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『第46回ヨコハマ映画祭』助演女優賞 三好彩花が受賞

俳優の三吉彩花が『第46回ヨコハマ映画祭』助演女優賞に輝き、2日に神奈川・関内ホールで行われた表彰式に出席した。

三吉は、映画『本心』での演技が高く評価され、今回の受賞に至った。同作は、リアルと非リアルの境界がより曖昧になった世界を舞台に、主人公・朔也(池松壮亮)が、急逝した母・秋子(田中裕子)の本心を知るために、生前のパーソナルデータをAIに集約し、仮想空間上に「人間」を作り出すという物語である。三吉は「三好彩花」役を演じた。

受賞スピーチでは、「本作は、これまでの出演作の中で最も難しく、同時に大きなやりがいを感じた特別な作品だった」と振り返り、監督の石井裕也をはじめ、関係者への感謝の意を述べた。また、「作品を作り上げる際には、どのような化学反応が生まれるのか、人との縁を大切にして臨んでいる」と語り、「今回、多くの方に作品が届いたことを実感し、貴重なご縁に感謝している」と締めくくった。

三吉は、受賞の喜びをかみしめながら「これからもさまざまな作品を通じて、自分自身の知らない一面を発見していきたい」と意欲を語った。

さらに、原作者である平野啓一郎氏に「なぜ三吉彩花という名前を選ばれたのか」と尋ねたことを明かし、「偶然にも、私の名前が作中で使われていたことを知りました。これも一種の運命のように感じ、この役は私にしかできないのではないかと強く思いました」と振り返った。また、本作のテーマについて「非常に繊細な内容であり、現代社会において多くの人に届けるべき作品だと感じていました」と語った。

役作りについては、「どうすれば本物の表現ができるのかを常に考えていた」とし、「演じるというよりも、自分自身のトラウマやコンプレックスと向き合うことが必要な作品だった」と明かした。そして、「この作品との出会いは、自分の人生においても大きな意味があり、一人の人間として向き合う貴重な機会になった」と強調した。

■『第46回ヨコハマ映画祭』各賞
作品賞:『夜明けのすべて』
監督賞:入江悠『あんのこと』
森田芳光メモリアル新人監督賞:奥山大史『ぼくのお日さま』
脚本賞:野木亜紀子『ラストマイル』『カラオケ行こ!』
撮影賞:浜田毅『本心』
主演女優賞:杉咲花『市子』『朽ちないサクラ』『52ヘルツのクジラたち」
主演男優賞:仲野太賀『十一人の賊軍』
主演男優賞:役所広司『PERFECT DAYS』『八犬伝』
助演女優賞:三吉彩花『本心』
助演男優賞:池松壮亮『ぼくのお日さま』『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
最優秀新人賞:越山敬達『ぼくのお日さま』
最優秀新人賞:齋藤潤『カラオケ行こ!』『瞼の転校生』『からかい上手の高木さん』
最優秀新人賞:出口夏希『赤羽骨子のボディガード』
審査員特別賞:土井敏邦『津島~福島は語る第二章』『ガザからの報告』
特別大賞:草笛光子『九十歳。何がめでたい』『アイミタガイ』