俳優の平泉成(80)は、映画『明日を綴る写真館』(秋山純監督)で特別賞を受賞した。俳優生活60年を迎え、80歳にして初の映画賞となった。平泉はメガネと渋いスーツ姿で登壇し、同作で自身の弟子役を務めたアイドルグループ「Aぇ!group」の佐野晶哉(22)から花束を贈られ、握手を交わした。
佐野は、「成さん、本当におめでとうございます。成さんがワインを飲みながら、『俳優人生を60年続けてきて、こんなに素敵なことがあるんだ。脇役で生きてきた俺がど真ん中で誰よりも長く映っている、こんな映画をたくさんの人が愛してくれてさ』と自信満々に話していたのを覚えています。この映画は、成さんにとっても僕にとっても大切な映画になりました」と興奮気味に語った。平泉は笑顔でその言葉を受け止めた。
マイクの前に立った平泉は、「長いことやってきて、このような賞をいただくのは本当に初めてです」と感慨深げに述べた。そして、「土の着いた根菜のような役者になりたいと思って、ずっとやってきました。60年やってきて、長く続けると、いいこともあるんですね」としみじみ語った。続けて、「私を指名してくれた監督、スタッフ、佐野君やキャストたち、ありがとう。そして、忘れてはならないウチのかみさん、長いことありがとう。君には本当に感謝しています」と、妻への感謝の言葉を述べた。最後に、「私はまだ80歳です。まだまだやり残したことがいっぱいあります。これからも頑張ります!」と今後の意気込みを堂々と宣言した。
作品賞・邦画部門:「正体」(藤井道人監督)▽作品賞・海外部門:「シビル・ウォー アメリカ最後の日」(アレックス・ガーランド監督)▽アニメ作品賞:「ルックバック」(押山清高監督)▽主演男優賞:横浜流星「正体」▽主演女優賞:石原さとみ「ミッシング」▽助演男優賞:奥田瑛二「かくしごと」▽助演女優賞:吉岡里帆「正体」▽監督賞:塚原あゆ子「ラストマイル」▽新人賞:越山敬達、中西希亜良「ぼくのお日さま」▽特別賞:草笛光子「九十歳。何がめでたい」、平泉成「明日を綴る写真館」
物語 誰もが抱えている人生の“想い残し”。私たちに出来ることは、まだある。 さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉成)。彼の写真に心を奪われた気鋭カメラマン・太一(佐野晶哉)は華々しいキャリアを捨て、弟子入りを志願する。家族とのコミュニケーションすら避けてきた太一は、訪れる客と丁寧に対話を重ね、カメラマンと被写体という関係を超えてまで深く関わる鮫島の姿に驚きを隠せない。人々の抱える悩みや問題のために必死に奔走する鮫島に振り回されながらも、自分に足りないものに気付き始める太一。同時に、鮫島とその家族にも目を背けてきた“想い残し”があることを知る。変わりゆく太一が、悔いのない未来のために踏み出した一歩。その先に続く、思いもよらない奇跡に涙する――。 |
『明日を綴る写真館』作品情報
公開日 | 2024年6月7日より公開中 |
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キャスト | 監督:秋山純 原作:あるた梨沙 出演:平泉成 佐野晶哉 嘉島陸 咲貴 田中洸希 吉田玲 林田岬優 佐藤浩市 吉瀬美智子 高橋克典 田中健 美保純 赤井英和 黒木瞳 市毛良枝 |
配給 | アスミック・エース |
制作国 | 日本(2024) |
上映時間 | 104分 |
公式サイト | https://ashita-shashinkan-movie.asmik-ace.co.jp/ |
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