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『ゴジラ 4Kデジタルリマスター版』ジャパンプレミア 

毎年恒例の<ゴジラ・フェス>も番外編を含め今回で10回目!今年もゴジラの聖地・日比谷にて開催されました。
今年はスマホゲーム『ゴジラバトルライン』の生配信番組『ゴジバトサミット出張版~ゴジラ・フェス2024 SP~』の開催、「メカゴジラ50スペシャルトークショー」や短編特撮映画『フェス・ゴジラ5 怪獣大決戦』の公開など、ゴジラファン歓喜のコンテンツが盛りだくさん!また、居酒屋ゴジラでは『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が1年ぶりにゲストとして登場!公開後の今だから話せる裏話を披露し、会場は大盛り上がりとなりました。
山崎貴監督 <ゴジラ・フェス>
さらに、その後TOHOシネマズ日比谷で開催された『ゴジラ 4Kデジタルリマスター版』ジャパンプレミア上映でも山﨑監督に加え、初代ゴジラの造形助手鈴木儀雄氏が登壇!『ゴジラ』(1954)の撮影秘話やゴジラの魅力に迫るトークを披露し、ゴジラ熱がさらに高まる1日となりました。

第96回アカデミー賞視覚効果賞受賞作『ゴジラ-1.0』に次ぐ新作『ゴジラ』映画の製作が11月1日に発表されたばかりとあり、ステージに呼び込まれた山崎貴監督の姿に会場からは拍手の嵐&タカシ~!の大合唱。
シリーズ31作目となる新作の監督・脚本・VFXを続投する山崎監督は「『ゴジラ』新作を撮ることにしました!」と自らの口からファンに直接報告。「ただ『ゴジラ-1.0』が色々と上手くいってしまって…めっちゃハードルが高い!そのハードルに自分で臨むと思うと貧乏クジだったなと」とジョークを飛ばしつつ、ファンの期待を煽っていた。
山崎貴監督 <ゴジラ・フェス>
昨年に引き続いてのゴジラ・フェスへの参加。「この盛り上がりは嬉しい。特にお子さんが沢山いらっしゃるのも嬉しい。最近はゴジラが大人のものになってきていたので、お子さんが増えると次世代が増えるということ。それはゴジラの未来にとっては良い事。新作『ゴジラ』を待ってくれている空気がビシバシと伝わって来て嬉しい」と喜んだ。
『ゴジラ-1.0』は、今年、第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した。様々な企画、仕事のオファーがあったそうだが「具体的には言えませんが、凄いのが沢山来ました。でも『ゴジラ』の新作映画を撮るから血の涙を流しながら断りました」と『ゴジラ』愛を改めて強調していた。

イベントの中盤には、『ゴジラ-1.0』で敷島浩一を演じた神木隆之介と大石典子を演じた浜辺美波から、ビデオレターで質問が寄せられた。神木は「世界のタカシ~!」と呼び掛けながら「船のシーンでは監督の船酔いが一番ひどかった。ちゃんと映像を見てOKを出したのか?」との疑問が。これに山崎監督は「ちゃんと見ていました!」と笑いつつ「体が揺れる中で画面は違う揺れ方なので、画面を見ると気持ち悪さが倍増。でも本物の太陽と本物の海のお陰で力強いカットになった」と答えた。
また神木からの「現場見学にきた庵野秀明監督とはどんな話をしていたのか?」との質問には「庵野さんはちょいちょい『今のカットもっと長く…』と演出をし始めたので『あんたの作品じゃない。自分の所でやって!』と。謝るけれど、また同じような事を言ってくる」と苦笑いも「それが映画監督という性ですね」と理解を示していた。

一方、浜辺からは「渡米する際の飛行機などでは何を考えて何をされているのか?」との質問が。これに山崎監督は「脚本を書こうと思うけれど、面倒くさいなあと嫌になる中で眠るとぐっすり。脚本を書かなければいけないのに…と思う背徳感の中で寝るのが最高です」と笑わせた。
山崎貴監督 <ゴジラ・フェス>
最後はこの日70歳を迎えたゴジラのために、バースデーケーキを用いて大祝福。「おめでとう!」の拍手喝采の中で山崎監督は改めて「前作を乗り越えるような新作『ゴジラ』を作るために頑張ります!」と宣言。ファンからの「タカシ、頑張れ~!」コールに背中を押される形でイベントは大盛況で幕を閉じた。

