日付:2024年11月29日(金)
場所:池袋シネマ・ロサ
登壇:大西信満、奈月セナ、井土紀州監督
2023年公開の映画『卍』の好評が、同じく文豪・谷崎潤一郎の名作小説『痴人の愛』の映画化。
2024年11月29日(金)より池袋シネマ・ロサでの劇場公開がスタート。
同館で実施された公開初日を記念する舞台挨拶には主演の大西信満と奈月セナ、井土紀州監督が登壇しました。
本作について主人公・河合譲治役を演じた大西は「自分で『役を作ったつもり』になったところで、現場に行けば壊れるもの」というこれまでの経験に触れた上で、譲治を振り回すナオミを演じた奈月の芝居に対して《生》で反応しようと心がけていたこと、いかにみっともなく演じるかが譲治という「『かっこいい』とは本当に程遠い役」「ナオミを呆けたように見つめ続ける男」の肝だと思ったとコメント。
譲治の《運命の女》ナオミを演じた奈月は、様々な名優が演じてきたナオミ役を務められるかというプレッシャーを抱きながらも、実際に演じていく中で自身の心に素直なナオミの生き方を感じとれたこと、頑固で理性的に生きようと日々考えながら生きていた自分にとって、ナオミのそんな生き方に心を支えられたことで彼女を演じられたと明かした。
またお互いの印象について奈月は、脚本の読み合わせで初めて大西に会った際に「脚本の中の譲治そのままの姿で、とても真面目で実直な方」と感じたとのこと。対して大西は「『譲治そのまま』は褒め言葉じゃないよ(笑)」と返しつつも、実際に会う以前に見かけたモデル・グラビア活動などでの煌びやかなイメージとは異なる奈月の真面目さが、完成した映画を観た際の「ナオミが芯の通った人に感じられた」という印象にも反映されていると語った。
トークの話題は、撮影や共演キャスト陣のエピソードへ。井土監督は映画作中でのナオミの衣装に言及し、スタイリストが用意した物で「これは派手過ぎる」「流石にこれを着られる人はいない」と自身が感じた衣装でも、奈月が実際に着用すると見事に着こなしてしまい、候補が多過ぎて逆に衣装選びが大変だったとほめ殺しな制作秘話を紹介。また奈月は、譲治のシナリオ講座仲間として出演した土居志央梨・佐藤峻輔・柴山葉平の和気藹々とした雰囲気が、共演していて「とても居心地が良かった」とコメント。なお土居はNHK連続テレビ小説『虎に翼』でザテレビジョンドラマアカデミー賞・助演女優賞を受賞するなど注目を集め続けているが、本作への出演はオーディションで決まったとのこと。
大西は本作で一番緊張感をもって演じた相手は、シナリオ講座の講師・椿役を務めたベテラン・村田雄浩と明かし「村田さんのおかげで自分を引き締めることができた」と感謝を伝えた。そして「本当のネタバレになるので、役柄の詳細は明かせないが」と前置きした上で、映画終盤での吉岡睦雄の演技には「全部ぶち壊しやがって(笑)」と感じる程に驚かされたと称賛。他の二人もそれに同意し「ぜひ吉岡に注目です」という井土監督の言葉で舞台挨拶は幕を閉じた。
あらすじ
かつてシナリオコンクールで受賞したものの、未だプロデビューを果たせずにいる脚本家志望の男・河合譲治(大西信満)。
ある日、同じシナリオ講座に通う若者たちと入った寂れたバーで、譲治はナオミ(奈月セナ)と名乗る美しい女性と出会う。店で働きながら俳優を目指しているという彼女に「シナリオ講座の講師」と勘違いされた譲治は苦笑しながらも、自身の身の上を明かす。
やがて譲治は、シナリオ講座の講師・椿(村田雄浩)に「自分の代わりに映画の脚本を書いてみないか」と誘われる。原作は、谷崎潤一郎の『痴人の愛』……譲治は二つ返事で依頼を引き受け、今度こそ成功してみせると脚本を書き始める。
脚本執筆に苦戦する中で、譲治はナオミと再会し、二人の関係は急速に近づいていく。しかしそれが、ナオミと執筆との間で身を引き裂かれる、甘く、苦く、狂おしい時間の始まりだった……。
出演:大西信満 奈月セナ
土居志央梨 佐藤峻輔 柴山葉平 中島ひろ子 芳本美代子 村田雄浩 川瀬陽太 吉岡睦雄 大久保 雛 丸 純子(友情出演) 中嶌駿介 佐藤真澄 詩 歩 たなかさと 華岡 稟
監督:井土紀州 脚本:小谷香織
企画:利倉 亮、郷 龍二 プロデューサー:江尻健司 アシスタントプロデューサー:竹内宏子
撮影:田宮健彦 録⾳:大塚 学 美術:中谷暢宏 編集:桐畑 寛 助監督:小泉 剛
制作:福島隆弘、洲鎌恒男 ヘアメイク:藤澤真央 スタイリスト:髙地郁美 現場衣裳:藤田賢美
スチール:石井勇気 ⾳楽:高橋宏治 整音:山田幸治 キャスティング協力:関根浩⼀
営業統括:堤 亜希彦 制作:レジェンド・ピクチャーズ 宣伝:Cinemago 配給:マグネタイズ
2024年/⽇本/106分/カラー/ステレオ/R-15
(C)2024「痴人の愛」製作委員会