1958年にカナダ・ウィニペグで生まれたガイ・マディン監督。1985年に初監督作となる短編『The Dead Father』を発表し、ウィニペグを拠点に創作活動を続けている。最新作はアリ・アスターが製作総指揮を務めた『Rumours』。アリ・アスターは「僕の初期作品は、ガイ・マディンの作品からアイデアをいくつか頂戴しているんだ!!」と『Cult MTL』誌のインタビューで語っている。
同特集では、ガイ・マディン監督の長編第1作『ギムリ・ホスピタル』と長編第2作『アークエンジェル』の4K版を上映。
1988年公開の『ギムリ・ホスピタル』は、19世紀末のカナダの寒村にある病院を舞台に、天然痘を患った漁師エイナーと患者グンナーの不思議な因縁を描いた作品。撮影直前に「恐怖」「嫉妬」「憎しみ」「後悔」「悲しみ」「忘却」「あこがれ」「恥辱」「復讐」「愛」という10種類の感情の番号を演者に指示するのみという演出手法で撮影されたという。ガイ・マディンは医者役で出演。
1990年公開の『アークエンジェル』は、第一次世界大戦終盤のアルハンゲリスクを舞台に、ロシア人兵士を中心に展開する「倒錯する愛」の物語。ガイ・マディンは眼帯姿の兵士役で出演している。タイトルは「アルハンゲリスク」の英語名で「大天使」の意。
なお、この2作品は映画配給会社リスキットのダークファンタジー作品を集積した新ブランド「Riskit Black Label」の第1回配給作品としてクレジットされている。
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