長編映画デビュー作『赤い雪 Red Snow』(19)が第14回 JAJFF(Los Angeles Japan Film Festival) 最優秀作品賞を受賞するなど、繊細かつ圧倒的に作りこまれた世界観が国内外問わず高く評価されている甲斐さやか監督の最新作、日仏合作映画『徒花 -ADABANA-』の公開が2024年10月18日(金)にテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテ他で全国順次公開となる。
本作は甲斐監督が20年以上をかけ構想し書き上げ、満を持して映画化されたオリジナル作品。
また75年の歴史を有するフランスの国立映画映像センターCNCの対象作品となり、これまで深田晃司監督『淵に立つ』『よこがお』や早川千絵監督『PLAN75』等が選出されている。
国家により、ある“最新技術”を用いて【延命治療】が推進された、そう遠くない現代。一定の階級より上の人間たちが病に侵された時、全く同じ見た目の自分である“それ”が提供されたら? そして、病の身代わりになってくれたら?
甲斐さやか監督が現代に解き放つ、命の問題作。
主演は『ワンダフルライフ』(99)でスクリーン・デビュー以来、近年『こちらあみ子』(22)、『福田村事件』(23)、『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』(24)と日本映画に欠かせない俳優・井浦 新。
また、井浦 新と同じく、本作の世界に惚れ込んで参加を即決したのが、『ノルウェイの森』(10)でスクリーン・デビューを果たし、2021年には『あの子は貴族』で第35回高崎映画祭 最優秀助演女優賞を受賞し、唯一無二の存在感を放つ水原希子。更に三浦透子、斉藤由貴、永瀬正敏と錚々たる確かな実力派俳優陣が集結した。
監督の世界観の魅力に惚れ込んだ役者陣が大集結!
構想20年以上、現代に解き放つ問題作『徒花 –ADABANA』
ウイルスの蔓延で人口が激減し、延命措置として上層階級の人間だけに全く同じ見た目の“もう一人の自分 「それ」”の保有が許された世界で、死が近づいている新次(井浦 新)と、臨床心理士のまほろ(水原希子)、そして治療のために人間へ提供される「それ」の物語、『徒花 –ADABANA-』。
国内外問わず注目を集めている甲斐監督が20年以上をかけ構想し書き上げたという、現代に解き放つ、命の問題作だ。
甲斐監督は、「1996年に、世界初の哺乳類のクローンである“羊のドリー”がスコットランドで作られて話題になったことがあって、日本でも記事にもなっていたんです。その記事を読んで調べていたら“クローン桜”のことを知りました。実は、日本で見ている桜のほとんどが一代限りのクローン桜なんです。私たちが日本の原風景だと信じているものがクローンだということに気づいてしまったことで、今の私たちがコンピューターや技術を操っているように思っていても、実はこっちが操られているんじゃないかと思ったのです」と本作の構想について振り返る。
甲斐監督の5年ぶりとなる待望の長編第二作の主演を務めるのは、前作『赤い雪 Red Snow』にも出演し、「甲斐監督の今後の作品は、どんな小さい役でもいいから出演させてほしい」と甲斐監督が捉える世界観に惚れ込んでいる、井浦 新。本作の構想を聞いた時は、「今まで観たこともないような表現の在り方に挑んでいかないといけない」と感じたという。さらに、死が近づいている中で、もう一人の自分である“それ”と向き合っていく新次役について、「監督が“新次という役は新さんしかいない”と言ってくださって、高いハードルに対する不安と、でも絶対に演じてみたいというワクワクが混じって、楽しみで仕方がないと言う意味で“身震い”しました。監督の思いを超えていきたい、自分の気持ちをすべて作品に捧げたいという気持ちで作品に参加しました」と、相当な覚悟で新次役に挑んだと語る。
臨床心理士のまほろを演じた水原希子は、甲斐組初参加。「特別な思いのこもった、大切な作品なんだろうなというのが第一印象でした。のめり込みながら脚本を読みました」と振り返る。前作『赤い雪 Red Snow』 を観た水原は「人間の怖い部分が描かれているのが魅力でした。でもそこに、美しさも感じました。そういう、言葉にはできないものが映画の中にはあって、怖いけれど美しくて芸術的な作品だなと思いました」と、本作にも通ずる甲斐監督の世界観に魅了されたという。
第37回東京国際映画祭 新設部門「ウィメンズ・エンパワーメント部門」に出品決定!
