舞台挨拶では、光石研さんが12年ぶりの単独映画主演に感慨深さを語りました。彼は「どんな世代が見ても、いろいろな目線で見られる作品です」と自信を持って作品を紹介しました。その自信には、彼の熱演と魅力的な演技が深く根付いていることが感じられました。
物語は、定時制高校の教頭が記憶が薄れていく中で自身の人生を振り返り、新たな道を模索していく姿を描いています。光石研さんと同じ事務所に所属する二ノ宮隆太郎監督は、彼に直談判し、彼の故郷である北九州を訪れて町の雰囲気や思い出を体験し、それを脚本に反映させました。この作品には、二人の絆と情熱が息づいていることが感じられます。
舞台挨拶の終わりには、観客から熱い拍手と感謝の気持ちが贈られました。この映画が「博多っ子純情」のオーディションでの主役選出とカンヌ映画祭のACID部門への選出という素晴らしいニュースにより、作品への期待と興奮が一層高まりました。
しかしながら、作品の内容にちなんで人生のターニングポイントを尋ねられた時、光石研さんは「78年のデビュー作『博多っ子純情』を挙げて、『あの1本がなければこの世界にいない。俳優もやっていなかった』と話されました」と博多弁で述べると、福岡出身の松重豊さんが異議を唱えました。「地元で『博多っ子純情』という映画のオーディションがあって、主役の男の子が光石研くんに決まりましたと新聞に載っていて、なんで北九州の人間が博多っ子をやりよっと、と思った。そこで僕の人生がガラッと変わりました」と明かし、会場は笑いに包まれました。
このようなエピソードからも、光石研さんと松重豊さんの関係性や絆が伺えます。彼らの出会いや共演は、お互いの人生に大きな影響を与えたことがうかがえます。
舞台挨拶では、笑いと感動が交錯し、作品への期待が一層高まりました。光石研さんと共演者たち、そしてスタッフの皆さんの情熱と努力が作品に込められていることを改めて感じました。