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『敵』衝撃必至の前後半の激変!新場面写真解禁

筒井康隆の同名小説をもとにした本作の主人公は、妻に先立たれた元大学教授・渡辺儀助。平和で完璧な日常を過ごしていた彼のもとに、ある日「敵がやって来る」と不穏なメッセージが届いたことから物語が動き出す。長塚が儀助を演じ、吉田が現実と夢の曖昧な境界線をモノクロの映像で表現した。

映画「敵」新場面写真
映画「敵」新場面写真

新写真には、映画の前半から後半へかけて様子が一変する儀助のさまざまな表情が。日本家屋で慎ましく丁寧に過ごす姿や、松尾貴史扮する友人・湯島と酒を酌み交わす場面、「敵が来る」というメールが届いたことで生活が崩れ始めていく一幕が切り取られた。吉田は「儀助の静かな日常が次第に浸食され、後半にかけて儀助の記憶がカオスのまま家中へ放たれていく、ダイナミックな展開がやっぱり大好きでした」と語り、丁寧に積み上げた世界を一気に壊す“筒井的カタルシス”が自らの創作志向になったと明かした。

映画「敵」新場面写真

長塚は本作の好評を受け、「僕の小学校の同級生たちがすごく喜んでくれる。長塚がやったと。僕にとっては(この作品が)大切な思い出なので、ぜひ皆さんと分かち合いたい」と吐露。「非常に多面的な映画で面白さもひとしお、一様でないというところがあります。いろんな世代の方に楽しんでいただける、いろいろと考えさせてくれる、そんなところのある映画ですので、ぜひ劇場でご覧ください」と呼びかけた。

物語
渡辺儀助、77歳。
大学教授の職を辞して10年―妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋に暮らしている。料理は自分でつくり、晩酌を楽しみ、多くの友人たちとは疎遠になったが、気の置けない僅かな友人と酒を飲み交わし、時には教え子を招いてディナーを振る舞う。預貯金が後何年持つか、すなわち自身が後何年生きられるかを計算しながら、来るべき日に向かって日常は完璧に平和に過ぎていく。遺言書も書いてある。もうやり残したことはない。だがそんなある日、書斎のiMacの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。
『敵』

長塚京三
瀧内公美 河合優実 黒沢あすか
中島歩 カトウシンスケ 髙畑遊 二瓶鮫一
髙橋洋 唯野未歩子 戸田昌宏 松永大輔
松尾諭 松尾貴史
脚本・監督:吉田大八
原作:筒井康隆『敵』(新潮文庫刊)
企画・プロデュース:小澤祐治
プロデューサー:江守徹
撮影:四宮秀俊 照明:秋山恵二郎
美術:富田麻友美 装飾:羽場しおり
録音:伊豆田廉明 編集:曽根俊一 サウンドデザイン:浅梨なおこ
衣裳:宮本茉莉 ヘアメイク:酒井夢月 フードスタイリスト:飯島奈美 助監督:松尾崇 キャスティング:田端利江
アクション:小原剛 ガンエフェクト:納富貴久男 ロケーションコーディネーター:鈴木和晶
音楽:千葉広樹 音楽プロデューサー:濱野睦美 VFXスーパーバイザー:白石哲也
制作プロデューサー:石塚正悟 アシスタントプロデューサー:坂田航
企画・製作:ギークピクチュアズ 制作プロダクション:ギークサイト
宣伝・配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ
製作:「敵」製作委員会
ⓒ1998 筒井康隆/新潮社 ⓒ2023 TEKINOMIKATA