アート イベント

オリビエ賞6冠の舞台「となりのトトロ」 ロンドン・ウェストエンドで無期限ロングラン開幕! 来年3月分までチケット販売

宮﨑駿監督のアニメーション映画を舞台化した「となりのトトロ」(My Neighbour Totoro)の無期限ロングラン公演が、3月20日にロンドンのウェストエンドで開幕した。これに伴い、公演写真が公開された。

© 2022 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

本作は、映画の音楽を手掛けた作曲家・久石譲の発案により、日本 テレビとイギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)が共同で製作。2022年10月から2023年2月にかけてロンドンのバービカン劇場で初演され、翌2023年11月から2024年3月にかけて同劇場で再演された。原作の世界観を尊重した演出や、久石譲の音楽が観客の心をつかみ、チケットは全公演で完売。動員数は29万人を記録し、イギリス演劇界で最も権威あるローレンス・オリビエ賞で最多6冠に輝いた。

無期限ロングラン公演が開幕したMy Neighbour Totoro/Mei (Victoria Chen), Tatsuo (Dai Tabuchi) and Satsuki (Ami Okumura Jones) in My Neighbour Totoro. ⒸManuel Harlan Ⓒ RSC and Nippon  TV

今回のロングラン公演の会場となるのは、アンドリュー・ロイド・ウェバーが所有するジリアン・リン・シアター。ロイド・ウェバーが本作を観劇し、高く評価したことがきっかけでロングラン公演が決定した。1981年に彼の代表作「キャッツ」が誕生したこの劇場は、ウェストエンドでは珍しい横長の構造を持ち、舞台上をネコバスが駆け回るダイナミックな演出も実現した。

演出を手掛けたフェリム・マクダーモットは、「44年前、学生だった私はジリアン・リン・シアターで『キャッツ』を観て熱狂しました。時を経て、この素晴らしい劇場で『となりのトトロ』を届けられることを誇りに思います」とコメント。日本テレビのプロデューサーであり、スタジオジブリの取締役でもある依田謙一は、「久石譲さんがリードした作品が、ウェストエンドで最もこの物語にふさわしい劇場で長い旅に出られることを心から嬉しく思います」と語った。

Mei (Victoria Chen), Tatsuo (Dai Tabuchi) and Satsuki (Ami Okumura Jones) in My Neighbour Totoro. Ⓒ Manuel Harlan Ⓒ RSC and Nippon TV

初日にはロイド・ウェバーをはじめ、「グレイテスト・ショーマン」の「ディス・イズ・ミー」で知られるキアラ・セトルなどの著名人が来場し、観客は熱狂的なスタンディングオベーションで公演を迎えた。また、これまで11月分まで販売されていたチケットの販売期間が、来年3月分まで延長されることも発表された。

久石譲の音楽のもと、RSCが手掛けた「となりのトトロ」の舞台は、世界中の観客を魅了し続けている。