4月20日(土)より公開される中国出身の世界的ドキュメンタリー監督ワン・ビン最新作『青春』の日本版予告編が完成した。
世界的監督ワン・ビンの凄さをあらためて実感する。
カンヌ映画祭、⾦⾺奨、ロサンジェルス批評家協会が絶賛、中国の巨⼤経済地域の⼩さな⾐料品⼯場で働く名もなき若者たちを⾒つめた真⾻頂のドキュメンタリー。
アクション映画で、恋愛映画で、経済の映画で、そして何より⻘春映画。
『鉄西区』『三姉妹 雲南の子』『死霊魂』などで知られる中国出身の世界的ドキュメンタリー監督ワン・ビンの最新作『青春』が4月20日から公開される。舞台は長江デルタ地域。上海を中心に、大河・長江の下流一帯に広がり、中国の高度経済成長を支えた地域で、経済規模はここだけで日本のGDPをはるかに上回るというから、恐ろしい。しかし、映画が描くのは、⻑江デルタの大企業でも大工場でもない。織⾥という町の⼩さな⾐料品⼯場で働く10代後半から20代の若い世代の労働と⽇常だ。世界は注⽬しないが、彼らのような若者も実は⻑江デルタの経済を⽀えているのだ。⾃分がやるべき仕事は「世界から⾒えない⼈たちの⽣を記録すること」と語るワン・ビン監督の真⾻頂のドキュメンタリーだ。ポスタービジュアルに使われたアメリカの映画誌フィルムメイカー・マガジンの「被写体の存在を惜しみなく肯定する行為として、彼らの経験を記録するワン・ビンの仕事は気高い」という言葉が、ワン・ビン監督の仕事がなぜ凄いのかを語っている。
同時に、ワン・ビン監督のドキュメンタリーで特筆される「映画としての興奮」にもまた圧倒される。本作の場合には、そのシークエンスごとに、アクション映画であり、恋愛映画であり、経済の映画であり、全体としては、この上なくみずみずしい青春映画であることが興味深い。ワン・ビン監督の真骨頂と言えるドキュメンタリー『青春』、公開をぜひ楽しみにしてほしい。
なお、東京のシアター・イメージフォーラムでは、同時期にワン・ビン監督の過去のドキュメンタリーの傑作〜『鉄西区』(1999-2003)、『鳳鳴–中国の記憶』(2007)、『収容病棟』(2013)、『苦い銭』(2016)、『死霊魂』(2018)の上映も予定されている。
監督プロフィール:ワン・ビンWANG BING(王兵)
1967年、中国陝⻄省⻄安⽣まれ。中古のデジタルカメラひとつで撮影をした『鉄⻄区』(1999-2003)で世界に衝撃を与える。反右派闘争を⽣き抜いた⼥性の証⾔を記録した『鳳鳴―中国の記憶』(2007)、初の⻑編劇映画『無⾔歌』(2010)、本作と同じ織⾥で働く⼤⼈の出稼ぎ労働者を撮『鉄⻄区』(2016)などを発表。近年は集⼤成となる8時間越えの⼤作『死霊魂』(2018)が世界中で絶賛された。カンヌを始めとする世界三⼤映画祭や⼭形ドキュメンタリー映画祭などで数多くの賞に輝く。
公開情報
『青春』
4月20日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督:ワン・ビン
配給:ムヴィオラ
2023年/フランス=ルクセンブルク=オランダ/215分/字幕:磯尚太郎/原題:青春 春/英題:Youth (Spring)
©2023 Gladys Glover – House on Fire – CS Production – ARTE France Cinéma – Les Films Fauves – Volya Films – WANG bing
公式サイト:https://moviola.jp/seishun/
公式X(旧Twitter):@seishun_wangbing.jp