映画

『がんばっていきまっしょい』完成披露上映会

完成披露上映会
日時:9月22日(日)
会場:丸の内ピカデリー
登壇:雨宮天、伊藤美来、高橋李依、鬼頭明里、長谷川育美、櫻木優平監督原作は、1995年に「坊っちゃん文学賞」大賞を受賞した傑作青春小説「がんばっていきまっしょい」(敷村良子)。

劇場アニメ「がんばっていきまっしょい」の完成披露上映会が本日9月22日に東京・丸の内ピカデリーで開催され、メインキャストの雨宮天、伊藤美来、高橋李依、鬼頭明里、長谷川育美、櫻木優平監督が登壇した。

雨宮天

雨宮が演じた悦ネエこと村上悦子は、物語冒頭は一生懸命になることを避け、冷めた日々を送っているキャラクター。雨宮は「私の高校時代とそっくり」と言い、「諦める感じで生きてみるものの、どこか諦めきれてない。私も授業は寝てましたし(笑)、いっぱい似てるところがあります」と共感ポイントを伝える。一方で「演技のアプローチは、普段演じない方向性のお芝居をさせていただいたので、その難しさはありました」と話し、オーディションについても「自分の新しいアプローチを試すような形で演じさせていただきました」と振り返った。

伊藤美来

そんな悦ネエの幼なじみであるヒメこと佐伯姫を演じる伊藤。ヒメと自分が似ているかという質問に「ヒメはとても優しくてみんなをしっかりまとめていて、共感というより憧れる」と話すと、雨宮らから「似てるよ!」「自己紹介かと思った」と言葉をかけられ照れたように笑う。「絶対に関わりたいなと思って、オーディションでは全役受けました」と明かし、「ヒメを演じたときにするするっとセリフが出てくる感覚があって、ヒメで受かったらうれしいなと思っていた」と喜びを伝えた。

高橋李依

リーこと高橋梨衣奈(りいな)という、自身とよく似た名前のキャラクターを演じる高橋。「あまりにも名前が似すぎてて(笑)。埼玉出身なのも一緒で。埼玉にお住まいの方ならわかる、埼玉から出るオーラってありません!?」と客席の埼玉出身者に問いかける。オーデイションを振り返り、「心情や生き方に共感を得ている役者さんが受かるのかなって個人的には思っていて。そう思ったときに、“埼玉の高橋”は、ちょっと自信があったんです(笑)。『これは正直、受かりたい!』って。そこはかとない自信を受け取ってもらったのかもしれない」と、リーへの親近感を語った。

鬼頭明里

鬼頭演じるダッコこと兵頭妙子と、長谷川演じるイモッチこと井本真優美は、お互いをライバル視するお嬢様同士。鬼頭は「さばさばした性格や口調は自分と似てると思います」とダッコを紹介しつつ、実はオーディションでは悦ネエのみを受けていたと明かす。キャスティング理由を尋ねられ、櫻木監督は「キャラに近い人物像の方をというのと、5人セットで並ぶことが多いので、バランスを考えながら組み合わせていったらこうなりました。高橋さんも並べた後に名前が似てることに気付いたので、本当に奇跡です(笑)」と回答しキャスト陣を驚かせた。

長谷川育美

イモッチ役の長谷川は「お嬢様ということ以外は、負けず嫌いなところとか、めちゃめちゃ似ています(笑)」とキャラとの共通点を述べ、「ボート部のお話といえど部活まっしぐらというより、心情を表すセリフがすごく入っていて、繊細そうな作品だなって印象を受けました」と作品の第一印象を回顧する。ダッコとイモッチの口喧嘩や、部員同士の掛け合いの場面も見どころの1つ。高橋が掛け合いのテンポの速さが印象に残ったと話すと、長谷川も「観る方は自然に感じるかもしれませんが、録る側からすると速い速い!ってなりますよね」と同意した。

櫻木優平監督

そもそもなぜ「がんばっていきまっしょい」をアニメ化するに至ったのかを聞かれると、櫻木監督は「企画段階で女の子たちががんばるストーリーのものをやろうという話になり、自分の中でそういう作品の原点が『がんばっていきまっしょい』だったんです。中学生のときに実写版の映画から入って小説も読ませていただいて、日常系部活もの的なジャンルの最初がそれだった」と回答。また伊藤が作中の花火のシーンを「本当に花火を観ているみたいな感覚になった」と話すと、櫻木監督は花火の音を実際に愛媛の松山港まつりへ録りに行ったことを明かした。

本日行ったというボート体験の様子を振り返るキャスト陣。本日行ったというボート体験の様子を振り返るキャスト陣。

最後に櫻木監督は「自分にとっては5年ぶりの劇場作品。勝負を賭けたいという作品で、とても気合を入れて作っています」と熱意をアピール。長谷川は「映像もキャラクターも、音楽も、1つひとつに青春が詰め込まれています。私はこういう高校生活を送ってきていないのでうらやましいところもありながら、悦ネエにはすっごく共感できる部分もあったり。皆さん1人ひとりの歩んできた人生によって感じ方が変わってくる作品なんじゃないかと思います」と魅力を伝えた。

左から伊藤美来、鬼頭明里、櫻木優平監督。左から伊藤美来、鬼頭明里、櫻木優平監督。

鬼頭は「がんばらないというのは自分を守る術ではあると思うんですが、本気になったときにしか見えない景色ってあるなって私も改めて思わされたので、やりたいことや一歩踏み出せないことがある人に刺さって、背中を押せる作品になっていたらうれしいなと思います」とメッセージを送る。高橋は「皆さんが受け取った好きなシーンや好きなセリフ、皆さんご自身の抱いた気持ちを、思い浮かんだ仲間や友達、家族がいらっしゃったらぜひおすすめしていただけると」と呼びかけた。

「がんばっていきまっしょい!」の掛け声をかけるキャスト陣。「がんばっていきまっしょい!」の掛け声をかけるキャスト陣。

伊藤は「観ていただいたあとはきっと爽やかな気持ちになると思いますし、1つのことにがんばることや、自分の気持ちに正直に生きるのは自分の励みになることだと実感できるんじゃないかと思います」と挨拶。雨宮は「自分も見ないようにしている自分の弱さに作品を通して触れられる気がして、もぞもぞする気持ちがありながらも、最後はさわやかな気持ちで包んでくれる作品です」とアピールし、最後は「がんばっていきまっしょい!」の掛け声で舞台挨拶を締めくくった。

ボートにかける女子高生たちの青春 “僕青”の主題歌に乗せて描く 「がんばっていきまっしょい」予告

声の出演:雨宮 天 伊藤美来 高橋李依 鬼頭明里 長谷川育美
江口拓也 竹達彩奈 三森すずこ 内田彩
原作:敷村良子 「がんばっていきまっしょい」(幻冬舎文庫)(松山市主催第4回坊っちゃん文学賞大賞受賞作品)
監督:櫻木優平
脚本:櫻木優平 大知慶一郎
キャラクターデザイン:西田 亜沙子
CGディレクター:川崎 司
色彩設計:田中美穂
美術監督:平良晴佳
撮影監督:権田光一
アニメーションプロデューサー:佐久間周平
アニメーション制作:萌 / レイルズ
音楽:林イグネル小百合
主題歌:僕が見たかった青空「空色の水しぶき」(avex trax)
協力:松山市 製作幹事:松竹
製作:がんばっていきまっしょい製作委員会
(松竹/バップ/テレビ東京/愛媛新聞/南海放送/テレビ愛媛/あいテレビ/愛媛朝日テレビ/エフエム愛媛)
配給:松竹
©がんばっていきまっしょい製作委員会