『チャレンジャーズ』が6月7日(金)に公開される。このたび、タシ・ダンカンが同時に愛したパトリックとアートの対象的な魅力について語った監督やキャストのコメントとともに、彼らの関係性が垣間見えるキス寸前カットが解禁された。
「ありふれた三角関係ではない」とルカ・グァダニーノ監督
ゼンデイヤ演じる天才的なテニスプレイヤー、タシ・ダンカン。ジョシュ・オコナー演じるパトリック・ズワイグと、マイク・フェイスト演じるアート・ドナルドソン。本作は2人男性がタシの虜となってから、13年もの間、彼女を愛し追い求めた二人の男の物語でもある。
ダブルスを組む親友同士の二人が大学に進学するか、プロに転向するか悩んでいた18歳の夏、タシの圧倒的なテニスプレイに魅了されたのをきっかけに、恋のライバルとなったところから物語は始まる。
そんな二人について監督のグァダニーノは「彼らの目標はテニスで互いの上に立つこと。そしてタシに選ばれること。その野心は、友情関係が崩壊し、互いの本音がむき出しになった状況では、壊滅的な結果を生むことになる」と示唆する。
そして、ジョシュ演じるパトリックについては「彼はナルシシズムを全面に押し出したような人物。自分をコントロールするのが下手だけど、同時に人を引きつける魅力をもっている。チャーミングで魅力的な人の周りには特別な空間が生まれ、みんな近くにいたいと思う」とパトリックの持つ魅力を明かす。
演じたジョシュは「彼は何においても特別扱いされるような人間なんだ。自分でも傲慢だと自覚しているけど、実は自分を守るための自衛の結果なのでは?と、監督と共にキャラクターを掘り下げていった」とパトリックという魅惑的な人物像を監督とチューニングして作り上げた事を明かしている。
一方、アートを演じたマイクは、「もしかすると彼はテニスから心が離れてしまっているのではないかということ。誰もが1度は “大人になったら何になりたいか”と考えると思うんだ。子供の頃から目標が明確にあっても、現実を目の当たりにするたびに少しずつ進む道を調整していく。若者たちが自分たちの道を信じて進んでいく姿が描かれている。しかし大人になるにつれて人生の様々なことに直面し、『残りの人生をどう生きていこうか?』と考える様になる」と語る。18歳のティーンエイジャーから、大人になり、世界で活躍するトッププレイヤーになっていくキャラクターが持つ内面、成長とともに訪れる変化について、明かしている。
監督は「マイクの強みの一つは舞台出身だということ。彼はスクリーンでもブロードウェイでも、踊って、ドラムを叩き、歌える体力と技術がある。そしてそれは、考えるより先に動いてしまうアート・ドナルドソンにとっては大事な要素なんだ。彼は行動したいと強く思うけど、同時に、完璧に自分をコントロールできる自己抑制力も強い。矛盾した人物像。その矛盾をマイクは美しく演じてくれた」と大絶賛している。
続けて「ジョシュの演技を通じてパトリックというキャラクターがユーモアと、幻滅をもたらすのに対し、マイクの演技を通し、アートというキャラクターはある種の兄弟愛、苦悩、そして脆さを表現している」と対称的なキャラクターを描き本作に深みをもたらしている事がわかる。「そしてこの2人を掴んで離さないのがパワフルなタシだ。彼女が間に入ることでなんとか3人はまだ繋がっている。3人は欲望という言葉で括られた境界すら超えていく」と二人の欲望の中心が常にタシである事と、どちらかを選ばないといけないといったありふれた三角関係ではない事をアピールしている。
2人を愛したタシの異なる視線に注目
合わせて、タシに対し口付けを交わそうとする、パトリックとアートのキス寸前カットが解禁された。キャンドルが灯るムーディーな雰囲気の中タシの頬にそっと手を添え真っすぐに見つめるセクシーなパトリックの姿と、身体を寄せ合い、顎を引き寄せるタシを優しく見つめるアートの姿になっている。