2006年にオムニバス『化猫』、2007年にTVアニメシリーズとして放送されて以来、根強く愛され続けている『モノノ怪』が、三章構成となる『劇場版モノノ怪』シリーズとして展開中。2025年3月14日（土）より『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』が公開中です。
このたび、主要キャラクターである「薬売り」「時田フキ」「大友ボタン」のキャラクター表情設定＆場面カットが解禁となりました。
「薬売り」「時田フキ」「大友ボタン」のキャラクター表情設定＆場面カットが解禁！
この度解禁されたのは薬売り、そして第二章の物語の中心となる御中臈・フキとボタンの表情設定。
本作でアニメーションキャラデザイン・総作画監督を務める高橋裕一氏が、作品にかかわるたくさんのアニメーターのガイドラインになるよう描いたものです。
クリエイターたちのこだわりはココ！
高橋氏は表情設定を描くにあたり、そのキャラクターの視線の先にいる別のキャラクターとのやり取りを想像するといいます。
その言葉のとおり、どういう状況で誰に向けられた表情なのか、設定を見るだけで鮮明に思い浮かんできます。
表情設定からも感じられる、浮世離れした美しさとミステリアスさも薬売りの魅力のひとつ。
本編カットの作画においては、薬売りを通じて観客の感情をどう揺り動かしていくのか、中村監督からは「お客さんのハートを掴むような表情」「このカットがセールスポイント」など、明確な演出意図の元にオーダーがあったとのこと。
また、『劇場版モノノ怪』のキャラクターデザインの特徴のひとつは口元。通常歯の区切りは描かないことが多いが、本作ではそこに縦線で区切りを入れています。
さらに、台詞の際の口パクは通常、開け口・閉じ口・中間の中口の３枚を組み合わせて表現するが、本作は「う」の口の形と、「お」の口の形のパターンも加えています。
口元アップのカットも多いため、視線を口にしっかりと誘導する意図があるようだというが、スクリーンでキャラクターがアップになる際は、口元にもぜひ注目してください。
そして、キャラクターの色にも注目したい。女中たちはそれぞれ髪色が違い、黒髪から明るい髪色まで個性あふれる色合い。色彩設計の辻󠄀田邦夫氏曰く、「黒髪を表現する場合濃いグレーや濃い緑などを使うのがひとつの方法だが、本作では定番の表現を避け、同じ黒髪でもそのキャラクターらしい色味で黒髪を塗っている」とのこと。
大奥という閉じられた空間にたくさんのキャラクターが登場する本作。辻󠄀田氏は、「キャラクターをいくつかのグループにわけて色の傾向を決めている」とも明かしており、色に注目すると逆算的にそのキャラクターの個性や役回りがだんだんと見えてくるかもしれません。
このように線だけで描かれたキャラクターの設定から色彩設計、そしてそれに負けず劣らず細部への徹底したこだわりを持った各パートを経て完成した『劇場版モノノ怪』には、すさまじい情報量が盛り込まれており、何度観賞しても新たな発見があります。
2度目3度目は、作品にちりばめられたクリエイターたちのこだわりにもぜひ着目して鑑賞してください。
キャスト
薬売り：神谷浩史
大友ボタン：戸松遥／時田フキ：日笠陽子
時田三郎丸：梶裕貴／坂下：細見大輔／アサ：黒沢ともよ
時田良路：チョー／老中大友：堀内賢雄スタッフ
総監督：中村健治／監督：鈴木清崇
キャラクターデザイン：永田狐子／アニメーションキャラデザイン・総作画監督：高橋裕一
美術設定：上遠野洋一／美術監督：倉本章 斎藤陽子／美術監修：倉橋隆
色彩設計：辻田邦夫／ビジュアルディレクター：泉津井陽一
3D監督：白井賢一／編集：西山茂／音響監督：長崎行男／音楽：岩崎琢
プロデューサー：佐藤公章 須藤雄樹
企画プロデュース：山本幸治
配給：ツインエンジン ギグリーボックス
制作：くるせる EOTA
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