映画

『室町無頼』のジャパンプレミア

開催日:2024年12月18日(水)
会場:朝日ホール
登壇者:大泉洋、長尾謙杜、松本若菜、北村一輝、柄本明、堤真一
監督・入江悠、

映画『室町無頼』のジャパンプレミアが12月18日(木)に都内で開催され、主演の大泉洋をはじめ、長尾謙杜、松本若菜、北村一輝、柄本明、堤真一、そして監督・脚本を手がけた入江悠が登壇しました。

本作は、室町時代の“応仁の乱”直前を舞台に、大飢饉や疫病が蔓延し、混乱が広がる京都を描いた歴史ドラマです。この時代、武士階級として日本史上初めて一揆を起こしたとされる蓮田兵衛を中心に、彼と共に権力に立ち向かった「無頼」と呼ばれる者たちの知られざる戦いを描いています。主人公である兵衛を演じるのは大泉洋。剣の達人でありながら、倒幕と世直しを密かに志す無頼漢を熱演しました。

兵衛に拾われて成長を遂げる若者・才蔵を演じたのは、なにわ男子の長尾謙杜。才蔵に棒術を伝授する老師を柄本明が務め、民を虐げる有力大名・名和好臣を北村一輝が演じています。高級遊女であり、男たちの間で重要な存在となる芳王子役には松本若菜がキャスティングされました。また、幕府から京都の治安維持を任される悪党一味の首領であり、兵衛と因縁深い骨皮道賢を堤真一が演じています。道賢は300人もの荒くれ者を従え、兵衛の悪友でありながら宿敵という複雑な役どころです。

本作は、歴史の影に隠された激動の物語をドラマチックに描き出し、個性豊かなキャスト陣がそれぞれの役柄に生命を吹き込んでいます。

本作について、主演の大泉洋は「迫力がすごく、画面から一揆の皆さんにのまれていくような感覚でした。鑑賞後は疲れるほど手に汗握る内容です」とその迫力を絶賛しました。また、IMAXでの先行公開が発表されると、「驚きました。本国が私のことを知っていたんですね」とユーモアを交えて喜びを語りました。

注目のアクションシーンについて、大泉は「私も頑張りましたが、長尾くんのアクションがとにかくすごい。脚本を読んだ時、ト書きが何ページも続いていて、『最後にこれを一連で撮る』と書いてあり、無茶だと思いました」と撮影の過酷さを明かしました。それでも一連で撮影をやり遂げた長尾謙杜について、大泉は「大変だったでしょう?」と振り返りつつ、長尾は「完成した映像を見て、自分でもかっこいいと思いました」と自信をのぞかせました。

撮影現場に立ち会った堤真一は、「一連で撮影するのをやめればいいのにと思いました」と冗談を交え、笑いを誘いました。また、入江監督は「長尾くんは私が『OK』を出しても、『もう一回やりたい』と自ら希望し、納得がいくまでテイクを重ねました」と長尾の真摯な姿勢を称えました。

主演の大泉洋は「立ち回りの経験がないので、しっかりと稽古をしました」と振り返りましたが、一方の堤は「急に指示された」と述べ、撮影時の準備状況の違いを明かしました。2人の演技について長尾は、「お二人とも貫禄がありました。私は素早く動くタイプですが、お二人の演技には溜めや動きのキレがあって、とてもかっこいいと感じました」と称賛。一方で大泉は「早く動けないのが我々の課題ですね」と自虐的なコメントをし、会場の笑いを誘いました。

主要キャストの中で唯一の女性である松本若菜は、高級遊女・芳王子役について、「私だけ汚しのメイクがありませんでした。少し変わった衣装を用意していただきましたので、視覚的にも楽しんでいただけると思います」と語りました。

一方、民を虐げる大名・名和好臣を演じた北村一輝は、撮影現場の過酷な状況について触れ、「現場が本当に寒くて、ほとんどの方が薄着の格好でした。私は上のほうから高みの見物で、本当に申し訳ない気持ちでした」と述懐しました。さらに「衣装の中にヒートテックを着込んでいました」と明かし、大泉洋から軽妙なぼやきを引き出し、会場を和ませました。

長尾謙杜が演じる才蔵の師匠役を務めた柄本明は、撮影を振り返りながら「大変だったでしょうね。ほぼ裸の衣装で、刀が飛び交うシーンばかりでしたから。本当に過酷でした」と長尾を労いました。これに対し、長尾は「非常に貴重な経験でした。撮影中には『本気でもっとぶつかってこい』とアドバイスをいただきました」と撮影のエピソードを披露。しかし、柄本はすかさず「そんなこと言ってないよ」と否定。それでも長尾が「いや、本当に言っていただきました(笑)」と話し続けると、柄本は「言ってないよ~」と繰り返し、会場の笑いを誘いました。

