『REC/レック』のジャウマ・バラゲロ監督がクトゥルフ神話を“生みの親”H・P・ラヴクラフトの短編を映画化した『Venus(原題)』が、『VENUS/ヴィーナス』の邦題で5月9日に日本公開されることが決定した。
ラヴクラフトが1933年に発表した短編『魔女屋敷で見た夢』を原案に、アレックス・デ・ラ・イグレシアが製作、『REC/レック』のバラゲロが監督を務めた本作。Netflixシリーズ『エリート』でも知られる俳優。モデルのエステル・エクスポシトが、姪を守りながら“怪異”と犯罪組織との三つ巴バトルを繰り広げる孤高のダンサーを演じ、2022年のトロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門にも選出された。
スペインのマドリード、ナイトクラブで働くダンサーのルシア(エステル・エクスポシト)は、雇い主の犯罪組織から大量のドラッグを盗み逃亡する。逃げる際に組織の用心棒から痛手を負わされた彼女は、疎遠になっていた姉ロシオと幼い姪が暮らす、“ヴィーナス”と名付けられた郊外の老朽化したアパートへ身を隠す。ところが、ロシオが置き手紙を残して姿を消した。犯罪組織が彼女のもとへ迫る中、世界は異例の日食に恐れ慄き、それと連動するかのようにアパートでは未曾有の怪異が目を覚ましつつあった。果たしてルシアは、姪を守りつつ恐怖の一夜を生き延びることはできるのか。
あわせて、まばゆい光と不気味な女性の顔をバックに佇む、血塗れのルシアを描いたキービジュアルが公開。「這い寄る狂気と踊れ」というコピーからは、降りかかる怪異から生き延びようとする強い意志と、サバイバルを予感させる。また、“VENUS”の字の間には、まるでカウントダウンのように日食が進む様子が描かれている。太陽が完全に喰われたとき、世界は何を迎えるのだろうか。
同時に公開された本予告編では、犯罪組織からドラッグを盗んだルシアが、姉と姪の暮らす郊外の老朽アパート“ヴィーナス”へと逃げ込む姿が描かれる。しかし、彼女を待ち受けていたのは、日々お茶会に興じる得体の知れない貴婦人たちと、彼女たちを“悪魔の使い”と呼ぶ少女。やがてアパートの空気は不穏に変わり、太陽を謎の惑星が覆いはじめる。貴婦人たちが口にする「準備は整った」の一言を皮切りに、“それ”が目を覚まし、不気味な触手が少女に迫る。そして同時に、ギャングたちもルシアの潜伏先を突き止め、アパートを包囲。怪異×犯罪組織×ダンサーという三つ巴が始まる。「お望みなら、踊ってやる」とルシアの挑発を合図に、映像はハイテンションなダンスミュージックとともに一気に狂乱の宴へ。異形の影に蹂躙されるギャング、爆発、銃撃、そして血まみれであがくルシアの姿が次々と映し出され、恐怖の一夜をまざまざと見せつける。最後に飛びかかる人影を撃ち抜いた瞬間、映像は唐突に幕を閉じる。
『VENUS/ヴィーナス』
5月9日(金)新宿シネマカリテほか全国ロードショー
出演:エステル・エクスポシト、イネス・フェルナンデス、アンヘラ・クレモンテ、マグイ・ミラ、フェルナンド・バルディビエルソ
監督:ジャウマ・バラゲロ
脚本:ジャウマ・バラゲロ、フェルナンド・ナバーロ
製作:アレックス・デ・ラ・イグレシア
原案:H・P・ラヴクラフト『魔女屋敷で見た夢』(『アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―』所収/新潮社刊)
音楽:バネッサ・ガルデ
撮影:パブロ・ロッソ
配給:クロックワークス
2022年/スペイン/スペイン語/カラー/シネスコ/5.1CH/101分/原題:Venus/字幕翻訳:金関いな/R15+
©2022 Pokeepsie Films SL – The Fear Collection II A.I.E.