と言われている岡林は「文字を使わず遺跡で語らせる考古学は発展の化学であり、発掘の調査で何かが出ることが喜びです。考古学をやっていなければ立ち会えません」と、ふたりとも考古学の魅力を存分に語った。

小屋番 KOYABAN 〜八ヶ岳に生きる〜

【登壇者】
企画・プロデューサー:永山由紀子
ゲスト:菊池哲男(山岳写真家)、笹倉高昭(山岳ガイド)

八ヶ岳に点在する山小屋を訪ね、山で暮らす⼈たちの姿を優しい眼差しで映し出している本作。監督とは20歳の年の差だという永山は「60歳の体に鞭打ってほとんどの山に⼀緒に登りました。雪山は初めてだったんで、自腹で冬用の山の装備をしっかり揃えました」とコメント。また、昨年12月から3月の間に山小屋に10泊以上しているという笹倉は「泊まったことがない山小屋も映像で見ることができて行ってみたいと思いました」とこの映画の魅力を語った。

「八ヶ岳の魅力は?」との質問に菊池は「山がコンパクトで北と南で表情が全く違うのが魅力です。北は苔と森、南はごつごつした岩山です。また、いろんなスタイルの小屋があるので体力に応じて山に登ることができる。もっと多くの人に八ヶ岳の魅力を知ってもらいたいです。八ヶ岳の山小屋のオーナーはそれぞれに得意分野があって、オーナーごとに博士がいるんです」とコメント。撮影の苦労を聞かれた永山は「マイナス20度のところでそのままでいると凍傷になると言われる場所での撮影で、監督は20キログラムの機械をリュックに入れて、ドローンを飛ばすんですが極寒なので凍えながら撮影していました」といい、時には素手での撮影だったという。

菊池は「山に行くときはいいものを揃えること、装備を整えることは命に直結する。エベレストへ何度も登った方より、装備をちゃんと整えた初心者の方がいい」と強くコメント。最後に永山は「山は不便ですが、デジタルデトックスにもなり、この映画から違う価値観を感じてもらえたらうれしいです。多くの方に観ていただいて癒しになっていただく映画になればいいなと思います」と締めくくった。

3月29日実施 京都 舞台挨拶

巨大蛇行剣と謎の4世紀

【登壇者】
監督:山﨑直史
ゲスト:奥山誠義(奈良県立橿原考古学研究所総括研究員)、村瀨陸(奈良市埋蔵文化財調査センター主務)

「厳しい関西の考古学ファンに観てもらうとあって緊張する」と恐縮しながら登壇した山崎監督が、出演者であり巨大蛇行剣の発掘、保存の作業に携わったふたりに改めてマイクを向けた。「少しずつ掘り進めながら、巨大蛇行剣が徐々にその全貌を現した瞬間は本当に印象深かった」という村瀬は、巨大蛇行剣が作られた背景について、「心の余裕がある時代でなければここまで大きなものは作られない。5世紀以降の前方後円墳の巨大化などに見られる技術や生産システムの成熟の萌芽が、4世紀にすでにあったのではないかと思う」と語った。

巨大蛇行剣のクリーニング作業に当たった奥山さんは「作業は特別難しかったわけではない、むしろドキュメンタリーのカメラに見られていることが普段にはない経験でプレッシャーだった」として会場の笑いを誘った。さらに「保存科学があってこそ文化財を後世に伝えることができる。普段なかなか表舞台に出ることのない役割だが、この映画を通じてその存在を知っていただけたら嬉しい」と締めくくり、会場の歴史ファンにあたたかい拍手で送られた。

3月29日実施 福岡 舞台挨拶

jABBKLAB〜誰も置いてかないダンススポット〜

【登壇者】
監督:寺井到
ゲスト:cocoroyen(jABBKLAB)、hinsu(jABBKLAB)

福岡県水巻町の公民館を拠点とするdance spot「jABBKLAB(ジャブクラブ)」を捉えた『jABBKLAB〜誰も置いてかないダンススポット〜』の舞台挨拶には、寺井到監督とjABBKLABからcocoroyenとhinsuが登壇し、MCを務めたラジオDJの栗田善太郎が作品とjABBKLABの特異性と魅力に迫った。

hinsuは「生徒の今と未来を考えてくれるダンススクールはjABBKLABだけ」と語り、cocoroyenも「ダンススキルだけを教えているわけではなくて、人間性、人を育てている側面がある。もちろん楽しいことが大事だけど、喜怒哀楽があってこその楽しさだし、優しくすることだけが愛ではないと思って生徒に接している」と続いた。

