映画

ドキュメンタリー『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』日本版ビジュアル・特報解禁

本年度ベルリン国際映画祭にてプレミア上映され、観客の大喝采を浴び最優秀ドキュメンタリー賞と観客賞をW受賞したパレスチナ人とイスラエル人の若手監督による衝撃と奇跡のドキュメンタリー映画『NO OTHER LAND(原題)』の邦題が『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』に決定した。あわせて、本作の日本版ビジュアル・日本版特報映像が解禁された。本作は、2025年2月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほかにて全国公開。

原題の“NO OTHER LAND”は、直訳すると「他にはない土地」の意味。イスラエル占領下にあるヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区にある故郷の村マサーフェル・ヤッタを守ろうとするバゼルら住民たちの、故郷への想いや強い覚悟をストレートに表現した力強い邦題となった。

今回解禁された日本版の特報映像が捉えるのは、バゼルの暮らす村をイスラエル軍の無数の軍用車両が急襲する緊迫の場面や、村にある家が理不尽に破壊される様子。ここで生まれ育ったバゼルはこうした様子を撮影し続け、それをSNSに発信し、メディアに提供することで占領に抵抗していた。そして、イスラエル軍の不当な行いに心を痛め、この村を訪れたことがきっかけでバゼルに協力するようになったジャーナリストであるユーバール。彼らは、占領という現状への抵抗を通じて親密になり、次第にこの問題についての映画を作らなければならないという決意へと変わっていったという。事態が一向に好転しない中で、バゼルは「この現実を変えたいんだ」と胸の内をユーバールに告げるのだ。

日本版ビジュアルでは、マサーフェル・ヤッタの穏やかで美しい丘陵地を背景に、バゼルとユーバールが目をそらすことなくお互いをまっすぐ見る、印象的な様子を切り取った。「それでも僕たちはこの現実を変えたい」というキャッチコピーは、本作において特報映像にも収められたバゼルの言葉をベースにしたものだ。舞台となるのは、イスラエル軍による破壊行為と占領が今まさに進行している、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区「マサーフェル・ヤッタ」。本作は、この現状をカメラに収め世界に発信することで占領を停止させ故郷の村を守ろうとするパレスチナ人青年バゼル・エイドラと、彼に協力しようとその地にやってきたイスラエル人青年ユーバール・アブラハムの2人による決死の活動を、2023年10月までの4年間にわたり記録したドキュメンタリー。マサーフェル・ヤッタの住民たちが家や小学校、ライフラインを目の前で破壊され強制的に追放されていく、あまりに不条理な占領行為を、そこで暮らす当事者だからこそ捉えることのできた至近距離からの緊迫感みなぎる映像であぶりだしていく。同時に、バゼルとユーバールが、パレスチナ人とイスラエル人という立場を越えて対話を重ね理解し合うことで生まれる奇跡的な友情と、ただ故郷の自由を願い強大な力に立ち向かい続ける人々の姿も映し出していく。監督は、彼ら自身を含むパレスチナ人2人・イスラエル人2人による若き映像作家兼活動家たち4人が共同で務めた。

今年2月に開催されたベルリン国際映画祭では、数多ある部門のプレミア上映のうち最も大きな盛り上がりを見せた1作となり、上映後には観客たちによるパレスチナ解放スローガンの大合唱と、割れんばかりの拍手喝采が巻き起こった。見事に最優秀ドキュメンタリー賞&観客賞をW受賞し、バゼルとユーバールが揃って登壇し連帯を呼びかけた受賞スピーチは同映画祭のハイライトとして大きな話題を集めた。しかし一方で、イスラエル擁護の立場を取るベルリン市長やドイツ文化省がそれを強く非難。世界中で大きな論争が続くなか、今なお監督たちは精力的に活動を続け、熱い支持を集めている。9つの観客賞をはじめすでに29もの賞を獲得(11/21時点)し、アカデミー賞®長編ドキュメンタリー賞の受賞最有力との呼び声も高い、いまこそ観るべき最注目のドキュメンタリーだ。

作品情報

ノー・アザー・ランド 故郷は他にない
2025年2月21日(金)TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋 ほか全国公開

監督:バゼル・エイドラ、ユーバール・アブラハム、ハムダーン・バラール、ラケル・ゾール

2024年/ノルウェー、パレスチナ/アラビア語、ヘブライ語、英語/5.1ch/95分/原題:NO OTHER LAND/日本語字幕:額賀深雪/配給:トランスフォーマー

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