作品のテーマにちなんで「2024年で燃やして帳消しにしたい出来事」を問われた際、松本若菜は「普段から勘違いが多くて」と前置きし、「マネージャーさんが運転する車だと思って乗ろうとしたら、半身乗った時点で全く別の車だと気づいて『すいません』と言ったことがありました」と笑いながら明かしました。このエピソードに関連し、大泉洋も「今朝、同じようなことをやりかけました。いつもマネージャーが家に迎えに来るんですが、よく似た車が止まっていて間違えそうになりました」と共感を示しました。

一方、長尾謙杜は「ナポリタンを食べすぎて少し体重が増えてしまいました。年末までに痩せて帳消しにしたいです」と告白。「最近ナポリタンにハマっていて、毎日のように食べています」と語ると、大泉は「撮影中も太秦でよくパスタを食べてたね。去年からじゃない?」と突っ込みました。これに対して長尾は「実はそうです。『室町無頼』の撮影のために体重を増やそうと食べていたんです。でも撮影後、麺類の美味しさに負けてしまい、そのまま増え続けています」と振り返り、会場の笑いを誘いました。

トークの中で堤真一は、「キャンプに行った時、薪が足りないと思い、薪を細かくしようとナタを使っていた際に手を負傷した」と語りました。その際、「ナタでここをグサッと…」と話す堤に対し、大泉洋は「ナタデココを食べた!?」と冗談を交え、息の合った掛け合いを披露しました。しかし実際には堤が4針縫う大けがを負ったとのことで、「普段気丈な娘が『病院に行く』と言った瞬間に泣き出してしまって。でも、その後はしっかりしてくれてかわいかった」と、家族の温かいエピソードを披露し、「帳消しにしたくない出来事」として振り返りました。

一方、大泉洋も自身のエピソードを披露。「この映画の撮影中にケガをしまして、立ち回りのシーンで膝を7針縫いました」と語りました。その際、撮影中は気づいておらず、「全身傷だらけになる場面だったので、スタッフに『膝から血が出てますよ』と言われても、『それはメイクだよ』と返したんですが、見てみると『メイクじゃないね、これ!』と気づいた」と振り返りました。

さらに大泉は、「撮れ高があったならいいと思っていたんですが、完成版を見たら、そのシーンはまさかのカットになっていまして…。使われていないなら、ぜひ帳消しにしてほしいですね」と笑いながら話し、会場を盛り上げました。

物語
1461年、応仁の乱前夜の京(みやこ)。大飢饉と疫病が同時にこの国を襲った。
加茂川ベリにはたった二ヶ月で八万を超える死体が積まれ、人身売買、奴隷労働が横行する中世の暗黒時代(ダークエイジ)。しかし、時の権力者は無能で享楽の日々を過ごすばかり。貨幣経済が進み、富める者はより一層富み、かつてない格差社会となっていた。
蓮田兵衛は、己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぐ自由人。しかし、ひそかに倒幕と世直しを画策する無頼漢。京とその周辺の悲惨な状況と窮民を見た兵衛は、立ち上がる時を狙っていた…!
一方、才蔵はすさまじい武術の才能を秘めながらも天涯孤独で夢も希望もない日々を送っていた。しかし、兵衛に見出され、鍛えられ、彼の手下となる。
やがて、決死の修行を生き延びた才蔵の武器となるのは、“六尺棒”。修行を終えた時、超人的な棒術を身につけた才蔵の前に敵は無い  。
時は来た  才蔵だけでなく、抜刀(後の居合)術の達人、槍使い、金棒の怪力男、洋弓の朝鮮娘ら、個性たっぷりのアウトローたちを束ねる兵衛。ついに巨大な権力に向けて空前の大暴動を仕掛ける。行く手を阻むのは、兵衛のかつての悪友・骨皮道賢率いる幕府軍。“髑髏の刀”を手に一党を動かす道賢を前に、兵衛は命を賭けた戦いに挑む。
この世の地獄をぶち壊せ! 京(みやこ)を覆う紅蓮の炎の中から明日をつかめ!!

『室町無頼』作品情報

公開日 2025年1月17日(金)公開
監督・脚本 入江悠
原作 垣根涼介『室町無頼』(新潮文庫刊)
キャスト 大泉 洋
長尾謙杜 松本若菜
遠藤雄弥 前野朋哉 阿見 201 般若 武田梨奈
水澤紳吾 岩永丞威 吉本実憂 土平ドンペイ 稲荷卓央 芹澤興人
中村 蒼 矢島健一 三宅弘城
柄本 明 北村一輝
堤 真一
配給 東映
制作国 日本
公式サイト https://muromachi-outsiders.jp/

©2025『室町無頼』製作委員会