「jABBKLABには子どもに一方的に与えるんではなく、考えてもらおうとする姿勢が常にある。それが子どもの未来を考えるということなんだと思う」という寺井監督は、「取材していると彼らの思いが、言葉ではなく動画(ダンス)だけで伝わっていっていることが肌で感じられた。それは本当にすごいこと。彼らがやろうとしていることは、文化史的・音楽史的な大事件なんじゃないかという予感と、その新しいムーブメントが誰か特別なひとりではなく、みんなで作られていくんだという感覚に夢を感じながら撮影した」と熱く語り、会場はあたたかい拍手に包まれた。

3月30日実施 福岡 舞台挨拶

巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯

【登壇者】
監督:大村由紀子
ゲスト:冬至克也(出演者)

一足早い東京での上映に続き、『巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯』が地元福岡で公開され、満席の会場に迎えられた。大村監督が「10年がかりで作った作品。BC級戦犯は920人もの人が処刑されているが、記録も少なく、遺族でさえも詳細を知らないことも珍しくない。さらに戦争犯罪人という言葉が重くて口を閉ざして息をひそめて戦後を生きていらっしゃったという方も多い中、この作品では貴重な証言をしていただいている。映画にすればその協力してくれた方々の声を永く残すことができる、そんな思いで制作した」と語ると、スガモプリズンで過ごした戦犯死刑囚という過酷な体験を6年分の日記に残した冬至堅太郎の三男・克也は「父が遺したものを読む機会はそう多くはなかったが、今回、大村監督による取材の過程で、日記や文章を紐解く作業をともにし、父をより深く知ることになった」と述べた。

また「劇中の父の言葉に“戦争というものは国民が責任を負うものだ”とあり、今日また改めて深く感じた」と述べると、大村監督が「この作品は過去についての映画だが、この作品を見ることが未来につながってほしいという願いがある。戦後80年平和を維持している日本から、今世界で起きている戦争に目を向けるきっかけになってくれたら」と本作への思いを語った。

3月30日実施 愛知 舞台挨拶

小屋番 KOYABAN 〜八ヶ岳に生きる〜

【登壇者】
監督:深澤慎也、企画・プロデューサー:永山由紀子
ゲスト:菊池哲男(山岳写真家)、高橋玲司(日本山岳会東海支部長)

チケット発売と同時にほぼ完売し、当日も劇場にチケット空き状況の問い合わせの電話や完売で泣く泣く帰る人も出た上映後の舞台挨拶は、観客の熱量も高く始まった。普段は音声マンとして働く深澤監督はこの企画が通った後に「正直1時間をひとりで作るのは厳しいな」と思ったそう。そこで「菊池さんの沢山ある素敵な写真のストックをお借りできればなんとかなるだろうという思いで出演をお願いした」という。

そんな深澤監督のオファーに「情熱大陸の出演オファーかと思った」という菊池。以前撮影協力したドラマの時はスタッフ60名で山の撮影をしたそうだが、今回は登壇した3名で撮影に挑むことも多く、本当に少人数。特に深澤監督は20キロ以上のカメラ・バッテリー・ドローンなど撮影機材を持ってほぼひとりで撮影していたという。高橋は「八ヶ岳の冬は特に寒いので凍傷になることはしょっちゅうある。そんな中、あれだけの撮影をよくされたなと思った」と語った。

深澤監督は初めて話す秘話も披露。エンドロールで流れる綺麗な雪山が、実は撮影の前後はガスで全く見えなかったそうで、あの5分間だけ撮影ができたとのこと。高橋は作品を見て「八ヶ岳がこんな良い山だったかと再認識した。この映画は映像も凄く綺麗でカナディアンロッキーのようでもある」と語った。最後に深澤監督が「ドキュメンタリー作品の良さは今回映画に出ていただいた人に良い影響が与えられることだと思うので、映画を観た上で山に登っていただいて小屋で知り合った方々とぜひ映画の話をしてほしい」というコメントで締めた。

TBSドキュメンタリー映画祭
©︎TBS

『TBSドキュメンタリー映画祭 2025』

3月14日(金)〜4月3日(木) 東京・ヒューマントラストシネマ渋谷
3月28日(金)〜4月10日(木) 大阪・テアトル梅田
3月28日(金)〜4月10日(木) 愛知・名古屋センチュリーシネマ
3月28日(金)〜4月10日(木) 京都・アップリンク京都
3月28日(金)〜4月10日(木) 福岡・キノシネマ天神
4月5日(金)〜4月11日(金) 北海道・シアターキノ

公式サイト:https://tbs-docs.com/2025(外部サイト)
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