「スーパーミキンコリニスタ」の草場尚也監督による劇場用映画初監督作品「雪子 a.k.a.」が、2025年1月より劇場公開されることが決まった。
「雪子 a.k.a.」は“29歳問題”の渦中で人生に迷った小学校教師が、ラップを通して自分と向き合い、答えを探す姿を描いた作品。漠然とした不安を感じている29歳の小学校教師の雪子。不登校児とのコミュニケーションも、彼氏からのプロポーズにも本音を口にすることを避け、ちゃんと答えが出せずにいる。ラップをしている時だけは本音が言えていると思っていたが、思いがけず参加したラップバトルでそれを否定され、立ち尽くしてしまった。自問自答しながら30歳の誕生日を迎えるものの、現実は何も変わらない自分でしかない。それでも自分と向き合うために一歩前へ進んだ雪子は、あるものをつかむ。
主人公・雪子を演じるのは山下リオ。同僚教師に樋口日奈、占部房子、恋人や友人に渡辺大知、剛力彩芽、そして雪子の父を石橋凌が演じる。劇中で雪子が披露するリリックは、ラッパーのダースレイダーが本作のために書き下ろしている。
山下リオと草場尚也監督のコメントも公開された。コメントは以下の通り。
■主演・山下リオ
この映画のオファーをいただいた時、私は雪子と同じ30歳。事務所から独立してすぐのことでした。ただ漠然とした不安を抱える雪子は、そんな私自身と重なり、いつしか同化していたように思います。
「人は自信をなくすと透明人間になってゆく」、演じていて強烈に感じたことです。でも、自分に色をつけられるのもまた自分です。
この映画は、自分らしく生きるために1ミリでも1センチでも、前に進もうとする雪子の姿がたくさん映り込んでいます。
透明人間はどこにでもいるし、明日の自分がそうかもしれない。
そんな方々に愛を込めて、「雪子 a.k.a.」を届けたいです。是非、劇場でご覧ください。
■草場尚也監督
私自身が教員免許を持っていて、元々は小学校教諭を目指していたことから企画が開いていきました。そして、いま一番好きなヒップホップ・ミュージックを掛け合わせています。この企画を始めてから、サイファーにも通いました。とはいえ即興は苦手で、ラップもできたものではありません。即興が苦手というのは、他者とのコミュニケーションでも同様で、あの時こう言えばよかった、など躓きを感じることが多々あります。
でも、映画は即興ではないから。時間をかけて考え、主人公・雪子に想いを託し、素敵なスタッフ・キャストに恵まれて完成することができました。
東京で生活している女性が主人公ですが、地元の長崎でも一部撮らせて頂きました。映画作りをするたびに、たくさんの支えがあることに気付かされます。
観客の皆さんにとって、雪子が生きる世界に没入し、その在り方や感情を追体験できる映画になっていたのなら嬉しいです。
【作品情報】
雪子 a.k.a.
2025年1月 ユーロスペースほか 全国順次ロードショー
配給:パル企画
©2024 「雪子 a.k.a.」製作委員会