映画

『ルート29』完成披露試写会

◆日時:10月17日(木)
◆会場:COREDO室町2 、TOHO シネマズ日本橋
◆登壇(敬称略):綾瀬はるか、大沢一菜、森井勇佑監

他者と必要以上のコミュニケーションを取ることのできない“トンボ”ことのり子を主人公に据えた「ルート29」では、彼女が風変わりな女の子ハルと旅に出て絆を深め、さまざまな人と出会うさまが描かれる。清掃員のトンボを綾瀬、ハルを大沢が演じた。

森井勇佑

森井は、本作が2人のロードムービーという設定になった経緯について、前作『こちらあみ子』が1人の物語だったことから、「次は2人の物語に挑戦してみたい」と考えたことがきっかけだと説明している。また、トンボとハルの関係性については、それぞれが持つ「宇宙」を尊重し合いながら旅をする姿を描くことを意識して制作したと述べている。

綾瀬はるか

綾瀬は、初めて台本を読んだ際、人とのコミュニケーションを避けてきたトンボがハルと出会うことで変化する様子に感動し、心を動かされたと振り返っている。また、トンボの寡黙な役柄に対して、一菜との共演を通じてどのような化学反応が生まれるのか、緊張感と期待感を抱きながら撮影に臨んだと述べている。森井は、具体的な指示を避け、抽象的なイメージを通じて役や演出を伝えていたが、撮影2日目の朝に綾瀬から「トンボは1人で家にいる感覚が続いているような人物かもしれない」との言葉を引き出されたことを、とても喜んだと語っている。

大沢一菜

大沢は、綾瀬の出演するドラマや映画を何度も繰り返し観るほどのファンであり、今回の共演が決まった際には「夢のようだ」と感じ、「そのときだけ、監督は神だと思いました」と冗談交じりに語り、会場を和ませた。森井が「綾瀬さんの出演決定をLINEで伝えたとき、大沢さんから『神!』と返信が来ましたが、その“神”は私のことだったんですか? 綾瀬さんのことだと思っていました」と尋ねると、大沢は「どちらもです」と答え、笑いを誘った。

映画のプロモーション期間中、大沢はフィルムカメラや写ルンですで撮影を行っていた。スクリーンには、大沢が大切にしているぬいぐるみ「みーちゃん」と「わんころべー」を抱える綾瀬の姿や、綾瀬と大沢の2ショット、綾瀬と森井の2ショットが映し出された。綾瀬は「みーちゃんとわんころべーは、鳥取でもずっと一菜と一緒にいた相棒なので、触れられてうれしかったです」とコメントした。MCから「なかなか触れられないのですか?」と質問されると、大沢は「監督でも全然触っていいですよ」と許可を出し、それを受けた森井は感謝の意を示し、嬉しそうな様子を見せた。

イベントの終盤では、大沢から綾瀬にサプライズで手紙が贈られる場面があった。手紙の冒頭、「まず、顔がかわいいです」という言葉に、綾瀬は大きな笑い声をあげたが、続く「アクションができるところや、毎日穏やかで美しく、笑顔でいる姿がかっこいいです」「トンボさんも私と同じ人間だから、毎日が良いことばかりではないと思いますが、それを見せないところがすごくかっこいいです」という言葉に、静かに涙を流していた。手紙の最後には「またトンボさんと一緒に映画に出たい」という大沢の思いがつづられており、これに対して綾瀬は「一生の宝物にします!」と感謝の気持ちを表した。また、現場での大沢について「最初はシャイだったけれど、次第に『トンボさん元気? 疲れてない?』と励ましてくれる存在になっていった」とその印象を語った。

最後に森井は、鑑賞前の観客に向けて「最初から最後まで、不思議な出来事がたくさん起こる映画です。心を柔らかくしてご覧いただければと思います」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。

『ルート29』作品情報

公開日 11月8日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
キャスト 監督:森井勇佑
原作:中尾太一「ルート29、解放」(書肆子午線)
出演:綾瀬はるか 大沢一菜 伊佐山ひろ子 高良健吾 原田琥之佑 大西力 松浦伸也/河井青葉 渡辺美佐子/市川実日子
主題歌 「Mirror」Bialystocks(IRORI Records / PONY CANYON)
製作 東京テアトル U -NEXT  ホリプロ ハーベストフィルム リトルモア
配給 東京テアトル=リトルモア
制作国 日本(2024)
公式サイト https://route29-movie.com/
公式X @route29movie

(C)2024「ルート29」製作委員会