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『デューン/砂の惑星』4Kリマスター版」ドゥニ・ヴィルヌーヴ版・原作との違い&YouTube番組配信決定!&入場者プレゼント決定!

誰もが知る不朽の名作や、密かに人気を博す隠れた傑作を、東京テアトルのセレクショ ンで贈るスペシャル・プログラム「テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン/砂の惑星』 4K リマスター版」が 8 月 2 日(金)より全国順次ロードショーとなる。

本作は、『キングコング』(76)などを手掛けた大物プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスがデヴィッド・リンチ監督を抜擢し、多額の製作 費を投じて、映像化不可能といわれたフランク・ハーバートによる SF 小説を映画化。砂虫(サンドワーム)など、細部に至るリンチ・ テイストで“偉大なる病的な映画”として映画ファンの間では、長年カルトムービーとして崇拝されてきた。

日本公開か ら40 年―。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、ティモシー・シャラメ主演による「DUNE/デューン 砂の惑星」(21)、「デューン 砂の惑星 PART2」(24)、 「ーPRAT3」の「リメイク 3 部作」が注目される中、全盛期を迎えつつあっ たリンチ・ワールドが詰め込まれた伝説の超大作が、4K リマスター版としてスクリーンに蘇る。

デヴィッド・リンチ監督の伝説のSF映画「テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン/砂の惑星』 4K リマスター版」 とドゥニ・ヴィルヌーヴ版の違い
デヴィッド・リンチ監督の伝説のSF映画「テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン/砂の惑星』 4K リマスター版」 とドゥニ・ヴィルヌーヴ版の違い
デヴィッド・リンチ監督の伝説のSF映画「テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン/砂の惑星』 4K リマスター版」 とドゥニ・ヴィルヌーヴ版の違い

デヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』では、『E.T.』(82)のカルロ・ランバルディが手掛け た不気味なクリーチャー造形が魅力。特に、大量のメランジを服用したため巨大化、奇形化したギルド・ナビゲーターの造形は異様で、巨大な体に対しあまりに不釣り合いな細く短い手 足、そして女性器の形に似た口を持つ巨大な幼虫のような見た目は、まさに“リンチの悪夢”と して強烈なインパクトを残す。

一方、ドゥニ・ヴィルヌーヴ版のギルド・ナビゲーターは、薄ピンク色 のヘルメットを被った人のような姿をしている。リンチ版では 22 人ものオペレーターによって動かさ れていたギルド・ナビゲーターだが、ドゥニ版では一人で歩いて登場している。ちなみに、このギルド・ナビゲーターというキャラクターは、 実は原作「デューン 砂の惑星」には登場しておらず、続編「砂漠の救世主」の冒頭にのみ登場するキャラクターだったが、スパイス の過剰摂取で奇形化したモンスターとしてあえてリンチ版では登場し、ポールの行く手を阻む存在として重要な役割を担っている。

その他にも、リンチ版では原作と異なる演出がされている部分がいくつかある。まず原作では、ポールと皇帝の娘 のイルーラン姫が結婚し、フレーメンのチャニは妾姫の設定となっているが、映画ではポールとチャニが結ばれる 設定に変更されている。映画でのイルーラン姫は、冒頭での語りと、劇中で一瞬登場するだけの端役に変更さ れている。また、リンチ版でユルゲン・プロフノウが演じているレト・アトレイデス公爵は、実は原作ではあまり詳しく 描写されていないキャラクター。しかし、リンチ監督は原作の中のレト公爵のセリフから存在感のある人物を見出 し、威厳のある振る舞いや、ジェシカへの愛情深さを描くことで、魅力あふれる存在としてレト公爵を描いてい る。それにより、ジェシカにとっては最愛の夫、ポールにとっては精神的支柱となる父となり、アトレイデス家に必要 不可欠な人物として演出されている。ドゥニ版でも、リンチ版のこの演出が活かされている印象を受ける。

さらに、リンチ版とドゥニ版で大きく異なるのが、戦闘の際に用いられる保護フィールドのシールドの描き方。まだ CG 技術が普及す る前の 1984 年に製作されたリンチ版では、琥珀色の透明なカクカクとしたブロックで全身を覆ってシールドを描写しているが、ドゥ ニ版では体が青い光の点滅で発光してシールドを表現している。映像技術の進化によっても表現の異なるリンチ版とドゥニ版を見 比べるとその違いを楽しめる。

日本公開から 40 年の時を経て、4K リマスターによって蘇った、デヴ ィッド・リンチのこだわりが詰まった伝説の超大作「テアトル・クラシックス ACT.4『デューン/砂の惑星』4K リマスター版」は 8 月 2 日(金)より公開。

■YouTube 番組配信&入場者プレゼントの配布決定

また劇場公開を記念して、ショート映画配信サービス「SAMANSA」にて、映画評論家の松崎健夫さんとSF作 家の堺三保さんが「テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン/砂の惑星』4K リマスター版」の魅力を語る対談 YouTube 番組の配信が決定した。前後編に分けて配信予定で、前編は 8月1日(木)17:00~配信 予定。番組内でもリンチ版とドゥニ版の違いなど、2人がたっぷりと語っている。
SAMANSA YouTube チャンネル URL:https://www.youtube.com/@samansajp

■入場者プレゼントの実施

ポスタービジュアルをアレンジした図柄のポストカードを、初日に上映する各劇場にて先 着限定で配布される。配布実施劇場など詳細は公式 HP(https://www.theatres-classics.com/)で発表。

【ストーリー】
時は 10191 年。宇宙は皇帝シャダム 4 世によって支配されていた。この時代に最も貴重な資源は、メランジと呼ばれるスパイス。このスパイスを採取で きるのは、砂に覆われ巨大な虫が支配する“デューン”と呼ばれる砂漠の惑星アラキスのみ。皇帝シャッダム 4 世は、自分の地位を脅かしそうな“救世主” の出現を恐れており、それがアラキスに住む皇帝のいとこアトレイデス公爵の息子ポールであると判明したため、公爵の敵であるハルコネン男爵と手を組 んでアトレイデス公爵の失脚を図る。結果、公爵は死亡し、ポールと母親ジェシカは砂漠に逃れ、アラキスの原住民であるフレーメンの集団に合流、一 大軍団を組織する。巨大なサンドワーム(砂虫)を操り、ポールはハルコネン男爵の軍を次々と壊滅してゆく。やがてフレーメンに伝わる“命の水”を飲んで 超人化したポールは、皇帝に最後の闘いを挑む。

【クレジット】
1984 年|137 分|アメリカ|原題:Dune
(C)1984 DINO DE LAURENTIIS CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
監督・脚本:デヴィッド・リンチ
原作:フランク・ハーバート 製作:ラファエラ・デ・ラウレンティス 製作総指揮:ディノ・デ・ラウレンティス 撮影:フレディ・フランシス 編集:アントニー・ギブス 音楽:ブライアン・イーノ、TOTO
出演:カイル・マクラクラン、ユルゲン・プロホノフ、フランチェスカ・アニス、マックス・フォン・シドー、ショーン・ヤング、スティング
公式サイト URL:www.theatres-classics.com