2024年11月30日より劇場公開される、963時間をオンラインゲームの中で過ごして作り上げたドキュメンタリー映画「ニッツ・アイランド 非人間のレポート」から、4種類のキャラクター・アザービジュアルが公開された。仮想世界(オンライン)に存在するある“島”で、現実世界とは異なるキャラクター(アバター)で過ごす者たちの中から、強烈な4人のキャラクターの姿が収められている。
1人目は、「殺しは私たちの日課」と断言し、カオスや破壊を好み、顔を隠して好き放題やっていると語る「深夜の闇」というグループのリーダー、アイリス。2人目は、「ホワイト教会」と自ら名付けた宗教画に覆われた倉庫を拠点とし、“ダゴス”という神を崇めるように説き、仮想世界の秩序を守ろうとする名のない牧師。
3人目は、マクロというパートナーとともに仮想世界のどこかにある“地下世界”を探しているスラッグ。現実世界ではビーガン(完全菜食主義者)でベルリンに住んでいるらしい。ゲームをするのは現実逃避で、子どもが寝た深夜にプレイすると語る。4人目は、丸いミリタリー風のサングラスとマスクで顔を隠したキャラクターで、南アフリカから参加し、映像業界で働いているというチル。常に単独で行動し、仮想世界を遊び場だと語る。
「ニッツ・アイランド 非人間のレポート」は、オンラインの仮想世界に存在するある“島”を舞台に繰り広げられるサバイバル・ゲーム「DayZ」に、フランスの映画クルーが潜入し、インタビューを敢行して作られたドキュメンタリー。遭遇したプレイヤーやはびこるゾンビを殺さなければ生き残ることができないモラルが崩壊した世界を舞台にしたゲーム内には、カオスの世界で暴虐の限りを尽くす集団や、“誰も殺さない”を信条とするグループ、自ら牧師と名乗りプレイヤーたちに信仰を施す人物(アバター)が登場する。
ほぼ全編がVRゲームというドキュメンタリーとしてはまったく新しい手法がとられている。現実世界では不可能な殺人が許された奇妙な世界の中、クルーは自らも生き延びるためにあらゆる手段を尽くしながら、時に攻撃を受けて死に、生き返りながらアバターたちと接触を試み、インタビューを敢行。驚くべきことにアバターたちと交流を続けるうち、現実世界のプレイヤーたちの顔がアバター越しに垣間見えてくる。リアルとバーチャルの境界を問う作品となっている。山形国際ドキュメンタリー映画祭2023で審査員特別賞を受賞するなど、多くの賞を受賞している。
【作品情報】
ニッツ・アイランド 非人間のレポート
2024年11月30日(土)~シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給:パンドラ