「時代劇専門チャンネル」を運営する日本映画放送株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石原隆)は、本日2月25日(火)に北大路欣也主演、藤沢周平原作の大人気オリジナル時代劇シリーズ最新第8作「三屋清左衛門残日録 春を待つこころ」の舞台挨拶付き特別上映を、東京・銀座「丸の内TOEI」にて開催いたしました。
上映後の舞台挨拶には、主人公・三屋清左衛門役の北大路欣也、シリーズに新たに参加した、窪井信次郎役の藤岡真威人、照日乙女役の大友花恋、そして第1作からのレギュラーキャストである里江役の優香、佐伯熊太役の伊東四朗、山下智彦監督の総勢6名の豪華登壇者が顔を揃えました。
主演の北大路は、清左衛門について「最初にお話をいただいたのは、60代の後半だったと思います。その時に原作を読ませていただき、自分はまだ追いつかないというか、自信がなくて、少し待っていただけますかとお願いしました。その後、数年後に再度お話をいただきました」と回想した。
続けて、「その時は70歳を超えていましたので、ある程度の人生経験を積んでいたため、これなら清左衛門さんに少し追いつけるかなという気がして、お引き受けしました。皆さんと出会い、あっという間に8年間が経ってしまいました。藤沢先生の世界は静かですが、とても豊かで奥深く、自分が憧れるような老後の人生だと感じています。清左衛門と共に生きたいという気持ちが強くなりました」と影響を受けている様子を語った。
清左衛門の盟友・佐伯熊太を演じた伊東は、「役として40年以上のお付き合いがありますが、実際の生活では周りの人がどんどんいなくなってしまい、一番寂しい時期です。そんな時に手を差し伸べてくれた作品だと思っています。私は幼なじみに非常に憧れています」とユーモアを交えてコメントした。
北大路は、伊東との仕事だけでなくプライベートでも親交があることを述べ、「笑いあり悲しみあり、いろんなことを乗り越えながら、たどり着いたのが清左衛門と熊太です。ですから、僕にとっては家族以上の存在であり、現場の皆さんとお会いできるのが本当に楽しみで幸せです」と、伊東との共演を楽しんでいる様子を示した。
撮影時の話題に移ると、藤岡は「スタッフや共演者の皆さんに会うのが楽しみで、毎日ワクワクして京都の日々を過ごしました」と語り、大友は、「着物を着ての所作や、私が演じた照日は神楽を踊るシーンがあり、それが非常に難しかったことの一つです。しかし、一番自分の中で難しかったのは、今の時代と常識のラインが異なる点です。男女の力の差や身分の差といったものが根底にある時代で、彼女たちは生きています。台本には『この時代だから女子はこうしましょう、男子はこうしましょう』と明記されているわけではなく、それがベースとなって物語が自然に進行していくため、そこを勉強し、今の時代とすり合わせて、今だったらこういう感覚なのかなというのを考えるのが難しかったです。しかし、その中で当時のことを理解し、照日がこうしている理由が分かると、楽しさに変わっていく部分もあり、非常に勉強になりました」とコメントした。
2016年の第1作から盟友役で北大路と共に作品を作り上げてきた伊東は、「縁側で和菓子を食べるシーンを楽しみにしています」とみどころを語り、同じく第1作から出演している優香は、「現場での北大路さんの緊張感の中に時折見せるお茶目な様子は清左衛門と重なります」と、長く続くシリーズならではの意外な一面を明かした。また、藤岡は父・藤岡弘から受けたアドバイスを披露し、「京都に行って諸先輩方を見て学びなさい。俺も現場で学んだんだ」と伝えたことに対し、共演者から驚きの声が上がった。
シリーズで共演を重ねてきた優香は、「温かい心を持っていて、現場にいらっしゃるだけで明るい雰囲気を作ってくださいます。緊張感もありますが、おちゃめなところもたくさんあり、本当に重なって見えます」と北大路と清左衛門の共通点を感じている様子を示した。おちゃめという言葉に対し、北大路は「それは伊東四朗さんの後を追いかけているからです」と述べ、会場を沸かせた。
登壇した北大路は、「私がデビューしたのが1956年で、この劇場の開館が1960年です。偉大な先輩方の情熱でつくられた劇場です。開館の挨拶で私もステージの端にいたことを今でも覚えています」と述べ、今年の7月に閉館する丸の内TOEIの舞台に立った思いを語った。
舞台挨拶後半には優香から2月23日に誕生日を迎えた北大路にお祝いの花が贈られ、82歳の誕生日を祝して花束が贈呈された北大路は、「僕だけこんなお花をいただいて申し訳ないと思っています。皆様のお力添えをもって、第9話の撮影も準備に入るところです。皆さんの愛情をしっかりと受け止めて、次の作品に向かっていきたいと思いますので、ぜひ応援を続けていただきたい。本日は本当にありがとうございました」と笑顔で語った。
「三屋清左衛門残日録 春を待つこころ」は、3月8日(土)よる7時より時代劇専門チャンネルで放送、本編後には今回の舞台挨拶の模様もお届けします。
作品概要
原作:藤沢周平『三屋清左衛門残日録』(文春文庫刊)/「三月の鮠」(文春文庫『玄鳥』所収)
出演:北大路欣也
優香 松田悟志 小林綾子 藤岡真威人 大友花恋 大貫勇輔
谷田歩 天宮良 金山一彦 マギー 春海四方 菅原大吉
栗塚旭 伊東孝明 田井克幸 田根楽子 伊藤麻実子 小宮有紗 本郷弦 佐藤流司
金田明夫 麻生祐未 伊東四朗
監督:山下智彦 脚本:いずみ玲 音楽:栗山和樹
製作:石原隆(日本映画放送) 芳賀敏(J:COM)
エグゼクティブ・プロデューサー:宮川朋之(日本映画放送) 塚田英明(東映)
プロデューサー:秋永全徳(日本映画放送) 槌谷英孝(日本映画放送) 井元隆佑(東映) 百瀬龍介(東映)
制作:日本映画放送 東映
「三屋清左衛門残日録 春を待つこころ」パートナーズ:日本映画放送 J:COM BSフジ
あらすじ
ある秋の日。中根道場では、御前試合の前稽古に励む青年剣士・窪井信次郎(藤岡真威人)の剣技に、みな目を奪われていた。しかし御前試合当日、信次郎は、ライバル・岩上勝之進(大貫勇輔)との決勝戦に臨むも惨敗してしまう。信次郎は遠藤派重鎮の息子、勝之進は朝田派重鎮の息子。試合の結果は派閥争いにも影を落とす。自暴自棄となり道場にも通わなくなった信次郎を、清左衛門は野歩きに誘う。
清左衛門と山道を歩く途中で信次郎は、小さな社で祈りを捧げる巫女・照日(大友花恋)に心を奪われる。最初は警戒していた照日も毎日のように会いに来る信次郎に次第に打ち解け、互いに心を通わせていった。しかしある冬の日、社が何者かに襲われ、照日は姿を消してしまう…。
照日を思い奔走する信次郎の姿に心をうたれ、事件の裏に潜む謎を解き明かそうと動きだす清左衛門。闇の思惑に翻弄される若き恋を守ることはできるのかー。