ノルウェーの新星監督テア・ヴィスタンデルの長編監督デビュー作『アンデッド/愛しき者の不在』が1月17日(金)より全国公開。このたび、ヨーロッパ最高齢の現役女優の圧倒的存在感が光る本編映像が解禁された。
『わたしは最悪。』でカンヌ国際映画祭の最優秀女優賞を得たレナーテ・レインスヴェが主演を務める本作。その脇を固めているのはノルウェー映画界の国宝級の名優たち。「北欧の至宝」と呼ばれるデンマーク出身の俳優マッツ・ミケルセンは日本でも広く知られているが、本作にも「北欧のレジェンド」が2人も出演している。
今回、解禁となった本編映像で、蘇った最愛の恋人を甲斐甲斐しく世話する老婦人・トーラを演じているのが、御年90歳のベンテ・ボシュン。草笛光子や黒柳徹子より1歳年上の彼女は、65年にわたり映画やテレビ、舞台での難解でシリアス役からエレガントでユーモラスな役を幅広く演じるヨーロッパ最高齢の現役で活動する女優の一人。演技学校を卒業してすぐに出演したデビュー作「Jakten」(1959)は、ノルウェー映画として初めてカンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされるという快挙を成し遂げ、24年にも一人芝居の舞台で高い評価を得ている。また、クリスマスになると毎年見られる映画の主演も務めているため、往年の映画ファンのみならず、若い世代からも人気を博すノルウェーの国宝級名女優。
また、最愛の孫を墓から掘り起こす祖父・マーラーを演じるビヨーン・スンクェストは、「ノルウェーでは知らない人はいない名優!おそらくノルウェー映画に最多出演し、若い頃から素晴らしい演者で、今でも古さを感じさせることのない完璧な演技を見せてくれる役者」とヴィスタンダル監督が大絶賛するノルウェーを代表する俳優の一人。本作の原作者ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(『ぼくのエリ 200歳の少女』、『ボーダー 二つの世界』)も、ビヨーンの代表作の一つでもあるTVシリーズ「セーヘル警部」シリーズの大ファンで、彼がキャスティングされたことを知った時には、「セーヘルがおじいちゃん役を演じるんだ!」と大興奮したと話している。
ベンテ・ボシュンとビヨーン・スンクェストに共通する俳優としての魅力は、カメラがずっと撮り続けたくなるその顔の美しさだとヨンが語るように、強烈で共感力のある表情、そして目の動き一つで様々な感情を滲み出させる繊細な演技が、この映画をよりメランコリックにさせている。彼らの演技にも注目したい。
『アンデッド/愛しき者の不在』は1月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか公開。
アンデッド/愛しき者の不在
2025年1月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか公開
STORY
現代のオスロ。息子を亡くしたばかりのアナ(レナーテ・レインスヴェ)とその父マーラー(ビヨーン・スンクェスト)は悲しみに暮れていた。墓地で微かな音を聞いたマーラーは墓を掘り起こし、埋められていた孫の身体を家に連れて帰る。鬱状態だったアナは生気を取り戻し、人目につかない山荘に親子で隠れ住む。しかし還ってきた最愛の息子は、瞬きや呼吸はするものの、全く言葉を発しない。そんなとき、招かれざる訪問者が山荘に現れる。そして同じ頃、別の家族のもとでも、悲劇と歓喜が訪れていた…。
原作・共同脚本:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト 監督・共同脚本:テア・ヴィスタンダル
出演:レナーテ・レインスヴェ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、ビヨーン・スンクェスト、ベンテ・ボシュン、バハール・パルス
2024年/ノルウェー・スウェーデン・ギリシャ/カラー/シネスコ/DCP上映/ノルウェー語・スウェーデン語・フランス語・ペルシャ語/98min
提供:東北新社 配給:東京テアトル
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