荒木飛羽が主演したドラマ「スメルズ ライク グリーン スピリット」(2024年9月~11月放送)が、再編集を加えた「劇場版 スメルズ ライク グリーン スピリット」として6月に公開されることが明らかになった。あわせて、ポスタービジュアル、キャスト陣&澤田育子監督からのコメントが披露された。
原作は、2011~12年まで「コミックBe」で連載された永井三郎氏による同名人気漫画(全2巻・ふゅーじょんぷろだくと刊)。平成の閉鎖的な田舎を舞台に、自分のアイデンティティに目覚めた少年とその友人たちの成長とひと夏の青春物語を描いている。
荒木が演じるのは、クラスで浮いていて、髪が長いという理由で同級生からいじめられている三島フトシ役。いじめに抵抗することもなく、母親の口紅を塗ったり、服を着たり、隠れてする女装だけが心の拠り所だ。一方、フトシをいじめるグループのリーダーで、ある日、三島が落とした口紅を自らの唇に塗ろうとする桐野マコト役を、ドラマ「低体温男子になつかれました。」で初主演を飾った曽野舜太が扮している。フトシに強く当たってしまうバスケ部に所属するクラスのムードメーカー・夢野太郎役は、「恋わずらいのエリー」の藤本洸大。どこか訳アリな様子もうかがえる都会から閉鎖的な田舎に転任してきた社会科教師・柳田役は阿部顕嵐が担当している。
劇場版は、ドラマを再編集したものに、原作、ドラマにもないオリジナルエピソードが入っている。主演の荒木は映画化に際して「特に、三島と桐野が初めて心を通わせる屋上のシーンは、スクリーンで観るのが楽しみで仕方ありません!」と自身の思い入れのシーンを明かした。
共演の曽野は「スクリーンで観ることで、桐野と母の静かな対話や、何気ない瞬間の中にある繊細な感情が、より深く届けられると思います」とスクリーンだからこその魅力をコメント。藤本は「夢野というキャラクターと向き合った日々は、僕にとっても大切な時間だったので、さらに多くの方にこの作品を届けられたら良いなと思っています」と本作への特別な思いを語った。自身初の教師役を演じた阿部は「映画に向けて新しいシーンの撮影をしたんですけど、久しぶりにスタッフの皆さんと会えて、楽しく素敵に撮ってもらえました」と映画オリジナルシーンについてコメントした。
ポスタービジュアルは、自身も監督、写真家、脚本家として活動する枝優花が撮影したカットを起用。荒木演じるフトシが、一人教室から校庭に眼差しを向ける姿を捉えており、“本当の自分”への目覚めと揺らぎが入り混じったフトシの表情を見て取れる。そして桐野、夢野、柳田たちの二度と戻らない青春が切り取られている。
なお、5月26日に本作のキャストとスタッフが登壇する完成披露上映会が予定されており、イベントの詳細は映画公式サイト(https://slgs-movie2025.ponycanyon.co.jp)で確認できる。

キャストと監督のコメント全文は以下のとおり。
『劇場版 スメルズ ライク グリーン スピリット』
2025年6月全国公開
監督:澤田育子
原作:永井三郎
出演:荒木飛羽 曽野舜太 藤本洸大 阿部顕嵐
配給:ポニーキャニオン
【ストーリー】 平成のド田舎の男子学生・三島フトシ(荒木飛羽)は、髪が長く、なよなよしているという理由から、バスケットボール部に所属するクラスメイト・桐野マコト(曽野舜太)率いるグループにイジメを受けている。しかし三島は抵抗するすべもなく、隠れて口紅を塗ったり、女性ものの服を着たり、“カワイイ自分に変身する”という日課が心のよりどころになっていた。そんなある日、三島が屋上にいると、以前なくした口紅を桐野が自らの唇に塗ろうとしていることを目撃し…。“本当の自分”を隠して学校生活をおくる桐野、“なぜか”三島に強く当たるイジメグループの一人・夢野太郎(藤本洸大)、“やたら”三島を気に掛ける新任の社会科教諭・柳田(阿部顕嵐)。自分のアイデンティティに目覚める三島の存在をきっかけに、桐野・夢野・柳田の“秘めたる感情”が徐々に明かされていく。この世界のどこかで“本当の自分”でいられる場所を求めた彼らのひと夏の淡い青春物語、ここに開幕。