そして、10月28日(月)~11月6日(水)に開催される第37回東京国際映画祭で、新設部門として発表された「ウィメンズ・エンパワーメント部門」に、本作の出品が決定! 東京都と連携し、女性監督の作品あるいは女性の活躍をテーマにした作品に焦点をあてた部門となる。同部門のシニア・プログラマー/アンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏は、「【ウィメンズ・エンパワーメント部門】の一作に映画『徒花-ADABANA-』を選んだのは、甲斐監督が示唆に富む近未来の世界を説得力を持って創り出しているからだ。森を瞑想の場として使い、『羅生門』の自然描写を思い起こさせる。そして、この映画のアイデンティティ、人生、人間性に対する探求は格別であり、現代の社会問題と共鳴する複雑な哲学的ジレンマを扱っている。更には、説得力のある演技、的確なストーリーテリング、力強い語り口によって、この映画は観客を魅了すると同時に、存在と道徳に対する理解を再考するよう挑戦している。監督の先見性の強さが、この作品を傑出した一作にしている。」と大絶賛のコメントを寄せている。
新次の身に何が起きたのか……怯えたような表情の新次や、窓ガラスに手をついて感情を溢れさせるまほろ、更に三浦透子演じる謎めいた「海の女」が夜の海で微笑む姿などが捉えられている。
主演は、近年『こちらあみ子』(22)、『福田村事件』(23)、『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』(24)と日本映画に欠かせない俳優・井浦新。 井浦はプロットが出来上がる前から本作の出演を熱望。 また、井浦新と同じく、本作の世界に惚れ込んで参加を即決したのが、2021年に『あの子は貴族』で第35回高崎映画祭 最優秀助演女優賞を受賞し、 唯一無二の存在感を放つ俳優としても目が離せない水原希子。 更に『ドライブ・マイ・カー』(21)での演技が国内外に高く評価され、新作が常に期待されている三浦透子。 『三度目の殺人』(17)でブルーリボン賞助演女優賞、『最初の晩餐』(20)で第34回高崎映画祭 最優秀助演女優賞を受賞した斉藤由貴。 国内外の映画監督に愛され、日本アカデミー賞を4度受賞した経歴を持つ永瀬正敏。 錚々たる確かな実力派俳優陣が、甲斐さやか監督最新作に出演を熱望し、大集結しました。 |
徒花-ADABANA-
井浦 新 水原希子
三浦透子 甲田益也子 板谷由夏 原日出子/斉藤由貴 永瀬正敏
脚本・監督:甲斐さやか
プロデューサー:布川 均 宮田公夫 ビックァン・トラン 赤澤賢司 上野弘之 キャスティングディレクター:杉山麻衣
撮影:高木風太 照明:後閑健太 録音/音響効果:小川 武 美術:河島 康 編集:山崎 梓 ロラン・セネシャル VFX:菅原悦史
衣装デザイン:前田敬子(LOISIR) 劇中アートディレクション:小林和史 助監督:近藤有希 制作担当:久保田辰也
ラインプロデューサー:古賀奏一郎 音楽:長屋和哉 音楽プロデューサー:akiko
クリエイティブディレクター:佐倉康彦 タイトルロゴ/宣伝美術:日高英輝
制作プロダクション:ROBOT DISSIDENZ
配給・宣伝:NAKACHIKA PICTURES
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