俳優の深川麻衣と若葉竜也が、1月16日に都内で開催された映画「嗤う蟲」完成披露上映会に登場。共演の田口トモロヲ、杉田かおる、メガホンをとった城定秀夫監督と共に撮影現場でのエピソードなどを語った。 【
日本各地で発生した村八分事件を題材に、実際に存在する「村の掟」をリアルに描いた映画「嗤う蟲」が公開される。この作品は、現代日本に隠された村社会の実態を描き出したヴィレッジ“狂宴”スリラーである。脚本を内藤瑛亮が担当し、監督は鬼才として知られる城定が務めた。
物語では、スローライフを求めて都会から田舎の「麻宮村」へ移住した若い夫婦を深川と若葉が演じる。
完成した作品について、深川は「ホラーではないため、驚かせるような怖さではなく、登場人物の笑顔の裏に潜む意図を感じさせるようなジワジワとした怖さが特徴です。エンターテインメントとして楽しめる作品に仕上がっています」と述べた。また、「通常、試写会では自分の演技の粗探しをしてしまいがちですが、『嗤う蟲』は純粋に楽しむことができました」と自信を見せた。
一方、若葉は「自分のシーンはほぼ1カットで撮影されており、映像を観た際、自分が思い描いていたリズムと実際の試写のリズムが異なっていて興味深かった」と感想を語った。また、個性豊かな共演者との演技については、「共演者の個性がぶつかり合う中で、なるべく余計なことをせず、演技を新鮮に受け止めるよう意識しました」と振り返った。
本作は、村社会の独特な雰囲気や掟をリアルに描写し、観客に新たな視点を提供するスリラー作品として注目されている。
深川は、監督の城定と初めてタッグを組んだ際の印象について、「城定さんとご一緒するのは初めてでしたが、演出中に一度も目を合わせてくれなくて、『私、嫌われているのかな』と思いました」と振り返った。その後、共演者の若葉に相談したところ、「俺も目が合ってない」と笑いながら答えたという。これに対し、城定監督は「それはよく言われます。でも全然嫌っていないんです。シャイなだけです」と釈明し、場内の笑いを誘った。
村の自治会長・田久保を演じた田口は「久しぶりにギアをマックスに入れ、エンジンを吹かしながら踏み込める役柄でした」とコメント。衣装合わせの段階で監督に「やり過ぎたら抑えてほしい」と伝えていたものの、「実際には監督がちゃんと抑えてくれました」と笑顔で語った。
共演した深川は「非常に迫力のある演技で、かなり至近距離で詰め寄られる場面がありました」と語った。台本では動きや演技がある程度自由に委ねられていたものの、田口が演じる田久保の詰め寄り方や仕草が予想を超える恐ろしさだったと振り返った。また、「私自身も、演じた杏奈としても、その迫力に圧倒されて非常に恐怖を感じました」と田口の演技の力強さを称賛した。
また、田久保の妻を演じた杉田は、共演者との撮影について「若いお二人が、田口さんと私を日に日に嫌がっているように感じて、リアルで驚きました。それだけお二人の演技が素晴らしかったのだと思います」と述べた。自身の役どころについては、「親切なおばさんではありますが、おせっかいが過ぎることで怖さが増していく点に注目してほしい」と説明。さらに、「人間関係の隙間に潜むヒヤッとする部分がこの作品の見どころの一つです」と語り、キャラクターの奥深さをアピールした。
さらに、若葉は撮影中の宿泊先での「幽霊騒動」について明かした。当時宿泊していたホテルで怪奇現象に遭遇したといい、「柄シャツを着たおじさんが、化粧台の鏡を見ながら座っているのを見ました」と語った。この出来事に耐えられず、後半の撮影期間中は自腹で別のホテルに宿泊したという。撮影終盤の2~3日間に及ぶ出来事だったため、共演者には話さずに過ごしたとのことだ。
幽霊騒動に関連して、共演者たちもそれぞれの体験を語った。深川は「私は見ていません」と述べ、田口は「僕はそのホテルに宿泊していません」と回答。一方、杉田は「クモを見かけましたが、テレビが突然ついたことがありました。撮影現場よりホテルのほうが怖かったです」と話し、場内を沸かせた。
若葉はさらに、「ホテルの部屋がどうにもおかしいと思って調べたら、ホテル名を検索した際に『心霊』というワードが最初に出てきて、由緒正しい“心霊ホテル”だと分かりました」と苦笑交じりに述懐。キャスト全員での撮影が進む中、意外な裏話が披露されたエピソードとなった。
『嗤う蟲』
1月24日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー
出演:深川麻衣、若葉竜也、松浦祐也、片岡礼子、中山功太、杉田かおる、田口トモロヲ
監督:城定秀夫
脚本:内藤瑛亮、城定秀夫
音楽:ゲイリー芦屋
製作幹事:ポニーキャニオン
製作プロダクション:ダブ
配給:ショウゲート
2024年/日本/カラー/シネスコ/DCP5.1ch/99 分/PG-12
©2024 映画「嗤う蟲」製作委員会
公式サイト:waraumushi.jp