大盛り上がりの『居酒屋ゴジラ』からTOHOシネマズ 日比谷に場所を移して行われたのは、『ゴジラ・フェス2024』と第37回東京国際映画祭提携企画『ゴジラ 4Kデジタルリマスター版』のジャパンプレミア。
『ゴジラ 4Kデジタルリマスター版』は今年2月に開催された第74回ベルリン国際映画祭クラシック部門で世界初上映され、ゴジラ70歳のお誕生日のこの日、日本初お披露目される運びとなった。
山崎貴監督 <ゴジラ・フェス>
上映前には新作『ゴジラ』映画の期待がかかる山崎貴監督と初代ゴジラの造型助手・鈴木儀雄氏がトークショーを開いた。あと2年程で90歳を迎えるという鈴木氏。初代『ゴジラ』との関りは、多摩美術大学彫刻科1年時、19歳の頃だという。同級生に円谷英二の親戚がおり、「うちのおじさんが『ゴジラ』という怪獣を作るらしいからお前どうだ?」と誘われ、東宝でアルバイトすることになったそうだ。
特撮シーン撮影過程での苦労点を聞かれた鈴木氏は「大変だったのは材料集めです。そもそもプラスチック材料がない時代だったので、プラスチック工場やお店を回って探して、さらにそれをどう使うのか。プラスチックを使ったことがないので、専門会社に来てもらったりして何度も何度も試行錯誤しました」と回想した。また、ゴジラの形を作るのには金網なども材料として使用されていたそうだ。
山崎貴監督 <ゴジラ・フェス>
完成したゴジラ第1号は重くて動かなかったという逸話もある。これに鈴木氏は「重すぎてスーツアクターの中島春雄さんが『こんなものを作りやがって。芝居が出来ないだろうが!』と怒った。しかもそれを偉い人には言えないので、私を捕まえて、、、」と当時の厳しさを暴露し、山崎監督が「昔はね!70年前の話ですからね!」と必死にフォローし、場内爆笑となる一幕もあった。特撮怪獣映画というすべてが初めての撮影ゆえに「撮影スピードを4倍に上げるので、その分ライトはかなり当てる。かなり暑くてスーツの足元には大量の汗が溜まるほどだった。すると中島さんは『お前らがこんなスーツを作ったんだぞ?』と言ってくる」と鈴木氏。すかさず山崎監督が「で、一番下っ端の鈴木さんを…!?」とまたまたぶり返し、笑いを誘っていた。
映画で観ることの出来る初代ゴジラは、鈴木氏曰く「何度も改良を重ねて作り直したもの」といい、モノクロ作品ではあるが「現物の初代ゴジラの色はネズミ色。グレーです。もちろんネズミ色一色ではなく、銀、緑、茶色を使ってバランスを取った」と貴重な証言も飛び出した。

幼少の頃にテレビで初代『ゴジラ』を観たという山崎監督は「怖かった。モノクロでウルトラマンは助けに来ないし、街は壊すし、人はなすすべがないわけで」とゴジラの迫力に心底怯えた様子。その初代に対するリスペクトは『ゴジラ-1.0』に色濃く反映されており「その影響は大変なもので、かなりインスパイアされています。初代『ゴジラ』の好きなところは使わせてもらっています」と打ち明けた。
新作『ゴジラ』映画への続投が発表されたばかりとあり、山崎監督は「今はハリウッドでもゴジラが作られるようになり、和製ゴジラという言い方もある。しかし僕らが作るものは、初代『ゴジラ』の精神を大事にしなければいけないと思っています。もちろん色々なタイプのゴジラ映画があっていいと思うけれど、僕は初代『ゴジラ』が持つ気持ちを大事にしていきたいと思っています」と鈴木氏に誓うように宣言。最後は樋口真嗣監督も参加しての歴代『ゴジラ』関係者を交えた記念撮影を実施し、貴重な舞台挨拶はフィニッシュとなった。

開催期間:2024年10月28日(月)~11月6日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:www.tiff-jp.net第37回東京国際映画祭