映画

『劇場版「オーバーロード」聖王国編』初日舞台挨拶

映画上映後、満員の観客の前に、6名がステージに登壇。
挨拶を終え、早速キャスト陣に公開を迎えた今の気持ちを伺うと、日野さんは「今回は『オーバーロード』の完全新作ということで、いつも愛してくださっている方への感謝の気持ちを込めてつくりましたので、こうやってお届けできるのが感慨深いです」とアニメシリーズがはじまってからの10年を噛み締める。
そして原さんも、公開前日の公開直前番組、週末の舞台あいさつツアーと『オーバーロード』関連のイベントが連日のように行われることに触れて、「楽しいことが目白押しで、10年経っても皆さんとこんなに楽しい時間が過ごせるなんて、本当に幸せです」と笑顔を見せた。

さらに公開前のプロモーション期間中は本作のネタバレがNGだったということで、言いたいことも言えなかったと語る加藤さんは「ようやくお客さまの顔を見て、心置きなくいろんなことをしゃべれるんだと開放感に浸っております」と感激した様子を見せ、続く瀬戸さんは「アニメがはじまってから10年、 テレビシリーズではそれほど出ていなかったんですが、劇場版では活躍するよと言われていたので、今日はこうして皆さんに観ていただくことができて、とても嬉しい日になりました」と喜びを露わにした。

また本作がシリーズ初参加となった青山さんは、「タイトル自体は10年前から知っていたので、まさか作品に関わらせていただけるなんて思っていなかったですし、こうやって(舞台挨拶に)立たせていただけること、嬉しく思います」と感慨深げに話し、またアンデッドや亜人に差別意識を持つレメディオス役を演じた生天目さんは「私はどうも性格がそんなに悪くないらしくて、素が出ちゃうからこれまで悪役ができないと言われてきたんですが、今回は彼女なりの正義を突き詰めた役だったので、そこが悪に見えたのかな」と自己分析。
主人公たちにキツく当たる役柄ゆえに、映画を観た観客からは嫌われてしまうのでは、と心配していたというが、会場の観客に「レメディオスは悪なのではなく、実はかわいそうな役だったのではないかと思った人は?」と挙手を求めると、多くの観客の手が挙がった。
思った以上に好意的に観客に受け入れられていたようで、生天目さんはうれしそうな様子を見せた。

本作がシリーズ“初”の完全新作劇場版ということで、この日はキャスト陣に向けて「お初のこと」を伺う。
先陣を切った加藤さんが「劇場版作品のエンドロールで、自分の名前がクレジットの最後に来るというのが、自分の目標であり、あこがれだった」と話し。その夢を叶えることができたということ自体も喜びだったが、ましてやそれが加藤自身も大好きな「オーバーロード」で叶えられたということで、その喜びもひとしおだったという。

良い話過ぎてハードルが上がったと他のメンバーが様子を伺う中、日野さんが「今年46になったんですが、ついにきまして……老眼です」と告白し、会場内をドッと沸かせた。
元々目は良かったという日野さんだが、老眼鏡をかけてみて、どうやったら見えるのかを楽しみながら探る日々だったという。そこから加藤さんが、ベテラン声優が台本を前後させながらピントを合わせることは声優あるあるだ、ということをかぶせ、老眼話で盛り上がる。
あれは老眼なんですね、と驚いた様子の若手に対して日野さんも「いつか来るよ」と笑ってみせた。

一方の原さんは、現在、東京ソラマチで開催中の「オーバーロード展」で、原作者の丸山くがね先生と偶然に遭遇したことを報告。そこで丸山先生と一緒にまわることとなった原は、原作者直々の解説を聞きながら鑑賞し、かつフォトスポットでは、丸山先生がカメラマンとなって写真を撮影してもらう機会に恵まれたのだとか。そんな夢のようなサプライズを振り返り、「本当にしあわせな『オーバーロード展』でした」としみじみと語った。

そして「おとといくらいから巨大な口内炎ができて、人生ではじめて口内炎の薬を買いました」と青山さんが語れば、生天目さんも「オンラインゲームで、年齢も性別も分からない、知らない人とはじめて一緒にゲームをやって楽しかった」と、それぞれの「お初」を発表。
最後に瀬戸さんが「ゲームをやっているんですが、気付いたら7時間もやってしまって、目がバキバキになってしまいました」と笑顔で報告した。

本作は先に声を吹き込んでから作画を進める、いわゆるプレスコ方式で収録が行われている。
アニメシリーズの時はセリフの尺感が決まっているため、ある程度尺を気にしながらの収録を余儀なくされるが、日野さんも「やはりアインズの威厳を保つためには間が必要だったりするわけですが、監督からは日野さんの間でしゃべっていただいて大丈夫だとおっしゃっていただいたので、今回は心ゆくまでしゃべらせていただきました」と明かした。

そして、最後のメッセージを求められたキャスト陣。
まずは瀬戸さんが「シズとネイアの掛けあいがとても面白いので、また劇場で観ていただけるならばそこにも注目していただければ」と語ると、加藤さんも「何回観ても、それぞれに新しい発見がある作品じゃないかなと思うので、何度でも観ていただけたら」とメッセージ。
さらに原さんが「わたし自身も今まで3回観たんですが、観れば観るほど情報量の多い作品だなと思いますし、わたし自身も新しい発見があったりもするので、皆さんも何度も観て、新しい発見をしていただけたら」と続けると、生天目さんも「アフレコの時には、自分の中で、どんな風に仕上がるんだろうと思っていましたが、こうして皆さんに観ていただくことができて、とてもしあわせです」と笑顔。

そして青山さんが「背景の細かいところひとつとっても、いろいろと発見があって、まだまだ知らない部分がたくさんあるなと感じたので、わたしも個人的に映画館に潜んで観に行こうと思うので、隣にわたしがいても驚かないでください」と笑いながらコメントすると、

最後に日野さんが、『オーバーロード』を完全新作で届けるのが夢だった、という感謝の思いを伝えつつも、「これから、もっと『オーバーロード』の世界が展開していくので、ご期待ください!」と会場に呼びかけた。

キャラクター原案:so-bin
モンスター原案:so-bin、ケースワベ
監督・構成・脚本:伊藤尚往
脚本協力:菅原雪絵
キャラクターデザイン・総作画監督:田﨑 聡
サブキャラクターデザイン/モンスターデザイン/プロップデザイン:杉浦幸次、出雲重機、中村佑美子、竹内杏子
美術監督:池田繁美、丸山由紀子(アトリエ・ムサ)
美術設定:友野加世子、大久保修一・乗末美穂(アトリエ・ムサ)
色彩設計:野口幸恵 3D監督:大矢和也(グラフィニカ) 撮影監督:渡辺祥生 編集:塚常真理子
音響監督:郷 文裕貴 音響効果:三井友和 録音調整:岡部直紀 音響制作:ビットグルーヴプロモーション 音楽:片山修志(Team-MAX) 音楽制作:KADOKAWA
主題歌『WHEELER-DEALER』OxT
アニメーションプロデューサー:橋本健太郎
アニメーション制作:マッドハウス
配給:角川ANIMATION
製作:劇場版「オーバーロード」聖王国編製作委員会
©丸山くがね・KADOKAWA刊/劇場版「オーバーロード」聖王国編製作委員会