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『ナミビアの砂漠』公開記念舞台挨拶

『ナミビアの砂漠』公開記念舞台挨拶
日程:9月7日(土)
場所:TOHOシネマズ 日本橋
登壇:河合優実、金子大地、寛一郎、山中瑶子監督

第77回カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した映画『ナミビアの砂漠』がついに公開! 初日翌日となる9月7日(土)には都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、主演の河合優実、共演の金子大地、寛一郎、そして山中瑶子監督が登壇した。

河合は、映画について「大規模な作品ではないものの、限られた撮影期間の中で、キャストやスタッフが意見を出し合い、一丸となって作り上げた作品です。それが時間をかけて多くの方々の手に渡っていく過程を見られることに感動しています」と述べ。さらに、初日を迎えた感想を語り「皆さんがどのように受け取ってくださるのか、感想を聞くのが楽しみです」と期待を寄せた。また、「これから映画が観客の元へ旅立っていくので、私たちは祈るような気持ちで見守りたいと思います」と語り

河合優実

金子は、映画の公開に対して「嬉しい反面、少し寂しさもあります。この4人が集まるのは、たぶんこれが最後のイベントになると思うので……」と率直な感情を明かしました。一方、寛一郎は「金子くんとは劇中で直接の絡みがなく、河合さんとの共演も撮影日数が少なかったです。それでもこのプロモーション期間を通じて、皆さんの人柄を知ることができて、とても楽しかったです」と振り返りました。MCから「河合さんはどんな人ですか?」と問われた寛一郎は、「一言では表せないですね(笑)。でも、意外とお茶目な一面もあります」とユーモアを交えて答え、会場を和ませました。

金子大地

山中は「カナという限定された個人の狭い世界のように見えると思いますが、今の日本の空気感についても考えていました。自由に撮らせていただきましたし(キャストの)皆さんと共闘し、いい映画になったと思っています」と伝える。カナについて河合は「キャラクターとしてはエキセントリックですが、同時に(観客に)“自分の話”だと思って重ねてほしかったので、バランスを意識しました。東京ですれ違うような女の子像と、映画として面白い生き物、どちらの魅力も入れ込みたいと思いました」と語った。

山中瑶子

金子は「誰かをイメージしたわけではありませんが、(ハヤシを通して)自分の本質的なところが見えるかもしれないと思いました。皆さんがハヤシをどう思ったのか気になります」と言及。寛一郎が「ホンダの登場シーンはスタッフさんの体験談をもとに作っています。リハーサルでは、その体験をした方の前でお芝居をして。山中さんが『今の、近いですか?』と聞いていました(笑)」とエピソードを明かすと、河合は「『もっとひざが先に落ちる感じすね……』とか、具体的に教えてくれましたよね」と回想し、笑いを誘う。

寛一郎

アメリカ、カナダ、フランス、台湾、韓国での公開が決定した本作。山中は「海外のお客さんの感想を見ていると注目ポイントがそれぞれ違って、気になってしょうがないです。脱毛サロンのSF感に面白さを感じてほしいです」、河合は「山中さんの映画を世界の人に知ってほしいという気持ちがあるので、どういうふうに観てもらえるのかワクワクしています」と呼びかけた。

最後に主演の河合は「カナのことを自分事として見てもらってもいいし、他人事として見てもらってもいいし、カナの個人的な物語として楽しんでもらってもいい。皆さんが作品から受け取ったエネルギーが反射して『ナミビアの砂漠』が吸収して映画自体が素敵なモンスターになっていったら嬉しいです」と呼び掛けた。

東京というカオスな街で暮らす自身の実感を物語に反映したという山中監督も「私が生まれてからずっと日本は不景気だと思うし、最近は不穏さが顕著になっていると思います。そんな中で大変な人はいっぱいいると思うけれど、この映画を観てちょっとでも爽やかな気持ちになってもらえたらという思いで作りました。気に入っていただけたら周りの人に勧めてください」と語り掛けていた。

『ナミビアの砂漠』作品情報

公開日 2024年9月6日より公開中
キャスト 監督:山中瑶子
出演:河合優実 、金子大地、寛一郎
新谷ゆづみ、中島 歩、唐田えりか
渋谷采郁、澁谷麻美、倉田萌衣、伊島 空
堀部圭亮、渡辺真起子
プロデューサー 小西啓介、小川真司、山田真史、鈴木徳至
配給 ハピネットファントム・スタジオ
制作国 日本(2024)
年齢制限 PG-12
上映時間 137分
公式サイト https://happinet-phantom.com/namibia-movie/

(C)2024『ナミビアの砂漠』製作委員会