2022年に実際に起き社会問題となった、ある若い女性の不審死に対する市民による政府抗議運動が苛烈するイランを背景に、家庭内で消えた一丁の<銃>を巡って家族も知らない家族の顔が炙り出されていく――予測不能に加速する衝撃のサスペンス・スリラー『聖なるイチジクの種』(2/14公開)。モハマド・ラスロフ監督が母国を脱出し、命を懸けてまで世界に問うた本作が、1月23日(※現地時間)に発表された第97回アカデミー賞®の<国際長編映画賞>部門にてノミネート5作品入り果たした!
家庭内で消えた<銃>。容疑者は父・母・姉・妹――
あなたが目撃するのは“禁断の真実”
第77回カンヌ国際映画祭で、【審査員特別賞】を受賞した『聖なるイチジクの種』への12分間に及ぶスタンディングオベーションには、衝撃と感動、熱いリスペクトなど賞賛のすべてが込められていた――。喝采を浴びたのは、これまで手がけてきた自作映画でイラン政府を批判したとして有罪判決を受けていたイラン人監督モハマド・ラスロフ。『聖なるイチジクの種』も2022年に“ヒジャブの着用義務”についての訴えを呈した女性活動家の不審死が発端となり制作。SNSを中心に広まった、市民による『マフサ・アミニ抗議運動』を背景に、ラスロフ監督はイラン国内の家父長制度、女性の人権と自由についての問題に自国イランへの批判も込め鋭く切り込み、自身も投獄の危険にさらされ、母国を脱出、本作を世に問うために命をかけて作り上げた。
アカデミー賞®の授賞式は、3月2日(現地時間)。イランや中国などイデオロギー主導の権威主義体制の国に対しての反体制派の人々の叫びでもある本作は、アカデミー賞®の重要な前哨戦とされるゴールデン・グローブ賞<非英語作品賞>やクリティック・チョイス・アワード<外国語映画賞>でのノミネーションをはじめ、世界各国の名だたる映画賞で続々と受賞&ノミネーション! この度のノミネーションで、更にアカデミー賞®獲得にまた一歩近づいた本作にぜひご注目いただきたい!
■公開情報
『聖なるイチジクの種』
2025年2月14 日(金)全国公開
出演:ミシャク・ザラ、ソヘイラ・ゴレスターニ、マフサ・ロスタミ、セターレ・マレキ
監督・脚本:モハマド・ラスロ
配給:ギャガ
2024年/フランス・ドイツ・イラン/167分/英題:The seed of the sacred fig
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