『第33回日本映画批評家大賞』主演女優賞に筒井真理子

俳優の筒井真理子は22日、都内で行われた『第33回日本映画批評家大賞』授賞式に登壇し、映画『波紋』で主演女優賞を受賞しました。筒井は「賞をもらうために演技をしてきたわけではありませんが、受賞すると嬉しいですね（笑）」と冗談を交えてスピーチしました。

「さっきまで冷静だったんですが、急にドキドキしてきて…」とちゃめっ気たっぷりに話しながら、「撮影現場では信頼できる監督と素晴らしい共演者に囲まれて、緊張感の中でも毎日が楽しかったです。撮影から1年以上が経ち、世界が大変な時期にこうして平和な日本で皆さんと会えること、そして会場に来てくださった方々が祝福してくださることに感謝しています」と述べました。

また、「立っているだけで面白いことをやってくれそうな女優さん。個性的な俳優たちの中で見事に表情や行動で感情を表現している。彼女にはいくつ引き出しがあるのだろう？」と評されたことについて、筒井は「自分自身には個性がないと思っているので、役に揉まれることが楽しいんです。役を探る作業が楽しいですね」と振り返りました。

さらに、「私は小さく狭い人間ですが、自分から遠いところにある役の気持ちを探っていくことが繋がっていればと思います。ちっぽけな自分が『こういう気持ちだったんだ』と理解した時に、自分が大きく成長した気がします」と胸を張りました。

筒井が主演した映画『波紋』は、荻上直子監督のオリジナル最新作で、放射能、介護、新興宗教、障害者差別、独居老人といった現代社会の問題に次々と翻弄される主人公・須藤依子を描いています。荻上監督は監督賞も受賞しました。

『日本映画批評家大賞』は、1991年に水野晴郎さん（故人）が発起人となり、淀川長治さん（故人）、小森和子さん（故人）ら当時の一線で活躍した映画批評家たちによって設立されました。映画人が映画人に贈る賞で、2023年に公開された映画を対象としています。